攫われてしまいました。―2
アルさんと話していると、三人程の人達が近づいてきているみたいです。精霊さんが教えてくださいました。
先ほど言った通り平民は魔力を持っていても一部の裕福層を除き学ぶのは学園に入学してからです。ですのでこの年齢で魔法を使うと貴族だとバレてしまうのです。別に近づいてくる人がよほど魔法に通じてなければバレないでしょうがこの部屋にいる人にはバレます。貴族というだけで嫌う人もいるのです。だからバレないように探査は使いません。探査は自分の魔力を薄く広げるものですのでバレてしまうのです。かわりに精霊さんにではありますが風属性の精霊さんには声が聞こえないように風の流れを操作してもらい闇属性の精霊さんに私達が大人しくしているように見えるのと話し終わるまで私達に話しかけようと思わないようにしてもらいましたが。アルさんが私達が話し終えた後の丁度なタイミングで話しかけてきたのはそのおかげです。
そして少ししてからアルさんも気配を感じたのか大人しくなさいます。やっぱり、アルさんはアランさんですね。
「っ。」
驚きでシアが声にならない悲鳴を上げた気がします。幸いにも入ってきた方々いえ奴輩はその事に気づいていないようですので良かったです。私も精霊さんに教えてもらってから直ぐに正体を聞かなければ気付かなかったでしょうが。
「おやおや、二日間で随分と素晴らしい子供達が集まってくれたんだね。」
「父上。僕はこんな所よりも婚約者の所に行きたいのですが。」
「まだ、正式に決まってないことだよ。まったくあの忌々しく浅ましい奴らだね。生まれで差別するだなんて。」
奴輩は私達の前で悠長に話をしています。貴族がこのような所に来れば犯人ですと言っているようなものなのですがどういう考えなのでしょう?私でしたら絶対に私だとは気づかれない者を遣いにして足を付けないのですが。その前にこのような犯罪行為は行いませんが。シアのナイトにもヴィンスの忠誠を受け取る者にも相応しくないですからね。
「あの、主様方。長居されては……」
「あぁ、そうだったな。無理を言ってすまない。どうしてもこの目で直接見たくてね。」
一応理由はあったのですね。
「父上。あそこの二人を家で侍女に致しませんか?幼いというのに見た目も良いですし隷属の首輪を隠すようにつければ僕達に逆らうだなんて出来ないでしょう?」
あぁ。なんて、なんて最低な。できれば今すぐ消してやりたいくらいです。




