街にお出かけです!―3
レイモンド、レオンハルト視点です。
*⑅︎୨୧┈︎┈︎レイモンド視点┈︎┈︎୨୧⑅︎*
ルルが攫われた。
その事を知った時の僕の気持ちと言ったら。もともと、ルルとアレナとはぐれてしまっていて気が動転していた上にこの知らせだったのだ。長年者の意地としてヴィンスには気が動転している様子を見せないようにしていたけど。だけど、王都にお忍びで出かける時に父上が影をつけて下さったのが不幸中の幸いだ。ただ、僕は影と話す事が出来なくて父上経由だったからルルと合流する事が出来ずにルルが攫われてしまった。
あ、ルルだけでなくアレナも攫われてしまったみたいだ。僕とヴィンス、ルルとアレナで別れてしまったから。影がいたなら攫われないんじゃとも思ったのだけど丁度同業者の人々と戦っていたみたいだ。
これは貴族が関わっている可能性がある。どこの貴族が関わっているんだ?どんな貴族だろうがただじゃおかない。父上や母上には遠く及ばないが僕だって元々はルクナティア公爵になるよう教育されていたのだ。やろうと思えば出来る。
攫われたのはこのお忍びの情報が漏れたのか?いや、だけどそれならルルとアレナを攫う必要がない。一族郎党が死ぬ事になるし家族に至っては極刑だろう。特にアレナはただの王族ではなく次期女王なのだから。
分からないが父上の事だからルルとアレナの場所を把握しているだろう。本当ならルルを僕の手ずから救助したいけど僕が混ざると邪魔になるだけだ。ルルを守るためにもっと力をつけないと。僕はルルだけではなくリックだって守りたいのだ。こんなのでは守ることが出来ない。訓練頑張ろう。
あぁ、取り合えず無事でいてくれ。ルル、僕の可愛い妖精さん。
*⑅︎୨୧┈︎┈︎レオンハルト視点┈︎┈︎୨୧⑅︎*
ルルが攫われた。
その知らせを僕の部下から聞いた時どうしてルルの傍にいなかったのだと己を恨んだ。
聞いた話によるとアレナも攫われてしまったみたいだ。アレナまで攫われるとは馬鹿なのか?一族郎党死ぬ事になるのは決定だというのに。取り合えずフィルに伝えることにした。でもよほど焦っていたのか陛下と呼ばずにフィルと呼び、口調も普段の砕けた感じにしてしまった。
「フィル、フィルッ。ル、ルルとアレナが攫われた。貴族が関わっている可能性がある。」
「ほう。アレナとルルが攫われたとな。余の愛娘と可愛がっている姪を攫うとは良い度胸だ。丁度良い。余も一緒に救出に行くぞ。最近体がなまっていたからなぁ。」
魔力の圧がすごい。フィルが、陛下がこんなにも怒ることなんて滅多にないぞ。そもそも、国王として公の時はあまり感情を動かさないようにしているフィルが感情をあらわにしていることもめったにないのだけど。まぁ、これは犯人の自業自得か。そして陛下が自ら救出に行くとはな。このアルメラ王国は実力主義の国と言われていて実力さえあれば身分や種族を問わないのだ。そしてその頂点たる国王陛下のフィルは強い。守られる必要がないくらいには強い。別に陛下なんだから頭だけ賢くても問題はないのだけど、僕と一緒に訓練を受けてきたからなぁ。そういえば彼の家の金の動きがおかしかったはずだ。ここ数年、当主が変わってから金回りが妙に良くなったのだ。彼の家の収入は変わらないというのに。
そういえば昨日から王都では学園に通う予定の優秀だったり魔力を持っている子供や見目麗しい子供ばかりが攫われるという事件もある。僕もアランが攫われなければ気付かなかったものだけど。王都の前には彼の領とその付近で遠回りをしながらもどんどん王都に近づいてくるように誘拐事件が起こっていたはず。これは摘発しなきゃだよな。僕の大切な娘に手を出したのだ。
どうなっても文句は言わせないからね。
ルルの事が心配で心配で仕方がないシスコン(レイ)と親バカ(レオンハルト)でお送りしましたー( ´艸`)




