第百九十七話「庭園の小さな石ころと、姫殿下の『ひとつの大きな色』」
その日の午後、王城の庭園は、突如として、大量の小石の運搬という、困難な課題に直面していた。庭園の新しい装飾のために、離れた場所にある、大量の小さなカラフルな石ころを、一斉に、中央の噴水まで運ぶ必要があった。
しかし、騎士団の大型の魔導輸送機では、小さな石ころを一つ一つ効率的に集めることができず、作業はきわめて非効率的だった。
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シャルロッテは、モフモフを抱き、その作業を見ていた。彼女の目には、大量の石ころが、「個性の塊」として、互いにバラバラに転がっているのが見えた。
「ねえ、フリードリヒ兄様。この石ころ、みんなが、バラバラで、可哀想だよ」
フリードリヒは、「個々の石を無視して、大きな機械で一気に運ぶしかない」と、効率を優先する論理で応じた。
「ううん、ダメだよ!」
シャルはぶんぶんと首を振った。
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シャルロッテは、「個性を活かしつつ、集団として一つの大きな力になる」という、新しい運搬の法則を提案した。
彼女は、庭園の子供たちを、全員集めた。そして、子供たちに、それぞれ異なる色の、小さな布を配った。
「みんな! この石ころたちをね、『ひとつの、大きな生き物』にするよ!」
シャルロッテは、子供たちに、「自分の布の色と同じ色の石ころだけを集めること」を指示した。子供たちは、遊びとして、熱心に自分の色だけを集め始めた。
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そして、シャルロッテは、土属性と光属性の魔法を応用した。
彼女の魔法は、子供たちが集めた、それぞれの色の石ころの集団を、地面の上で、「巨大な、生き物の形」に配置した。赤、青、黄、緑……色とりどりの小さな石ころの集団が、まるで一つの巨大な、動くモザイク画のように、中央の噴水に向かって、魔法の力で動き始めた。
それは、「全体は、部分の総和以上の、新しい意味を持つ」という、創発の知恵の勝利だった。
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その光景を見ていた、フリードリヒ王子は、驚愕した。
「信じられない! 個々の力をバラバラに使うよりも、集団として、一つの「可愛い」形になる方が、遥かに効率的だったのか!」
アルベルト王子は、妹の知恵に感銘を受けた。
「シャルロッテは、協調性という、最も美しい組織論を、可愛い遊びで証明したのだな」
シャルロッテは、モフモフを抱き、にっこり微笑んだ。
「えへへ。だって、バラバラな色でもね、みんなで力を合わせると、一つの、大きな、可愛い色になるんだもん!」
シャルロッテの純粋な哲学は、「多様な個性を尊重し、集団として機能することの価値」を、遊び心溢れる形で示したのだった。




