↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【TS幼女転生王族スローライフ】姫殿下(三女)は今日も幸せ♪ ~ふわふわドレスと優しい家族に囲まれて★~  作者: 霧崎薫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

122/724

第百二十二話「夜の王城と、空中に響く『無線の調べ』」

 その日の深夜、王城は深い闇に包まれていた。しかし、シャルロッテは、一人ベッドで目を覚ましていた。彼女は、王城の空気が、微細な、しかし規則正しい「振動」に満たされているのを感じていた。それは、魔力ではない、「電磁気」という見えない力の波動だった。この世界の人々にはまだ知られていない力だったが、シャルロッテは前世で電磁気のことを詳しく勉強していたのだ。



 シャルロッテが、この「見えない力」に気づいたのは、理由があった。最近、マリアンネ王女の魔法実験や、フリードリヒ王子の剣の強化魔法が、以前よりも効率が悪いという小さな問題が続いていたのだ。


 シャルロッテの脳裏には、前世の物理学の知識が蘇った。彼女の目には、この「見えない力」が、魔法の波長と干渉し、無意識に効率を下げている可能性が大きいことが見えていた。


 「いけない! 見えない力が、みんなの頑張りを邪魔してる! こんなの、全然可愛くない!」


 シャルロッテは、「見えない力の存在」を可視化し、その干渉を解消する必要があるという、彼女らしい利他的な動機で、行動を開始した。



 シャルロッテは、モフモフを抱き、古い実験棟へと向かった。実験棟には、マリアンネが研究用に残していった、巨大な魔力増幅コイルが置かれている。


 シャルロッテは、コイルの前に立ち、光属性と風属性の魔法を融合させた。


 彼女の虹色の魔力は、コイルに注ぎ込まれると、コイルは、激しく、しかし規則正しく、銀色の火花を放ち始めた。それは、「交流電流」という見えない力を増幅させた証拠だった。


 シャルロッテは、「電磁気的な波動」を、空気の振動へと変換する、複雑な魔力操作を行い、実験棟の周囲には、突然、幽玄で、未来的なメロディが響き始めた。



 そのメロディは、王城の建物を透過し、王族たちの寝室にも届いた。


 アルベルト王子は、そのメロディの論理的な完璧さと、空気が振動する異様な現象に驚愕した。


 マリアンネ王女は、自分の研究室の魔力解析装置の表示を見て、青ざめた。装置は、「空気中を、魔力とは異なる、未知のエネルギーが満たしている」という結果を示していた。


「まさか! この未知のエネルギーが、私の魔法に干渉していたというの!?」



 夜明け前、シャルロッテは、実験を終えた。彼女の元に駆けつけたアルベルトとマリアンネは、その原理を尋ねた。


 シャルロッテは、モフモフを抱き、にっこり微笑んだ。


 「ね、お姉様。あれはね、『見えないのに、みんなの頑張りを邪魔する、意地悪な力』だったんだよ。でもね、可愛い音楽にしてあげたら、もう、邪魔しなくなったよ!」


 マリアンネは、妹の純粋な動機と、その知的な解決策に、深く感銘を受けた。


「シャル。あなたは、この王国の科学の常識を覆した。そして、その目的は、ただ『みんなが気持ちよく魔法を使えるように』するためだなんて……」


 シャルロッテの純粋な「可愛い」の哲学は、見えない科学の真理を、「愛という名の、干渉されない、最高のエネルギー」へと変貌させたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。