↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS幼女転生王族スローライフ】姫殿下(三女)は今日も幸せ♪ ~ふわふわドレスと優しい家族に囲まれて★~  作者: 霧崎薫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

312/724

第三百十三話「王立書庫の秘密と、姫殿下の『言葉の重み比べ』」

 その日の午後、王立書庫の最も静かな一室は、重い空気に包まれていた。アルベルト王子とマリアンネ王女は、王国の法律を定める「条文」の論理的な曖昧さについて、激しい議論を交わしていた。


 マリアンネ王女は言った。


「この条文は、『公正』という言葉に、あまりに多くの解釈の余地を残しているわ。論理の厳密性が足りていない!」


 アルベルト王子がそれに答える。


「しかし、マリアンネ。法律とは、冷たい論理だけでは成立しない。国民の『心』を考慮した、曖昧さも必要だ」


 二人は、「言葉の厳密性」と「言葉の柔軟性」という、統治の根幹に関わる対立に直面し、結論を見出せずにいた。



 シャルロッテは、モフモフを抱き、二人の兄姉の間に座った。彼女の目にはすでに、二人が「言葉の重さ」を、異なる基準で測っているのが見えていた。


「ねえ、お兄様たち。言葉って、どうしていっつも喧嘩しちゃうのかな?」


 彼女は、二人の論争を、「言葉の重み比べ」という、愛らしい遊びで解決することを決意した。


 シャルロッテ姫殿下は、アルベルト王子に、「愛」という言葉を紙に書いてもらい、マリアンネ王女に、「公正」という言葉を紙に書いてもらった。


 そして、彼女は、二つの言葉を、精密な天秤にそっと乗せた。



 天秤は、微動だにしなかった。二つの言葉の重さは、物理的に同じだったからだ。


 シャルロッテ姫殿下は、光属性と土属性の魔法を融合させた。


 彼女の魔法は、言葉の重さを「論理的な重さ」から、「感情の純粋さ」へと変換させた。


 シャルロッテ姫殿下は、「愛」の言葉に、「国民の笑顔の数」という感情的な重みを注入した。そして、「公正」の言葉に、「論理の厳密さ」という知的な重みを注入した。


 しかし、天秤は再び、微動だにしなかった。


 そこでシャルロッテは、首を傾げた。


「うーん、おかしいね? なんで重さが変わらないのかしら?」



 彼女は、自分の銀色の巻き髪から、魔法を纏った小さな虹色の髪の毛を一本抜き、それを天秤の真ん中にそっと置いた。


 その瞬間、天秤は、激しく、しかし優雅に、傾いた。


 シャルロッテ姫殿下は、にっこり微笑んだ。


「ね、お兄様たち。言葉の重さはね、言葉そのものの論理じゃなくて、それを愛する『純粋な気持ち』の重さで決まるんだよ! これがわたしの愛なの!」


 アルベルト王子とマリアンネ王女は、妹の純粋な愛の力に、言葉を失った。


 アルベルト王子は、言った。


「言葉の価値は、その論理的な厳密さではなく、シャルロッテのような、純粋な愛の献身によって、初めて決定されるのだな」


 マリアンネ王女がそれに続く。


「私たちは、『愛』と『公正』を対立させていた。しかし、シャルロッテの愛は、その二つを、最も高次の次元で調和させたのね……!」


 その日の午後、王立書庫は、「言葉の重み」という哲学的な問いを、「愛の純粋さ」という最も温かい答えで満たした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。