攫われてしまいました。―1
ここはどこなのでしょうか?麻布の袋のようなものに入れられて連れてこられた場所には10数名の子供がいました。3歳ぐらいの幼児から15歳くらいの成人間近の方までと年齢層も広めです。ですが、皆さん綺麗な方だったり魔力が多い方だったりしています。まるで人身売買みたいです。というよりかは、実際そうなのでしょう。私も売られてしまうんですかね?まあ、レイお兄様が家に帰って下されば捜索隊が出るでしょうしシアも関わっているのです。何とかなるでしょう。
「ル、ルシー。どういたしましょう……」
「大丈夫です。お父様が何とかしてくださいますよ。」
多分ですけど。という言葉を飲み込みます。不安ですけどシアに不安がっているところを見せてしまってはもっと不安になってしまいます。幸い私は精霊さんと意思疎通ができるので冷静でいられます。ですが、精霊さんはこの場所をお父様達に伝えられません。
「ここはわたく、私の魔法でも」
「ダメですよ。相手に貴族とバレてしまいますから。」
普通は平民だと学園に入る12歳までは魔法を学びません。どこの学園も12歳にならないとは入れないので12歳以下で魔法を使える=貴族だとバレてしまいます。そして、相手にばれたら身代金でも要求されてしまいます。気を付けねば。家の名前を出さないといけなくなったら終わりです。フィル伯父さまもお父様も敵が多いでしょうから。
「なあ。大丈夫か?」
シアと二人で肩を寄せ合っていると一番年長と思われる男性が声をかけてきました。
「大丈夫ですよ。」
「ふーん。強がっているようには見えないし状況分かってないのか?」
「失礼な。この状況くらい|ふぁかっえおいふぁすあ《分かっておりますわ》。」
シアが大声を出したので急いで口をふさぎます。シアの気持ちは分からなくも無いですが状況が状況です。大声はまずいでしょう。
「失礼しました。私はルルといいます。こっちはアレナ。」
「ご丁寧にどうも。ルルのほうが分かってるみたいだな。俺はアルだ。」
「そうですか。」
なんだか最初が嫌味ったらしいですけど。何か変な事してしまいましたかね?
「貴族のお嬢様が泣かないなんてすげぇな。」
あぁ。彼は学園の生徒で庶民なのでしょうね。そこで貴族と関わり嫌な思いでもしたのでしょう。
「すべての貴族がこんなんではないですけどね。私は例外だと思います。」
そしてシアが落ち着いたのか話に入ってきました。
「貴方方はいつからここにいらっしゃいますの?」
「俺は昨日からだ。俺が最初にここにきてそれから皆が来た。」
「アルさんは学園の生徒ですよね。上級院の方ですか?」
学園は上級院、下級院と二つに分かれています。上級院はそのまま学年が上の方が、下級院は学年が下の方が入られています。
「あぁ、そうだよ。上級院の方に通っている。三年生だ。
そういえばルルもアレナもレイに似てるな。ルルの無表情とか特に…いや、何でもない。忘れてくれ。」
ぽつりとこぼされたレイという名前。そういえばレイお兄様の乳兄弟の方の名前はアランという名前だった気がします。たしか私達がひそかに懇意にしているどこかの商会の次男の方です。そこの商会長は確か子爵位を持っていたはずです。
もしかしなくともアルさんはアランという名前でレイお兄様の乳兄弟なんでしょうね。だったらなんで、わざわざ貴族を嫌っているような発言をしたのでしょうか?




