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九州の覇王  作者: 大野半兵衛


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第3話 ガチャのおかげでいい生活ができそうだ

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 第3話 ガチャのおかげでいい生活ができそうだ

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 コモンは全部で5個。

 飴ちゃん以外がこうなった。


 缶詰セット 1年分

 胡椒 10キログラム

 醤油 1斗 10樽

 栄養補給食 300食分


 ありがたい。

 ありがたいが、口に入れるものばかりだな。

 コモンは食料品関係か?


 アンコモンに移る。


 小型ソーラー発電機セット

 高性能ドローンセット

 クロスボウ 10セット


 いきなり近代化したと思ったら、武器まで出るのか。

 それではお待ちかねのレアを……。


 防御スーツ 3着

 グロック17セット 2セット


 防御スーツとはなんぞや?

 防弾ベストみたいなものか?


 で、グロックは拳銃だ。

 これはありがたい。

 まだ子供の俺では、重い太刀を振り回すのは難しいからね。


 さっそく防御スーツを引き換えてみる。

 ほぼ全身タイツだな、これ。

 真っ黒だから、夜なら目立たないと思う。

 昼間見たら、ヘンタイだ。

 首下から臍のあたりまでファスナーがあり、ここから体を通すようだ。

 説明書もあるので読んでみると、防弾・防刃・耐衝撃効果があるそうだ。

 着てみると、伸縮性のある素材で体にピッタリとフィットする。

 そして左手首のところにあるスイッチを入れると、ボワンッと膨らんで、縮んだ。

 薄っぺらな生地が、5ミリメートルほどの厚さになった感じだ。

 フィット感はあるが、圧迫感はない。

 これで防弾・防刃・耐衝撃効果があるのなら、毎日着ておかないといけないな。


 次はグロック17だ。

 俺の知る拳銃。

 拳銃本体、装弾数17発のマガジンが100個、サプレッサー、ショルダーホルスター、これらが2セットある。

 サプレッサーは消音機のことで、これがあるとかなり発砲音が抑えられる。


 庭の小石をいくつか並べてみる。

 縁側で片膝立ちになり、狙いをつける。

 もちろん、サプレッサーはつけている。

 狙いをつける。

 パスンッと軽い音。

 同時に、跳ね上がる腕。

 こてんと尻もちをついて仰向けになる。

 反動があると予想していたが、思った以上だ。

 拳銃でこれなら、この時代の鉄砲とかもかなりのものか。

 さて、石は何事もなくその場にある。

 つまり、当たらなかったのだ。


「要練習だな」


 この反動にも慣れないといけないし。


 10連ガチャをさらに6回。

 素晴らしいものがたくさん出た。

 問題は、部屋の中が壺や箱で埋まってしまったことだろうか。


「誰かある」


 俺が人を呼ぶと、少年が現れた。


 土橋船千代丸。

 今年で10歳になる少年で、俺の小姓をしている。


 宗像には数家の有力家臣がいる。

 吉田氏(筆頭家臣)、占部氏(有力一族)、許斐このみ氏(一門)、土橋氏(武官)、吉原氏(武官)などなど。

 船千代丸は土橋氏の出身だが、土橋の主流からは離れている。

 だから俺の小姓になっているとも言えるわけだ。


「若君、お呼びでしょうか」

「この荷物を納戸に運んでくれ」

「え? いつ、このような大荷物を……?」

「ハハハ。いつの間にかこうなっていた」

「いつの間にかって……今朝は何もなかったですよね?」

「細かいことは気にするな。ああ、これを食べろ。美味しいぞ」


 飴ちゃんを船千代丸の口に放り込む。


「な!? これは」

「飴だ。美味しいだろ」

「はい。美味しゅうございます!」

「元気が出たところで、これを納戸に入れておいてくれ。ああ、封は決してあけぬようにな」

「分かりました!」


 船千代丸が人を呼んできて部屋から溢れた荷物を納戸に持っていってくれる。

 俺は飴ちゃんの壺を1個抱えて母の部屋に向かった。


「母上、入ってもよろしいでしょうか」

「どうぞ」


 母の部屋には、俺の乳母の米と侍女の環、そして妹の色姫がいた。

 色姫は今年5歳になる可愛い女の子で、頬っぺたがプニプニなんだ。


「おにいちゃま」

「色姫、今日もお利口さんにしていたか」

「はいなのです」

「うむ。そんな色姫にはこれをあげよう」


 壺をドンと置き、蓋を開ける。


「これ、なーに?」

「珍しいものを手にいれましたので、母上や色姫に食べてもらうと、持ってきたのだ。甘くて美味しいぞ」

「甘いの?」

「ああ、甘い」


 俺はイチゴと思われる飴を摘み、色姫の口に入れてやる。


「噛まずに舐めるのだぞ」

「あみゃーい!」

「これはなんですか?」


 母たちが覗き込んでいた。

 女性は甘いものに目がないよね。


「これは飴という珍しいお菓子です。食べてみてください」

「そうですか、それではいただきましょうか」


 母が飴を口に入れる。

 目尻が、頬が、緩む。

 美味しいようで、何よりだ。


「1日3つを目安に食べてください」

「こんないいものをいいのですか?」

「はい。自分の分は確保してありますので」


 それはもう、大量に。


 俺が立ち去ると、米や環の歓喜の声が聞こえてきた。

 日頃、世話ばかりかけているから、こういう時に孝行をしないとね。





 天文20年9月。

 俺の記憶通り、大寧寺の変が起った。

 先月のことだ。

 この大寧寺の変により、我が宗像の当主氏男が死亡した。

 宗像家内は上を下にの大騒動だ。


 さて、ここで問題になるのがまたまた跡取りである。

 父正氏の娘婿の子の国丸か、それとも俺か。

 さらには、氏男の弟の千代松という選択肢もある。

 千代松の父、俺にとっては叔父にあたる氏続が押している。


 家臣たちは連日喧々諤々と協議をしたようだ。

 結局山田殿と手を結んだ叔父氏続の意向により、千代松が当主の座に就くことになった。


 山田殿は俺のことを嫌っており、それはもう怖いくらい睨んでくるんだ。

 おかげで俺たち親子は別の屋敷に住まわされ、肩身の狭い思いをしていた。

 側室の生んだ子より、娘が生んだ子に宗像を継がせたいのはわからないではない。

 だから、攻められない限り、俺のほうから山田殿や国丸を刺激はしないでおく。


 何はともあれ、俺はガチャのおかげでいい生活ができそうだよ。



ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


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