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フラワーボーイズ  作者: TTT


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第1話:ファインダー越しの難聴リスクとバナナマイク

記念すべき第1本目の動画撮影!

……のはずが、カメラが回る前からすでに大荒れ!?

画面の前で暴走するメンバーと、裏方でブレーキをかけるメンバー。

『フラワーボーイズ』の凸凹な日常、いよいよスタートです!

「画面の向こうのみなさーん! こんにちはーーーっ!!」


ホワイトボードが微かに震えるほどの爆音が、ワンルームの事務所に響き渡った。

声の主は、我がチーム最年長にして大声担当の、かずとさん(28)。B型。

カメラの前で両手をこれでもかと振っている。その隣では、最年少のたくみ(24・O型)が、なぜかバナナをマイク代わりに握って、虚空を見つめながらキリッとした表情でスタンバイしていた。


「……あの、かずとさん。まだカメラ回していないです。あと、たくみもバナナ置け。スタジオの備品で遊ぶな」


カメラの後ろから、冷ややかなツッコミが飛ぶ。声の主は進行・計画担当のたける(26)。O型。

今回はカメラマンも兼ねている彼は、ファインダーを覗きながら、手元のノートPCで寸分の狂いもないタイムスケジュールを確認している。


俺の名前はしょうた(25)。A型。

この個性豊か(悪く言えばバラバラ)なメンバーが集まる動画制作チーム『フラワーボーイズ』のリーダーをやっている。

俺もかずとさん、たくみと一緒に、カメラの前に並んで座っていた。


今日は、記念すべき第一本目の動画である「自己紹介動画」の撮影日だ。

撮影開始の予定時刻は、とっくに15分を過ぎている。


「おい、たける! カメラ回していないなら早く言えよ! 俺の100パーセントのテンションを返せ!」

「いや、スケジュール表に『11:00 撮影開始』って太字で書いて共有しましたよね? 今11:15です」

「細かいことはいいんだよ! 楽しければオールOK!」


「良くないです。今日の編集スケジュールが後ろ倒しになります」


早くも、画面の裏で真面目な進行をしたい組のたけると、画面の前でとにかく盛り上がりたい組のかずとさんの間で、見えない火花が散っている。これが我がチームの日常だ。真面目(裏)とエンタメ(表)、二つの空気が綺麗に真っ二つに分かれている。


「まあまあ、二人とも落ち着いて」

俺はリーダーらしく、カメラに向かって苦笑いしながら割って入った。「まずは一本目だし、ガチガチにいかずに、みんなの素の良さが出ればいいからさ。たける、カメラ回していいよ」


「……わかった。しょうたがそう言うなら。じゃあ、回します。3、2、1……」


たけるの合図で、カメラの録画ランプが赤く点灯した。


「はい! どうもみなさん、こんにちは!『フラワーボーイズ』です!」

俺がカメラに向かって笑顔で手を振る。

画面に映っているのは、俺、かずとさん、たくみの3人だ。


ここまでは完璧。リーダーとしての、大人の空気感だ。

だが、その平穏は一瞬で崩れ去る。


「イエーーーーーーイッ!!! 待たせたな世界ッ!!!!! フラワーボーイズの特攻隊長、かずと28歳! 彼女募集中でーーーすっ!!」

かずとさんが、画面からはみ出す勢いで俺の肩を組んで大声を張り上げる。鼓膜が破れるかと思った。


「引いてぇ……フラワーボーイズの頭脳にして、お笑い界の絶滅危惧種……たくみ、24歳です。趣味は、バナナの皮で滑る練習です。よろしくお願いします(ボソッ)」

たくみが、先ほどのバナナを今度は耳に当てて、謎のシリアスなトーンで話し始めた。完全にシュール系のギャグに走っている。


「ちょっとストップ」

案の定、カメラの向こうからたけるの声がかかった。「かずとさん、声がデカすぎて音割れしています。あと、自己紹介で彼女募集しないでください。たくみ、バナナはもう映り込んでるからボケとして成立していないし、声が小さすぎます。あとでテロップを入れる俺の身になってください」


「厳しいってーーー! たける先生厳しいってーーー! 」

かずとさんがカメラに向かって頭を抱えて叫ぶ。

「たけるくん、これは『あえて』のロー&ハイのギャグだよ? 計算だよ?」

たくみがカメラの向こうのたけるに向かってドヤ顔で言い訳をする。


二人のエンタメ暴走列車は、裏方であるたけるというブレーキがあっても止まりそうにない。


俺は、そんな3人のやり取りを真ん中で見つめながら、こっそりため息をついた。

真面目にやりたいたけると、ふざけ倒したい最年長と最年少。性格も血液型もバラバラで、空気感は見事に二極化している。


でも――。

台本通りにカチッと進めるだけの動画なら、俺たちが一緒にやる意味はない。

このカメラの表と裏の温度差こそが、きっと俺たちの武器になる。


「よし! じゃあ今のテイク、めちゃくちゃ面白かったから活かそう! たける、ここからフリートークの時間を少し長めに取るから、タイムスケジュール調整できる?」

俺が画面の向こうのたけるに声をかけると、彼は少し呆れたようなため息混じりの声を返してきた。

「しょうたが言うなら、10分だけ枠を広げるよ。その代わり、かずとさんはボリュームを3下げてください」

「よっしゃあ! じゃあボリューム2.5でいくわ!」

「だから、下げる意味!」


たけるの鋭いツッコミが響く。こうして、俺たちの最初の自己紹介動画は、大爆笑と共に幕を開けたのだった。

第1話をお読みいただき、ありがとうございました!

画面の前で暴走するトップと、画面の裏でブレーキをかけるバック。この「カメラの表と裏の温度差」を武器に、ついに『フラワーボーイズ』の初撮影が終了しました!

果たして彼らの初動画は、ネットの海でバズるのか……!?


「フラワーボーイズの初動画を観てみたい!」「この4人のチームワークが好き!」と思ってくださった方は、ぜひページ下部の【☆評価】や【ブックマーク】をポチッと押して応援していただけると、4人のチャンネル登録者が1人増えたくらいめちゃくちゃ喜びます!

よろしくお願いします!

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