第八節 敗報
「女王、タケが韓国より戻りました」
「ごふっ、んっ……うむ……通すがよい……んっ」
「女王、ただ今戻り申した」
「タケ殿、よぅ戻られた」
「女王にもお健やかで……」
「うむ、そなたに礼を……ぐっ、ん……」
「女王……」
「タケ、女王に韓国のことをお報せせよ」
「はっ、ヒタ様。まずは、三韓について申し上げます……」
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「そうか……して、兵はいかほど……」
「女王よりお借りした五百の兵のうち、倭国まで戻って参ったのは七十……」
「何とっ!ごっ、ぐふっ……ん、んっ……四百もの兵が……韓国にて……ん……斃れたと申すか」
「恐れながら……船まで辿り着いたものの、風が悪く、流されたものもおりますれば……」
「そうであるか……」
「女王に申し伝えたいことがあります。アサの兵たちは、まことよく戦い、我が盾として、臣が女王にお報せするために、と、命をかけてくれました。まこと、アサの者どもは、女王のためにこそ、かの地にて斃れ申したこと……」
「うむ……妾は……かつて、あの者らに……まこと、許されよ……じきに妾もそちらへ参るゆえ……ごふっ、ごふっ……」
「女王、お体に障りますゆえ、しばしお休みを……」
「よい、ヒタ殿……タケ殿、そなたに礼を申す。かの地で斃れた多くの者にも礼を……」
「……」
「して、ヒタ殿。次は勝てるであろうか」
「タケは、かの地の絵図を持ち帰り、かの地の倭人と交わり申した。次に争わば、かの地の倭人もきっと立ち申そう。また、かの地の川を渡り、丘に立ち申した。次に争わば、きっと地の利を得申そう。さらに、韓兵の矢を見、馬を聞き申した。次に争わば、必ずやその強きを避け、弱きをたたきましょう。されば、必ずこちらが整わば、百戦して百勝するも叶い申そう」
「そうか、ヒタ殿……お前様がそう仰せなら、妾は……」




