出会いました。―4
*⑅︎୨୧┈︎┈︎カインハルト視点┈︎┈︎୨୧⑅︎*
陛下からアレクシア殿下とユリシーズ殿下の護衛を頼まれ、久しぶりにルクナティア領に足を踏み入れました。ずっとルクナティア領に足を踏み入れることが出来ずにいた私に対する気遣いなのでしょう。その気遣いは嬉しいですし、次からは大丈夫になれそうです。
「カイン、大丈夫そうですわね。良かったですわ。」
「ありがとうございます、姉上。」
「そういえば、カイン。もしもルルが街に行ってみたいと言えば、カインがついて行って下さいね。」
「分かりました、姉上。」
姉上にも心配をかけましたからね。最も、姉上が今一番心配しているのはルルの事でしょうが。ルルは昔の姉上に似ていてお転婆ですからね。しかし、ルルは姉上以上に厄介な所があったみたいです。
《ルルが出かけたところで会った少女はルルの言う通りにしてねー。》
《お願いねー。》
《ねー。》
「……分かりました、精霊様。」
躓き、最上の礼をします。精霊とは神の使いです。存在自体は知っていましたが、私が精霊と関わることになるとは。陛下と姉上に報告しといた方が良さそうですね。
*⑅︎୨୧┈︎┈︎アンナ視点┈︎┈︎୨୧⑅︎*
イタイイタイイタイイタイイタイ!
どうしてこんな事に。父様の言いつけをあたしが守らなかったから……
ごめんなさい、父様。父様はあたしのために言ってくれてたのに反発してしまって。
あたしはこのまま死ぬのかな。そんなのは嫌だよ。父様を悲しませちゃう。それに死んだら、あたしの役目が果たせないよ。
そんなあたしの前に女神が現れた。
「大丈夫ですか?今、直しますね。
カイン叔父様、良いですか?」
「勿論ですよ、ルル。ルルの好きなようにしてください。」
意識が朦朧としてきた中で目の前にそれはそれは美しい女神が現れて死を覚悟した時に暖かな何かに包まれた。そして、あたしの傷は綺麗に治ったのだ。
「ありがとう、女神様。」
「え?私は女神じゃないですよ。」
「そうなの?」
「はい。私の事はルルって呼んで下さいね。お家はどこですか?一緒に行きましょう?」
お家と聞いて、泣き出してしまったあたしに女神様―ルル様は優しく背を撫でてくれた。
「もしかして家がないんですか?だったら、私のところに来ますか?」
「うん!行くよ。」
「お名前を聞いてもよろしいですか?」
「あたしに名前はないの。」
あたし達にとって名前があるのは一人前の証拠。それまでは誰々の娘・息子と呼ばれる。まぁ、あたしにはそれとは別に名前があるんだけどね!
「じゃあ、アンナって名前にしませんか?」
「アンナ……?」
あたしをアンナって呼ぶんだったら彼女はもしかしたら―――
本当はアンナ、ルル視点の時に書きたかったのですが、入りきりませんでした……
次の話で書こうと思います。




