攫われてしまいました。―5の1
アラン視点です。
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昨日、街に出掛けた時に攫われた。どうして俺がって最初は思ってた。でも、攫われたのは仕方がないと一日経ったら諦めた。とりあえず、他に攫われてきた幼い子達を不安がらせないように話しかけることにしたのだ。
そして、あの二人に出会った。アレナは状況がわかっていても攫われた事に怒りを覚えているみたいだ。その後は今後どうなるのか怖くなったのかおとなしくなったけど。そしてルルは焦らず落ち着いているように見えた。そのルルがなーんかレイに似てるんだよな。レイの妹だろうか?でも流石に公爵令嬢を攫うバカなんていないから妹という線はないだろう。年ももう少し下だったはずだし。
ルルとアレナが来た後主犯と思われる二人が来た。これ、絶対貴族だよな。助けを期待するのは無理だな。
でも、なぁ。流石に貴族とはいえジーメス・ハンスタンを二人につけて侍女にするのはどうかと思う。そのことを聞いて誰か―多分アレナかな―が魔力暴走を起こした。
その後ルルが情報を集めるためなのか言い出した子供のほうに話しかけていた。
「どうして私達を侍女にするんですか?」
「それは君たちが綺麗だからね。僕の専属侍女にゆくゆくはなれるんだ。感謝してほしいね。」
「感謝しろですって?あぁ。なんて卑しいんでしょう。」
その意見には賛同だけどさすがに考えてみろよ。ルルなら分かるだろ。俺は焦って叫んでしまった。
「ルルッ。彼らは貴族だぞ⁉」
「そうですね。ベルダーナ公爵にその嫡男ですね。」
…知ってるなら大人しくしろよ。公爵って事は自分の命がなくなるかもしれないんだぞ。
「どうして、僕達の事を……
まぁ、知っているのなら逆らうなんてことはしないよね?」
「触らないでもらえますか?身体が汚れてしまうので。」
「うるさいなぁ。ルルっていうんだっけ?ルルは僕のいう事に従っておけばいいんだよ。平民なんて下賤な者なんだから。」
「そうですか。あなたなんかが生きる意味がないですね。」
そう言った時ルルはとても恐ろしく美しい笑みを浮かべた。そして、公爵子息の体がどんどん氷漬けにされていく。ルルの年で上位属性が使えるってどれだけ賢いんだか。いや、レイも出来ていたな。まぁ、でも、レイは別格か。
「な、何を。やめろ、やめるんだ。僕は公爵子息だぞ。」
「直ぐにやめるんだ。そうでなければ彼女を殺そうじゃないか。」
そのあと、焦ったのか公爵が人質を作った。あぁ、確かにアレナを人質にするのは効果的だろうけどむしろ公爵だけが氷漬けにされそうな気がする。でも、他だったら多分、ルルは見捨ててるな。ここに入ってきてから何にも興味を示してないのだから。
「そうですか。では公爵の方も生きている意味がないですね。彼女にその穢い手で触れて殺そうとしたんですもの。」
公爵も氷漬けにされていく。ルルの事が恐ろしく思う自分がいる。
「勝手に攫って挙句の果てに侍女になれと?ふざけないで下さい。
私達はあなた方のお人形じゃないんですよ。イエスマンでもありません。言いなりでもありません。」
あぁ、ルルは怒っているのか。勝手に攫われてジーメス・ハンスタンをつけて侍女になれと言われ、アレナをひどい目にあわせたのだから当然ともいえる。
でも、やりすぎだと思う。こんな事をしてはルルは恐れられてしまうだろうから。だってルルの姿はまるで小さな死神。微笑みを浮かべている死神だ。
その後、レオンハルト様と陛下がいらして公爵と公爵子息は捕まった。アレナは陛下を見た瞬間、抱き着いて泣いた。ルルもレオンハルト様に抱きしめられてようやく泣いていた。アレナは第一王女殿下でルルはレイの妹で王族らしい。
僕は人を微笑みながら氷漬けにするルルが恐ろしいと思った。でも、ルルだって一人の人間なのだ。ルルは自分の感情を出すのが苦手なだけなんだろう。
今度、レイにくっついて久しぶりに公爵家に遊びに行こうかな。
思ったよりも書きたい人の視点が多かった……




