高校1年生編 5章 第3話 出動
次回は5月1日投稿予定してます
「何? また、街で暴動?」
先日のサイボーグの暴動から数日後。さらに別の箇所で暴動騒ぎが起きた。
紅鏡家の邸宅内の銀河連邦警察施設内で月影から報告を受けた、ロカが頓狂な声をあげた。
「はい。今回は同時に三箇所で」
月影はそう言うと眼鏡をくいっとあげた。月影の側には星辰の姿も見えた。
情報を受け月影と一緒に報告に訪れたのだ。
「ちっ。こっちは人手不足だって言うのに……。戦力は分散させたくないが……」
そう言うとロカは頭を掻いた。
(確かに戦力を分散させるのは得策ではない。しかし、この動き罠の可能性が……)
月影も顎に手を当て考えを巡らせる。
「お二人ともよろしいでしょうか?」
二人に割って入る様に星辰が口を開いた。
「星辰君」
月影が星辰の方へ顔を向けた。
「……。星辰君。何か意見があるのか?」
「意見と言うほどの事ではありませんが……」
「いや、話を聞きたい。許可しよう」
「ありがとうございます」
ロカに礼を言うと星辰は考えを話始めた。
「二箇所同時に暴動に何かの目的があり、確かに戦力を集中して一つ一つあたるのがリスクが少ないやり方かも知れません。しかし、我々が行かない方は確実に被害が拡大します」
そこまで言うと星辰は一旦、口を閉じた。
「つまり、君は三箇所同時に暴動にあるべきだと言う訳だな」
ロカはそう言うと星辰の目を見た。
「はい。戦力を分散するのは確かに戦術としては下ではあります。ですが、我々は軍隊ではなく警察官です。罪なき人を守る責務があります。それに……」
「それに?」
「僕は困っている人を助けたい。一方を助けるために他を見捨てることなどしたくありません」
星辰はそこまで言うと、また口をつぐんだ。
「フッ」
星辰の話を聞いた月影が少し笑った。
「ふ。クックッ」
ロカもつられた様に笑い始めた。
「ロカ署長?」
二人の様子に星辰は少し困惑した様に二人を見ている。
「いや、すまない。全く君の言う通りだな。迷った自分が恥ずかしい。よし。三箇所同時に暴動を鎮圧しに出動しよう」
ロカはそこで、またハハッと笑った。
「……。申し訳ありません。これは僕のわがままで……」
星辰はそう言うと本当に申し訳なさそうな顔をした。
「いや。君の言う通りだと言っただろ。確かに軍隊だったら戦力を集中させ、各個撃破するべきなんだろうが、それが出来ないのが警察官のつらいところだな。しかし、ティグリス警視を思い出したよ」
「ティグリス。父さんを?」
「そう、そっくりさ。さて、はやく行こう。俺たちを待ってる人がいる」
ロカが星辰の右の肩に自分の右手をポンと置いた。
「はい」
「月影も頼むぜ」
星辰の肩から手を離したロカは、歩き始めると月影の顔を見ながらまた笑った。
「分かりました」
月影もフッと笑うと後を追う様に歩き始める。星辰も後ろをついていく様に歩き始め部屋を出て行った。




