初恋の続き ①
読んでいただきありがとうございます。
ここから追加した物語です。
それからラル様は、抵抗するお父様を論破して、どんどん手続きを進め婚約があっという間に調い、半年後には結婚することが決まった。
「もー。ランスは相変わらず、アリアのことになると、抜かりないと言うか、何と言うか…………凄いよね。僕よりも早く結婚しちゃうんだもの」
リアム殿下が、呆れたように両手を上げる。
「リアム殿下、その際はいろいろとご尽力いただき、心より感謝申し上げます」
私がお礼を述べると、リアム殿下は遠く空を見上げてから眼を閉じた。
「そうだよ、アリア…………。アリアがもっと早く僕のおすすめと、会ってくれていたら、僕はランスにいっぱいイジメられなくて済んだんだよ」
ラル様が身を乗り出す。
「イジメてなどいないだろ、正当な取引だ」
「んー。ぼくの負荷の方が多かったと思うんだけど、小さなころにちょっとした興味本位で、ピンクのリボンをからかったがために、アリアに関する情報を報告したり、お茶会や夜会で合わせようと策略したり、もうふたりとも熱を出してみたり、遅れてきたりでなかなかうまく会わせられないし!夜会といえば3年前のデビュタント舞踏会の時は、ランスも会場にいたんだよ、綺麗になったアリアを見たらさ………ぷぷぷ、ランス緊張しちゃて、アリアに押し寄せる令息達に先を越されたんだよ」
「おい。リム!アリアにかっこ悪いこと暴露するな」
ん~。リアム様の耳が真っ赤でかわいらしい。
「学院に入ってからは、アリアに悪い虫がつかない様に、いろいろと手を尽くしたんだよ~。釣書を握りつぶすのは、心配しなくてもライド侯爵がしてくれてたからね、僕は直接近づいて来る奴を見張ればいいだけだったけど、一時期はオリビアにいろいろ誤解されて、大変だったんだよ。今はオリビアも協力者だけどね」
「だからいつもお礼のイチゴを送っていただろう。あのイチゴは最高級のものを、俺の個人資産から購入してたんだからな!」
…………リアム殿下。密偵の様なことをさせられていたのね!そしてその報酬がイチゴ…………。
「まあ。僕のご褒美はイチゴというより、それを嬉しそうに食べる、オリビアの笑顔なんだけどね」
心の中で百面相をする私に、リアム殿下がウインクする。
「人の婚約者に、ウインクするな」
そう言うとラル様は、私の手を引き立ち上がる。
「あーあー。狭量な男は嫌われるぞ!ランス」
そう言い合うふたりは、眼を合わせ、同じ角度で口角を上げてにやりと笑う。
「また、イチゴを送る」
なんだか……男の友情みたいな雰囲気で少し妬ける!
ラル様は、私の腕と腰をホールドして、ずんずんと出口に向かう。
何とか振り返り、私はリアム殿下に手を振る。
「リアム殿下、私はイチゴ以外で、オリビア様が好きなものを送りますわ」
「はーい。僕へのお見上げも待ってるよ~。道中気を付けてね」
私達は今日から、数日かけてルリット王国へ向かい、アルバ侯爵家の皆様へのご挨拶と、婚姻式の打ち合わせだ。
リアム殿下には出発のあいさつに来たのだが…………。
王宮の馬車止めに着くと、お母様とオリバーが待っていた。
「お姉さま~」
オリバーは私に駆け寄り両手を広げる。
するとラル様が横からひょいっとオリバーを抱き上げる。
「わあ~。ランス兄さま♪高い高い」
オリバーは肩に担ぎあげられて、大喜び。
「まあまあ。オリバー、アリアたちの邪魔をしたらダメだからね、アルバ侯爵家でもいい子にしているのよ」
「はい。お母様」
今回オリバーは、お父様の強い希望で、私とラル様をふたりきりにしない様に、送り込まれたのだが………オリバーは既に、ラル様にすっかり懐柔されている。
「ふふふ。さあ行きましょう」
「ランス様、アリアとオリバーをよろしくお願いします」
「はい。お母様、心得ております」
私達が乗り込むと、ゆっくりと馬車が走り出す。
なんだか、不思議な感じ……ララとふたりで、少し寂しく不安を抱えて来た道を、今はラル様と、オリバー、私とララ。
こんなに幸せな気持ちで、同じ道を戻る。
賑やかで楽しい馬車の旅は、あっという間に終わり、私はルリット王国に到着した。
(#^^#)




