対面しようそうしよう
とにもかくにも現状の確認は必要だろう
折角俺を知っているらしい人物にも会えたことだし
俺からすれば全く見ず知らずの人ではあるのだが…
少しは落ち着いたらしい鼻ちょうちん改めメリアイーダ
めんどくさいのでメリアと呼ぶことにする
俺の質問に対するメリアの回答をまとめると
・とりあえずここは地球では無いらしい
・そもそも惑星とかそういう概念がメリアには無かった
・どうもメリアが知っているゴトウと俺は別人ではあるようだが、余りに似ているそうだ
・こちらのゴトウとメリアは友人だったようで、急に行方不明になったこちらのゴトウをメリアが探している時に俺が見つかった
と、そんなところか
ついでと言えばなんだが、俺が今居る場所はゴトウの家らしい
「話は分かった…ということにしておくが、次はキミのことだ」
「吾輩のことでござるか?」
「ああ、とりあえず俺は後藤でキミの知ってるゴトウとは別人なわけだが、キミはこれからどうするのかなって」
「…?、どうするも何も、別人とは言えゴトウ殿はゴトウ殿でござるし、今まで通り吾輩はゴトウ殿の警護を行う所存でござるが?」
「警護って…、キミとゴトウって友人関係じゃなかったのか?ついでに俺とゴトウは別人だって言ってるよね?」
「ゴトウ殿は吾輩の友人でござる、これはとても大切なことではござるが、ゴトウ殿は国の宝でもあるので、警護役を賜ったこともこれまた大切なことなのでござるよ?」
いまいち話が通じていない気がする
ついでに聞き捨てならないことも言ってるような
国の宝?
ゴトウってやつは何者だったんだ?
俺に似てはいるらしいが、等の俺は国の宝どころか、精々股間に珍宝をぶら下げてるだけのしがないサラリーマンだ
「あー、いまいち話が通じて無い気もするんだが、ゴトウと俺は別人だってのは理解してる?」
「理解してるでござるよ、ただ…ゴトウ殿は常々言っていたでござる、どこか遠くに行きたいと」
「遠くに行きたい?」
「そうでござる…ゴトウ殿はその…色々と忙しい人だったので、常に安らぎを求めてござった。ただ、いい加減なところはあっても、頼ってくる人を無碍に扱うような人でも無かったのでござる。」
「でも、何も言わないで姿を眩ましたのは事実だろう?」
「限界だったのでござろうな、吾輩それにも気づかず警護役失格でござる…ただ、そんな状況でもゴトウ殿は我々を見捨てず戻ってきてくれたのでござる。それが貴君…ゴトウ殿なのでござろう」
「そんなこと言われてもな…」
決めつけは良くない
そんなこと言われても困るのだ
ただ、俺としてもメリアの言葉を「勘違いだ」の一言で一蹴できないのも確かだ
何故って?
そりゃあのメールのことを忘れていないからだ
「交換しよう…って拒否権無しかよ…」
「?」
俺の呟きにメリアが首を傾げる
長く綺麗な黒髪を揺らす彼女は、先ほどまでの鼻ちょうちんが何かの冗談だったとしか思えないような美貌を?マークでいっぱいにしている
ゴトウさんよ、随分こっちの生活に疲れていたみたいだけど
そっちの生活だって楽しいもんじゃないぜ?
そっちの世界じゃ国の宝どころか社会の歯車だ
まぁ、国の宝なんて言われてたんだ、俺とは違って優秀なゴトウさんだったのかもしれんから
案外そっちの世界でもうまいことやるのかもしれない
こんな美人の友達も居たわけだし
万年ボッチで365日仕事しかしてないような俺とは全然違うんだろな
まぁいいさ、交換しちまったもんはしょうがない
成るように成るだろ
昔から切り替えは早いほうだったんだ
ちょっとくらい生活環境が変わったからってなんでもないさ
父ちゃんと母ちゃんの老後だけは心配だけど
あっちのゴトウさんがなんとかしてくれる…といいなぁ
「ゴトウ殿?大丈夫でござるか?」
しばらく黙ったままの俺を心配してくれるメリア
ここは一発景気づけといこうか
「大丈夫だ、状況は把握できた」
「それは良かったでござる」
「そこで一つ頼みがあるんだが」
「なんでも言ってほしいでござるよ、吾輩にできることならでござるが」
「とりあえず俺の上からどいてくれ」
最初に抱きつかれてからずっと対面座位なんだよ!いい加減ちんちんが限界だ!




