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九州の覇王  作者: 大野半兵衛


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第31話 永禄4年、始めました

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 第31話 永禄4年、始めました

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 永禄4年1月。

 寂しい正月だった。

 母も色も心なしか元気がない。

 そんな正月だったが、綾瀬が身籠った。

 正月早々の嬉しい話のおかげで、少し家内が明るくなった。

 産み月は今年の7月だ。


 さて、昨年の収支だ。


 銭の造り直しは110,000貫。

 ジイ様は鐚銭を駆逐するまで、儲け倒してやると気合いを入れている。


 椎茸は23,000貫。

 朝鮮を介しての交易だけでなく、明と直接交易の伝手もできた。


 玻璃は40,000貫。

 切子など芸術性のある製品もラインナップし、澳門の南蛮人にも売れている。


 鉄砲は700挺を生産し、7,000貫を支出。


 走破船は1隻を建造し、2,000貫の支出。

 初期に造った走破船もやがて老朽化することから、数年に1隻の頻度で造っておく。


 疾風船は0隻。


 韋駄天船は10隻建造し、8,000貫の支出。


 硝石は300斗の生産で、6,000貫の支出。


 交易(博多商人)3回で、75,000貫。


 交易の手間賃2割で15,000貫の支出。


 硝石購入(博多商人)は3,000貫の支出。


 水あめ菓子(新製品)は3,000貫。


 飴ちゃんは0。

 弾切れだ。


 常備兵は10,000人で、250,000貫の支出。


 シャボンは15,000貫。


 遠賀川の水路工事は5,000貫の支出。


 俵物三品(鮑、海鼠、フカヒレ)は15,000貫。


 生産分配(鉄砲生産、硝石生産、造船、農業振興、大筒生産、石炭採掘、蒸留酒醸造)は14,000貫の支出。


 余剰米は50,000石を販売し、85,000貫。


 余剰雑穀販売は10,000石で、11,000貫。


 津料などの税は165,000貫。


 戦費は12,000貫の支出。


 昨年の収支は78,900貫のプラスだ。


 昨年の12月に、儂はガチャの製鉄所を設置した。

 八幡製鉄所があった辺りだ。

 製鉄所だから箱物だけかと思っていたんだが、なんとそこで働く人まで一緒に現れた。

 彼らは製鉄所で働く所員、警備員、それらの家族で構成されており、総勢15,000人にもなる。

 彼らの忠誠は儂に向けられている。

 しかも警備員の武装は現代の軍隊のもので、戦争で使いたいくらいだ。


「この製鉄所では何が作れるんだ?」


 儂は工場長と名乗る40代の男性に聞いてみた。

 固有名はなく、全員が役職名で呼ぶらしい。

 平の所員は番号だし、その家族も番号だ。

 彼らはこの製鉄所を運営するだけに存在するらしい。

 なんとも寂しいことなので、名前をつけることは可能らしいので、名づけを行うことにした。

 さすがに15,000人もの名づけは苦労したが、なんとかつけきった。

 工場長の名前は八幡長兵衛にした。


「金属類の精製、製造にございます。鋼板、鉄骨などにし、出荷が可能です」

「鉄砲などの製造は?」

「製鉄所でありますから、細かな加工はできかねます」

「ふむ……。この敷地は広いが、敷地内に鍛冶工房を設置しても構わんか?」


 すると八幡長兵衛は製鉄所の地図を広げる。


「D区画は設備増設用の空き地になっておりますので、ここであれば鍛冶工房を設置可能です。また、設備の設置は我らのほうで行えます」

「鍛冶工房を設置可能なのか?」

「はい。設備設置は問題なく。ただし、そこで働く人員はご用意ください」

「それなら鍛冶工房を設置してくれ。頼んだ」

「承知いたしました」


 その後話していて分かったことだが、八幡長兵衛はなんとガチャの引換券が見えるらしい。

 つまり、引換券が使えるのだ。

 毎月10トンの鉄の引換券を八幡長兵衛に渡しておく。

 これで毎月10トンの鉄が製鉄所内で具現化させられる。

 その鉄は鍛冶工房に持ち込まれたり、鉄筋などに加工されたりする。


 家臣たちには宗像三女神様の加護により、顕現した施設だと言ってある。

 一瞬で現れたこの巨大で広大な施設は、まさに神の力を示すのに丁度よかった。

 家臣も領民も製鉄所に向かって手を合わせていたのが、ちょっと申しわけなかったけど……。




 そして、1月も終わりに近づいたある日、門司城の魔改造が終わった。

 儂はすぐに門司城に向かい、視察を行う。


 門司城は170メートルほどの山の上に築かれた砦のような城だった。

 それが鉄筋コンクリート造りの強固な要塞になっていた。

 防衛面では迷路のような経路により、敵の進入を阻む。

 さらには鉄砲隊をそこかしこに配置できる構造になっており、侵入した敵を血祭りにあげる。

 侵入される前には、木砲や大筒による防衛が可能になっている。

 木砲では難しいが、大筒なら対岸の長門国の甲山城を射程に収めることが可能だ。

 ただし、まだ大筒は完成していない……。

 まあ、それも製鉄所が稼働しているので、すぐに完成することだろう。




 永禄4年3月。

 大友が南蛮の宣教師にそそのかされ、キリシタン少年学校を開設したらしい。


「当主左近衛少将(大友義鎮)殿は、毎日のように伴天連を呼んでおります。家臣らは、これを大いに不満と思っております」


 豊後の北部を儂に奪われ、筑後の国人らの半数以上は儂についた。

 大友義鎮はどうにもならない閉塞感から、伴天連の口車に乗せられていくのだろうな。

 その大友の家臣団だが、必死で義鎮を支える者と、やる気のない義鎮を見限る者とに分かれている。

 おかげで、大友家内は疑心暗鬼になっているようで、さすがの戸次鑑連や吉弘鑑理をもってしても、収拾がつかないようだ。



ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


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