# 第三十二章 戦争はずっと来ていた
# 第三十二章 戦争はずっと来ていた
レインは扉の枠に寄りかかって、腕を組んでいた。
「評議会は、お前に背を向けた、セブ」ゆっくりと首を振った。「クリスはあの場を完璧に利用した。それは認める」
「あいつが口を開いた瞬間から、こうなるとわかってた」セバスチャンは机の上に広げた書類から目を上げなかった。「あの血筋に、玉座にふさわしい人間は他にいない。法的にも、力的にも。だから公式には何も変わらない決議に、眠れないほど悩む気はない」
「だからといって、何も変わらないわけでもないけどな」
「そうだな」セバスチャンは認めた。
書類を置いた。
「セイリュウとは今、公式に、書面でつながっている」こめかみを押さえた。「でもマロンの死の後、シャストリンは静かにしていない。復讐を求める。たぶん、俺に対して」
「お前は死なないけどな」
「当然だ」セバスチャンはほとんど退屈そうに、あっさりと言った。「俺は主人公だ。それがこの全てにおいて、唯一俺に保証されてるはずのものだ」
「はずの?」
「物語が変わってる、レイン」友人の目を見た。「俺自身がマロンを殺そうとした。ロックに止められた。そして別の誰かが代わりにやった──きれいに、躊躇もなく、物語すら身をよじりもせずに」
「つまり、シャストリンがやった。自分たちの裏切り者が裁判に引き出される前に、処罰した」
「あるいはクリスがやった」セバスチャンは言った。「全体を、ちょうどそう見えるように仕立てながら」
「もしクリスなら?」
セバスチャンはしばらく黙っていた。
「それは、セイリュウが俺たちの思っていたようにこの物語を実際には制御できないということだ」と彼は言った。「つまりプロット・ロックはもう絶対じゃない。つまり俺は本当に死ねるかもしれない」
レインの表情が引き締まった。
「調べてくれ」セバスチャンは言った。「どちらだったにしても。これ以上何かを計画する前に、知る必要がある」
「仰せのままに、殿下」レインはすでに扉に向きながら、大げさなお辞儀をした。
セバスチャンは彼が去るのを見ていた。
扉がかちりと閉まると、ゆっくりと息を吐いた。天井を、特に何も見ていないところへ視線を上げた。
「ということで」声は静かだった。ほとんど世間話のように。「どう思う、セイリュウ。どんな形にしろ、お前は見ているだろう」面白くもない笑みが顔を横切った。「お前は本当は、もうこの物語を制御できないんだろ」
答えは来なかった。
本当は来るとも思っていなかった。
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王立書斎は、インクと古紙の匂いがした。
ロザリンは机に座り、羽根ペンを貿易台帳の上で着実に動かしていた。署名が必要なところに署名し、頭文字が必要なところに頭文字を書いていた。
ドアがノックされた。
「どうぞ」
ヘレナが中に入ってきた。招かれるのを待たずに、向かいの椅子に座った。
「なぜ皇太子殿下の仕事をされているんですか」彼女は聞いた。「あの方は?」
「問題でも」ロザリンはページから顔を上げなかった。
「皇太子殿下に対して評議会が背を向けました」ヘレナは両手を膝の上で組んだ。「それはこの帝国にとって、小さなことじゃありません、ロザリン嬢。今この時点では特に」
「俺たちは選挙制の王国じゃない」ロザリンはついに羽根ペンを置いて、ヘレナの目を見た。「セブは皇帝の息子だ。血によって。評議会が気に入ろうと気に入るまいと、次の皇帝になる」
「ブリテン王が昨夜言ったことを聞きましたか」
「聞いた」
「セバスチャン殿下が王冠をお取りになるなら、ブリテンはブラックウェルとの関係を完全に断つと言いました」ヘレナは言った。「それに、ネクサスの皇子との同盟が正式に広まれば、ブリテンだけじゃないと思います。王国が一つずつ離れ始める」
「ブラックウェルの軍は、全員合わせたより強い」ロザリンは言った。「セブはこの帝国が一世代で生んだ最強の戦士だ。王国が離れようとするなら、制御下に引き戻す」
「力で」
「それが必要なら」
ヘレナはゆっくりと首を振った。
「それは、アレクサンダー卿がこの帝国に教えたものじゃない」彼女は言った。「真のリーダーは忠誠を勝ち取る。首根っこをつかんで引き戻したりしない。もしセバスチャン殿下が恐怖と力だけでこの帝国をまとめようとすれば、いつかは自分の国民に背かれる。ご自身もわかっているはずです。同じ歴史書を読んだでしょう」
「言いたいことはわかる」ロザリンの顎が固くなった。「でも──」
「心配されているのはわかっています」ヘレナは今度は柔らかく言った。「あの方はあなたの兄上です。双子です。当然、何より先に守りたい。でも一瞬だけそれを置いておいて、この帝国にとって実際に何がいいかという観点から考えていただけませんか。あの方のためにいいことではなく」
「だからなぜ、俺の書斎に座っている」ロザリンの目がわずかに細くなった。「他の誰かを担ごうとしている?セブにそのアイデアを持っていったら、文章を終える前にこの宮殿から追い出されるよ」
「それはない」
「俺が知っているほどあの人を知らない」
「動かないと保証できる理由があります」ヘレナは落ち着いて言った。「私が考えている人は、あの方が決して動けない相手だから」
「誰?」
ヘレナはその目を見つめた。
「ロザリン・アレクサンダー・ブラックウェル」一拍。「皇帝陛下ご自身の娘御」
ロザリンは彼女を見つめた。それから笑った──短く、信じられないというように。
「セブが俺には手を出さない、それは当たってる」彼女は言った。「でも、だからといって俺が次の皇帝になれるわけじゃない、ヘレナ。そういう仕組みじゃない」
「そう思っているのは」ヘレナは言った。「実際に自分でそれを考えたことが一度もないからです。あなたが働いているのを見てきました、ロザリン嬢。ダッチの交渉。一度も足を踏み外すことなく一人で解決した貿易紛争。評議会の半分が何週間も議論で堂々巡りをしていた時に。若くて女性だからと押さえつけようとした貴族たちも。全部対処されました。人々があなたを好いている。信頼している」
「俺は女だ」
「はい」
「この旗の下、玉座に女性を受け入れた王国は一つもない。一度も。帝国の歴史全体を通じて」
「なら俺たちがその歴史を変える」ヘレナの声は揺るがなかった。確信していた。「あなたが最初になる。私が一人一人、説得していくつもりです。評議会を。それが必要なら」
ロザリンはしばらく何も言わなかった。
「考えさせてくれ」ついに言った。
「それだけお願いしています」ヘレナは椅子から立ち上がった。「ちゃんと考えてください。兄上が今どこに立っているかと、誠実に比べながら」扉へ向かった。「では、失礼します」
廊下に出た。
ルシアンが数歩先で待っていた。腕を組んで。
「それで」彼女と並んで歩き始めた。「どうだった」
「種は植えた」ヘレナは声を低くした。「後は自分で育つのを待てばいい」
「本当に賛同すると思うか」
「自分の名前で統治することを、今日まで一度も考えたことがなかった」ヘレナは言った。「でも時間を十分に与えれば、ちゃんと比べるようになる──この帝国に何が最善か、この一週間で兄上を見てきた全部と」細い笑みが浮かんだ。「気が変わる」
「そうであってほしい」ルシアンはゆっくりと息を吐いた。「継承争いでこの帝国が崩れるのは見たくない。アレクサンダー卿が築いてきた全てが続いてほしい」
「崩れない」ヘレナは言った。「俺たちが崩れさせない」
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ヴェルドレイクの物見塔は、夜に向かって静かに立っていた。
衛兵が一人、欄干に体を預けて、半分眠りかけていた。横で松明が低く揺れている。
矢が額を貫いたのは、音が届くより早かった。
彼は音もなく倒れた。
別の衛兵が駆け寄ってきた。ブーツが石を蹴る音。もう死体に手を伸ばしていた。
二本目の矢が、こめかみを通った。
一人ずつ、城壁の上の見張りが黙っていった。叫び声もない。警告の鐘もない。ただ体が、暗闇の中に、残った者が反応するより速く落ちていくだけ。
それから旗が、木の陰から上がった。
黒。その下に血の赤。中心には──山羊の顔、角が生え、目を背けたくなるほど歪んで、遠くからでもわかるほど、最後の松明の光を貪るように受けていた。
黒い軍が戻ってきた。
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セイリュウが走った。
ヴィが近くでその後を追った、息が乱れて、二人とも礼儀が許す以上の速さで宮殿の回廊を抜けていった。
セバスチャンの扉に着いた。ノックもせずに開け放った。
セバスチャンが机から鋭く顔を上げた。
「時が来ました、セバスチャン皇子」セイリュウの胸が上下していた、言葉が速く出てくる。「戦争が始まった」
つづく──




