↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS幼女転生王族スローライフ】姫殿下(三女)は今日も幸せ♪ ~ふわふわドレスと優しい家族に囲まれて★~  作者: 霧崎薫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

174/724

第百七十四話「献上品のマカロンタワーと、モフモフの『嫉妬の周波数』」

 その日の午後、薔薇の塔の居室は、祝祭のような賑わいを見せていた。シャルロッテ姫殿下の誕生日が近いこともあり、各国の諸侯や貴族から、競うように送られてきた豪華で愛らしい寄贈品で、部屋が埋め尽くされていたのだ。


 エメラルドを散りばめた、小さなオルゴール。

 フランス人形のような、精巧な陶器のドール。

 そして、最も目を引くのは、パステルカラーの、天を突くほど高いマカロンタワーだった。


 シャルロッテは、その絢爛豪華な「可愛い」の山に囲まれ、目を輝かせていた。



 しかし、その光景を、シャルロッテの足元で見ていたモフモフは、少しだけ面白くなかった。


「ミィ……」


 モフモフの全身から、ごく微細な「嫉妬の周波数」が発せられていた。それは、「姫殿下の愛が、他の可愛いものに奪われてしまうのではないか」という、純粋で、切実な不安だった。


 特に、マカロンタワーと、陶器のドールは、「人間が作った、最も完成された可愛さ」を持っており、モフモフは、自分の「ふわふわ」が、その人工的な美しさに負けるのではないかと恐れたのだ。


 モフモフは、嫉妬のあまり、小さな、しかし確実な力で、シャルロッテのドレスの裾を、そっと引っ張り続けた。



 シャルロッテは、そのモフモフの「嫉妬の周波数」に、すぐに気づいた。彼女は、モフモフの純粋な不安が、可愛くて仕方なかった。


「ねえ、モフモフ。どうしたの? いつものあなたらしくないわよ?」


 モフモフは、言葉を話せないため、ただシャルロッテの膝に乗り上げ、陶器のドールを睨みつけながら、喉の奥を力強く振動させた(※「あっちへ行け!」のゴロゴロ音)。


 シャルロッテは、モフモフのその「不器用な愛の独占欲」に、心を射抜かれた。


「わあ、可愛い! モフモフ、あなた、嫉妬まで可愛いのね!」



 シャルロッテは、マカロンタワーには目もくれず、その場でモフモフを抱き上げた。


 彼女は、モフモフを抱きしめながら、モフモフの耳元で、甘く囁いた。


「ね、モフモフ。あのドールも、マカロンも、確かに可愛いよ。でもね、ドールは、私を温めてくれないでしょう?」


 シャルロッテは、モフモフの毛皮に、自分の頬を擦り付けた。


「あのドールは、私が動かしてあげないと、動けない。でもね、モフモフは、自分で、私の胸に飛び込んでくれる」


 シャルロッテはさらにぎゅっとモフモフを抱いた。


 「モフモフはね、冷たい宝石じゃなくて、温かい命なんだよ!」



 シャルロッテは、光属性と共感魔法を応用し、モフモフの心に、「あなたの愛は、誰にも奪えない」という、揺るぎない確信の波動を送った。


 モフモフの嫉妬の周波数は、一瞬で、愛と安堵の温かい周波数へと変わり、彼の毛皮は、さらに一段と柔らかくなった。


 シャルロッテは、モフモフの頭を優しく撫で、満面の笑顔で、最後の結論を告げた。


「だからね、モフモフ。ドールも、マカロンも、ユニコーンさんも、みんな可愛いけど、一番、世界で、宇宙で、可愛いのは、モフモフだよ!」


 モフモフは、その言葉に、心から満足し、シャルロッテの頬に、感謝のキス……実際にはペロリとなめただけだが……をした。部屋に満ちた豪華な献上品は、二人の純粋な愛の前では、単なる背景と化したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。