これは騙し討ちですよね?―1
カイン叔父様が街に出るのを許して下さったので、意気揚々と街に出ました。途中までは楽しんだのですが道の端でうずくまっている少女を見てどうしてだか、彼女を助けなくてはと思いました。そして、不思議な事に彼女の姿が皆様、見えていないみたいなのです。よくよく見てみると彼女を守るように精霊さん達が集まっています。きっとその影響なのでしょう。
「大丈夫ですか?今、直しますね。
カイン叔父様、良いですか?」
「勿論ですよ、ルル。ルルの好きなようにしてください。」
流石に見知らぬ少女に聖属性の魔法をするので保護者であるカイン叔父様に聞いておかなくてはなりません。無事に許してもらえて良かったです。精霊さんに力を貸してもらいながらも無事に直し終えると倒れていた少女がお礼を言ってくださいました。
「ありがとう、女神様。」
「え?私は女神じゃないですよ。」
思わず素で返してしまいましたが、どうして私が女神に見えたのでしょう?謎です。
「そうなの?」
「はい。私の事はルルって呼んで下さいね。お家はどこですか?一緒に行きましょう?」
家の事を聞いたら急に泣き出してしまいました。もしかしたら両親がもう亡くなってしまっているのかもしれません。そうでなければここで倒れている事もないでしょうし。
「もしかして家がないんですか?だったら、私のところに来ますか?」
「うん!行くよ。」
一緒にいるとなると名前を聞いておいた方が良いですね。呼び名がないと不便です。
「お名前を聞いてもよろしいですか?」
「あたしに名前はないの。」
「じゃあ、アンナって名前にしませんか?」
「アンナ……?」
何となく彼女はアンナっていう名前が良いと思ったのですが、どうしたのでしょう?急に黙り込んでしまいました。
「嫌でしたら、別の名前を考えますね。それともご自身で考えますか?」
「ううん、別に嫌じゃないよ。」
「それなら良かったです。よろしくお願いしますね、アンナ。」
それから領邸に戻るとマリンを呼んでアンナをお風呂に入れてもらいました。それからベットに入ってもらいました。私と精霊さんが直したとはいえそれは死ぬかもしれないほどひどい怪我だけです。自分で治せるなら直した方が良い見たいです。確か自己治癒力が無くなってはダメだからという理由だったまずです。明日には皆様にアンナを紹介したいですね。




