# 第三十三章 戦争が始まった
# 第三十三章 戦争が始まった
「時が来ました、セバスチャン皇子」セイリュウの胸が上下して、言葉が速く出てくる。「戦争が始まった」
気づく前に、涙がセバスチャンの頬を伝っていた。
椅子にゆっくりと体を預けた。
「セバスチャン皇子……」セイリュウが一歩近づいた、声が柔らかくなって。
セバスチャンは立ち上がった。手の甲で目を拭った。彼の方へ向かって歩いた。
「今、どこにいる」全部にもかかわらず、声は落ち着いていた。「ヴェルドレイクまで届いたか」
「まだです。でも、俺たちが動かなければ届く」セイリュウの顎が固かった。「着いた時には、もう城が落ちているかもしれない」
「ネクサスの兵力に連絡は」
「した。すぐに来る。最悪でも、俺たちより数時間後には」
セバスチャンは一度、頷いた。
「では」セイリュウに向けて手を差し出した。「行こう」
セイリュウはそれを取った。しっかりと握った。
「勝つ」セバスチャンは言った。
「そうだ」セイリュウが答えた。「勝つ」
セバスチャンは廊下の向こうを向いて、息を吸い込み、宮殿の棟全体に届くほどの声で叫んだ。
「──皆!戦が始まった!黒い軍が戻ってきた──準備せよ!すぐに出発する!」
混乱がほぼ即座に広がった。使用人たちが途中で動きを止める。衛兵たちが動揺した目を見合わせる。
「待て──まさか、こんなに早く──」
「さっき──」
セバスチャンはそのどれにも答えずに、コートをはためかせながら刀剣師の工房に向かって歩き始めた。
レインは二つ廊下先の方から叫び声を聞いた。セバスチャンとセイリュウが刀剣師の方向に速く動いているのを見て、小走りで追いついた。
中では、刀剣師がすでに棚から武器を引き出し始めていた。手が速く、慣れた動きで。
最初にセバスチャンに一本渡した。
セバスチャンはそれをそのままセイリュウに向けて差し出した。
「これを持て」
「セバスチャン皇子、俺にはすでに自分の剣が──」
「ネクサスの鋼はクズだ」セバスチャンはそれでも彼の手に押し込んだ。「来るものには持ちこたえない。これは持つ。毒コーティング、火鍛えのコア、この帝国で金で買えるベストメタル。持て」
セイリュウは剣を一瞬見た。それから一度頷いて、自分の剣を鞘に収めて、代わりに新しい方を脇に装備した。
セバスチャンは自分のために二本目をつかんで、出ようと向いた。
そこに、入口でレインが待っていた。
「レイン」セバスチャンの声は短く、急いていた。「俺とセイリュウは今から向かう。ブラックウェルの軍をまとめてくれ。これは全面戦争になる。今回は守りに入らない」
レインはただ頷いた。反論も、迷いも、なし。
セバスチャン、セイリュウ、ヴィ、ネクサスの衛兵たちが馬に乗って、まっすぐ北へ走り出した。食料なし。物資なし。背中に鎧と、一人一本の剣だけ。
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後ろで、レインは宮殿の敷地を速く動き回り、将校と大隊長を集めて、走者をあらゆる方向に散らす命令を叫んだ。
「セバスチャンはどこだ」アルドリックの声が喧噪を切り裂いた。寝床から引き出されたままのローブを半分だけ留めて到着しながら。
「もう出た。北へ。セイリュウ皇子とその衛兵と共に」
アルドリックの顔が蒼くなった。「まさか」レインの腕をつかんだ。「死にに行くつもりか、あいつらは」
「全面戦争になると言っていた」レインはその目をまっすぐ見た。「何か考えがある。俺は信じている」
「ネクサスの兵力は」
「そちらも合流する予定だ」レインはまた歩き始め、アルドリックを引っ張るように。「セブは明日の朝までにヴェルドレイクに着く。道中、沿線の王国を可能な限り引き連れていく。俺たちは二、三時間後に続く、自分たちの兵力が十分に集まってから。残りは合流できる段階で来る」
「旗下の全王国への書状は送った」
「すでに送った」レインの表情が固くなった。「ブラックウェル帝国の全ての王国が、この呼びかけに答える。あいつらを滅ぼす。何が代償でも」
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北への道で、セイリュウはセバスチャンの横を走りながら、その落ち着きについにいら立ちが表に出てきた。
「なぜそんなに速く動いている」彼は言った。「ちゃんとした計画もなし。まともな調整もなし。状況の説明も終わらないうちに、もう出発させていた」
「もう何が起きるかわかってるから」セバスチャンは前を向いたまま。「これを信じてくれ。軍が追いついていなくても、ここでは死なない──俺たちは」
セイリュウはそれ以上何も言わなかった。ただ走り続けた、顎を固くして。
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夜明け前に、アスラ王国に着いた。
セバスチャンはすぐに馬を降りて、そこで待っていた王に向かって中庭を横切り、すでに起こされて鎧をつけていた王と手を握り合った。
「ブラックウェルの軍はどこだ」王が言った、セバスチャンの後ろの空の道を見ながら。
「来る。後から」
「彼らなしでは、数で圧倒的に不利になる」
セバスチャンの口が、鋭いものに形を歪めた。「最悪、俺とこの男で、数十万人相手でも何とかなる」セイリュウに頷いた。「安心したか?」
王がわずかに笑みを浮かべて、頭を下げた。「失礼しました、皇太子殿下。失礼の意図はありませんでした」
セバスチャンは疲れ果てた馬を置いて、厩舎係が前に連れてきた新しい馬に飛び乗った。素早く飲んで、誰かが手に押し込んできたパンを数口食べて、数分以内にまた動いていた──さらに三王国分の兵士を、走りながら増えていく隊列に引き込んで。
そして、前方に平原が開けていく最後の丘を越えた時──
見えた。
ヴェルドレイクの城が、夜明け前の空を背景に、暗くそびえていた。
城門の上の旗:黒、その下に血の赤。山羊の顔が角を生やして、この世のものではない何かに歪んで、松明の光の最後を貪るように受けていた。
「あれはサタンの民だ」セイリュウが横で静かに言った。「成長させてはいけない」
つづく──




