8話 求婚されました
心がモヤモヤしながら夜まで過ごす事になり、
眠れなかった私は私服に着替え、敷地のある場所に向かいました。
そう、私が来たのはロアンとお茶会をした場所です。
昼間はあんなに楽しかったのに、
夜になると寂しそうにテーブルと椅子だけがありました。
昼間のお茶会を思い出して浸り、
つい独り言を呟くほど寂しい気持ちになりました。
「結婚・・・してしまうのね・・・」
薄暗い夜に誰もいない椅子に座り、
涙ぐみそうになっていると誰かに声を掛けられました。
「マリーか? こんな夜中どうしたんだ」
「えっ?」
声を掛けられた方向に顔を向けると、そこにはロアンがいました。
「ロアン・・・? 何でこんな所にいるのよ」
素直な気持ちを言うと、ロアンに呆れられました。
「何でって・・・それはこっちのセリフだ」
「わ、私は、眠れなかったからここに来ただけよ。ロアンは?」
「俺は仕事を終えて疲れたから、気分転換に庭を散歩していただけだ・・・」
話しながら私の元に近付き、
自然と向かえ側にあるもう一つの椅子に腰を下ろし、
言葉を続けました。
「お前の眠れなかったと言うのは嘘だろ?」
「え?」
「何か寂しそうな顔をしていたからな」
図星を突かれた私は、誤魔化す為に話を逸らしました。
「それよりも、ロアン。私なんかと気楽にお話しをして大丈夫なのかしら?
一週間後に結婚式をするんでしょ、
風邪を引いたら困るから帰った方が良いわよ」
私、何を言ってるだろう・・・これじゃあ嫉妬をしているだけじゃない・・・。
自分で言って悲しくなってしまうと、
ロアンが「やはり、その事だったか」と溜息をついていました。
うん、嫌われたよね。
普通は結婚するならおめでとうって言うのが当たり前なのに・・・。
そう思っていたけど、ロアンが思わぬ事を伝えてきました。
「俺は好きで王女と結婚する訳じゃない、勝手に決められたんだ」
話をしながら立ち上がったロアンは私の元に近付き、目を合わせて言われました。
「俺が本当に結婚したいと思っているのは・・・君だ」
「はい? 何を言って・・・」
自分の耳を疑いましたがロアンは小さな青い箱を取り出し、
目の前で開けて中身を見せららました。
そうです。中に入っていたのはダイヤモンドの綺麗な指輪でした。
「好きだマリー! 俺と結婚してくれ!!」
「えっー!?」
私は余りにも驚いてしまい、頭が真っ白になってしまいました。
「え、え、でも。ロアンは王女と結婚するんでしょう?」
「いや、王女と結婚する気はない。俺は君と結婚したいんだ」
ロアンの気持ちは凄く嬉しい・・・私も直ぐに『はい』と答えたいけど、
私は平凡なメイドでロアンは国の王子様・・・ううん、釣り合う訳ないよね。
だから私は断りました。
「無理よ・・・ごめんなさい!」
深くお辞儀をしてから逃げるように敷地を走りました。
「マリー! 待ってくれ!」
私は涙ぐみながら城に戻りました。
うん、これで良いのよ、マリー・・・。
部屋の前まで戻り、泣いている顔を見られたらまずいのでなんとか堪え、
それから部屋に入りました。
◯
「マリー・・・」
告白をしたらマリーに逃げられてしまった。
上手くいくと思ったんだが・・・まぁ、確かに王子がメイドに求婚をするなんて前代未聞だ。
だが身分とかは全く関係なく、俺は君を一目見た時から気になっていた。
そう、ピンク色の綺麗な髪と瞳、抱き締めたら壊れてしまいそうな程美しく、
綺麗な肌でタイプの女性だった。
当然外見だけはなく、性格も女性らしい佇まいと憎めない程優しく、
一緒に話たら楽しくて本来の自分を自然に出せた。
俺は本気でマリーと結婚したい・・・そう思い、
身分を捨ててでもマリーと結婚する為に王子を破棄しようと思った。
弟が昔からやりたがっていたから、相談したら俺の代わりにやってくれるだろう。
そう思い、弟の部屋に行って話をした。
ロアンが王子を辞めてしまう?
次回はどのような展開になるのでしょうか?




