第39話 永禄7年、始めました……突然の別れ
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第39話 永禄7年、始めました……突然の別れ
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永禄7年1月。
昨年末に、深田親子が帰ってきた。
交渉のテーブルにつくまでに3カ月も待たされ、さらに交渉で3カ月。
明の意志決定構造に、どれほどの無駄があるか分かるというものだ。
そんな深田親子は、明との直接貿易を勝ち取ってきた。
宗像だけの特例だ。
まさか一回目の交渉でまとまるとは思ってもいなかったので、驚いたよ。
この功績をもって深田氏実に加増をし、筑前国穂波郡32,000石に移封した。
ただし、領地経営は家臣に任せ、深田親子は遠賀城内に与えた深田郭に住むように命じた。
え、色姫と一緒にいたいだけだって?
それの何が悪いのか!?
さて、昨年の収支だ。
銭の鋳造は180,000貫。
椎茸は25,000貫。
玻璃は45,000貫。
鉄砲の生産は1,600挺で、16,000貫の支出。
走破船は1隻を建造し、2,000貫の支出。
疾風船は1隻を建造し、1,400貫の支出。
韋駄天船は16隻を建造し、12,800貫の支出。
硝石は800斗を生産し、16,000貫の支出。
交易(博多商人)5回で、150,000貫。
交易の手間賃2割で30,000貫の支出。
硝石購入(博多商人)は5,000貫の支出。
水あめ菓子(新製品)は3,000貫。
飴ちゃん※弾切れ
常備兵は15,000人に増やし、375,000貫の支出。
シャボンは25,000貫。
遠賀川の水路工事は5,000貫の支出。
俵物三品(鮑、海鼠、フカヒレ)
生産分配(鉄砲生産、硝石生産、造船、農業振興、大筒生産、石炭採掘、蒸留酒醸造、鉱山開発3カ所)は20,000貫の支出。
余剰米販売は100,000石で、170,000貫。
余剰雑穀販売は30,000石で、30,000貫。
津料などの税は200,000貫。
戦費は0貫。
領内の整備に20,000貫の支出。
綿布は3,000反の生産で、3,000貫の支出。
蒸留酒(2種類)は20,000斗の生産で、14,000貫。
大筒は18門の生産で、21,600貫の支出。
昨年の収支は、107,600貫のプラスだ。
常備兵は、5,000人ずつを東部と西部の方面軍に配属した。
よって遠賀城には5,000人が詰めていることになる。
今年はあと5,000人を増やして、20,000人体制にするつもりだ。
それから、遠賀川の水路工事が終わった。
今後は定期的なメンテナンスくらいなので、費用はほとんどかからない。
だから、今年は領内整備費を30,000貫に増やす。
これで、治水工事、街道整備、開拓・干拓事業を進める。
あと、綿糸と綿布を機械化した。
現代のような完全オートメーション化ではないが、生産性はかなり上がったはずだ。
綿花の生産もかなり増やしていることから、今年の綿布の生産は倍増以上を期待している。
永禄7年2月。
東部方面軍、西部方面軍が南下を始めた。
共に常備兵を5,000人と、徴兵した兵を8,000人ずつ、合わせて13,000人の構成だ。
鉄砲1,000挺、木砲300門ずつも配備している。
東部方面軍は日向国の伊東氏を攻めている。
なかなか激しい抵抗らしいが、鉄砲と木砲の火力で押している。
西部方面軍は相良氏を攻めている。
こちらは調略が上手くいっていることから、抵抗は少ないようだ。
永禄7年6月。
先月帰国した船で、磁器職人(磁工)を連れ帰ることができた。
明の皇帝は銀の供給に大層満足しており、こちらの要求にできる限り応えるように指示を出したようだ。
この指示のおかげで、朝鮮も大っぴらに交易ができるようになり、朝鮮王も宗像に最大限の配慮をするようになった。
そのおかげで、朝鮮から李近平という磁工を連れ帰ることができたのだ。
もちろん、李近平を無理やり連れてきたわけではない。
ちゃんと日ノ本で磁器の窯を開きたいといってくれた職人を連れてきている。
儂は奴隷売買を嫌悪しているから、そこは間違いない。
李近平には有田で土を探してもらっている。
土が発見できたら、窯を作る。
こちらは支援するだけで、好きにやらせるつもりだ。
さらに、両方面軍の南下は順調だ。
立ち塞がる敵は打ち倒し、調略も併用して進んでいる。
自室で方面軍の報告書を読み、決裁が必要な書類を処理していく。
そんな俺の部屋に向かってくる足音が聞こえる。
かなり急いでいるようだが、どうしたのだ?
「申しあげまする!」
儂の元小姓の船右衛門だ。
かなり慌てているようだが、どうした?
「どうした、船右衛門。方面軍が瓦解でもしたか?」
「ち、違いまする! 鍋寿丸様が、鍋寿丸様が……」
「鍋寿丸がどうしたのだ!?」
いきなり鍋寿丸の名が出て、儂は何があったのかと縁側まで出た。
「お……お亡くなりになりましてございまする」
「な……」
持っていた筆が落ちた。
「鍋寿丸!?」
儂は走った。
途中のことは覚えていない。
気づいたら、鍋鶴丸が目の前で眠ったように目を閉じている顔があった。
「鍋寿丸……鍋寿丸……鍋寿丸……あぁぁぁぁぁ鍋寿丸!」
儂は鍋寿丸に抱きつき泣いた。
「なぜだ!? なぜ死んだのだ!? もうすぐだというのに!?」
来年には芽衣も鍋寿丸も引き取れるはずだった。
「お殿様、申しわけございません」
芽衣が泣き腫らした顔で儂に謝る。
「何があった? 病か? 怪我か?」
「急に倒れ、そのまま眠るように……」
「病なのか!?」
「分かりませぬ。医師は子供にはよくあることだと……」
何がよくあることだ!?
「長門(秋月文種)! その医師を呼べ! 儂に説明せよと言え!」
「は、はい!」
秋月文種は慌てて走っていった。
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