第16話 弘治3年、始めました
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第16話 弘治3年、始めました
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弘治3年1月。
昨年は高橋氏を降伏させ、肥前、筑後への道を確保した。
その拠点となる宝満城の魔改造を指示しておいた。
防衛拠点なのだから、攻めにくく、守りやすい城にしてもらう。
あと、立花山城の魔改造がぼ完了したということなので、元服前にそちらに移ろうと思っている。
さて、昨年の収支だ。
銭の造り直しは安定の80,000貫。
椎茸の販売は微増の8,000貫。
玻璃の販売は横ばいの20,000貫。
鉄砲の生産は300挺で、3,000貫の支出。
走破船の建造は0隻。
代わりに疾風船の建造は3隻で、1隻1,400貫で買い上げたので4,200貫の支出。
硝石の生産は120斗で、2,400貫の支出。
交易(博多商人)2回で、35,000貫。
交易の手間賃2割で5,000貫の支出。
硝石購入(博多商人)は3,000貫の支出。
水あめ菓子は少し落ち込んで1,800貫。
飴ちゃんは2,500貫。
常備兵は1,300人に増やしているので、19,500貫の支出。
生産分配は6,000貫の支出。
シャボン生産は5,000貫。
遠賀川の水路工事は4,000貫の支出。
姓氏対立事件支援に5,000貫を支出。
合計で21,190貫のプラスだ。
椎茸と玻璃は日本国内での流通量を大幅に減らし、朝鮮へ持っていった。
おかげで前年割れをせずに売上を維持してくれた。
これからは国内と朝鮮の需要を見つつ、流していこうと思う。
干し鮑や干し海鼠も大陸で売れるから、作ろうかな。
あとシャボンは澳門で南蛮人たちが買いまくってくれた。
南蛮人は本国から多少のシャボンを持ってきているが、そんなものはすぐになくなってしまう。
澳門では作ってないことから、シャボンはよく売れたよ。
鉄砲は目標の年産500挺は少し遅れそうだ。
良質な鉄の入手に少し手こずっているらしい。
こればかりは仕方がない。
うちで高炉でも造って製鉄業も始めれば、また別なんだが……。
高炉の造り方、知らんし。
いや、構造はある程度知っているけどさ、構造だけじゃねー。
疾風船は予定通りの船速を出してくれている。
積載量は走破船のほうが圧倒的に多いが、これは船の大きさもあるからね。
疾風船でも兵士を800人くらいは運べる。
10隻あれば8,000人だ。
もちろん、人間を800人も載せたら、物資を積むことができなくなるけどね。
そこは状況に応じて考えて運用するさ。
姓氏対立事件については、兵糧、武器、防具などを小原鑑元に支援した甲斐があり、混沌を極めてい入る。
このまま大友が疲弊していってくれれば嬉しい。
また、大友がゴタゴタしている間に、俺は肥前と筑後に勢力を伸ばすつもりだ。
あと、大友義鎮はまだ復帰できていないようだ。
大友義鎮の寝所周辺の警備は厳重で、さすがの葉隠も情報が取れていないらしい。
なんでも大友義鎮のそばには、常に重臣がいるそうだ。
吉岡長増、吉弘鑑理、臼杵鑑速、戸次鑑連が交代で政務と軍事の指揮を執っている。
この4人は、豊後三老に数えられる武将だ。
4人なのに豊後三老か、という意見もあるだろうが、政治では吉岡長増、吉弘鑑理、臼杵鑑速、軍事では吉弘鑑理、臼杵鑑速、戸次鑑連が豊後三老に挙げられるからだね。
この4人がいるから、大友は崩れなかった。
どんなアホが当主でも、この4人が支えてなんとかしたのだ。
この4人はほぼ同じ年齢(戸次鑑連だけ少し年上)だけど、戸次鑑連以外は1570年代の前半で没する。
それ以降は戸次鑑連1人とは言わないが、大友を支えることになる。
能力があるのと権力があるのとは必ずしもイコールにならないため、戸次鑑連以外の重臣は小粒が多かった。
かもしれない。
後世に伝わっていることと、実際とには乖離があるものだ。
もしかしたら、他の重臣たちも優秀だったかもしれないが、あまりにも上がアホ過ぎたら重臣たちの力が出し切れないこともある。
予定より収入が多いことから、常備兵は2,000人に増やすように指示している。
あと、やっぱりフルプレートメイルを作ることにした。
100人でいいんだ。
俺の遊び心を満たしてくれ。
弘治3年4月。
来月の元服と嫁取りを前に、俺は立花山城に移った。
母と妹も一緒だ。
同盟相手の秋月は、豊前に勢力を伸ばしていっている。
原田も筑前で周辺の国人らに圧力をかけている。
共に大友の締めつけが弱まったことを感じ取っており、精力的だ。
そんな中、儂も肥前の筑紫に圧力をかけている。
常備兵の山岳マラソンを筑紫との領境で行い、向こうにプレッシャーを与えている。
結構太い丸太を担いだ屈強な男たちが毎日マラソンをしているのだから、筑紫としては気が気じゃないだろうな。
弘治3年5月。
とうとう俺も元服だ。
烏帽子親はジイ様にしてもらった。
以後、儂は宗像四郎氏貞と名乗ることにした。
宗像の通字は『氏』で、『貞』はジイ様の貞氏からもらった。
元服して3日。
大内義長が毛利元就に攻められ自刃して果てたと、報告が上ってきた。
さて、大友義鎮はどう出るかな。
弟の敵を討つために対毛利戦を指示するのか、いまだ収まっていない姓氏対立事件に全力を傾けるのか、それとも攻勢をかけている秋月や宗像に対処するのか。
儂ならまずは内だな。
全力を挙げて姓氏対立事件を収拾させる。
内が収まらないのに、外との戦いはできない。
ちなみに、宗像は毛利とは不戦の協定を結んでいる。
厳島の戦いに船を貸す時に、それを条件に貸している。
もちろん、戦国時代の約定など、儂は信じていない。
さらに5日で秋月から姫が輿入れしてきた。
年齢は儂より3つ上だ。
名前は芽衣。
なんと現代のモデルにいそうな切れ長の目の姫だった。
背丈は160センチメートルほどあるため、この時代では醜女と言われているようだ。
だが、現代の感覚を持つ儂にとっては、問題にはならない。
むしろ、ありがとうございます! と言いたい。
政略結婚なので、正直言って容姿は諦めていた。
「いく久しく、よろしくお願い申しあげまする」
三つ指ついて頭を下げる芽衣が、愛おしく思えてくる。
「うむ。儂のほうこそ頼む」
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