レイお兄様の学園生活開始です。―3
ちょうど私達が男の子に挨拶をしていないと気付いたころレイお兄様達もそのことに気付いたみたいでちょうど目が合いました。
「あ、ちょうど良かったよ。ルル、僕達まだ挨拶をしてないよね。」
「えぇ、そうですね。私たちもこのことを話していたんです。」
「それは、僕達兄妹の以心伝心みたいでいいね。」
「いしんでんしんとは何ですか?」
「東の方の異国の言葉で、言葉を使わなくてもお互いの心と心で通じ合う事、言葉を使わなくとも互いにわかることをいうんだよ。」
何という素晴らしい言葉なのでしょう。
「レイお兄様といしんでんしん……嬉しいです!」
「僕もだよ。可愛い妖精さん。」
浮かれている私は皆さんの反応に気づきませんでした。
「ねえ、アレナ。ルルってこうも変わるのね。さっきよりも目が輝いてるし笑みもなんだか自然だわ。」
「レイさんの前ではこんな感じですわよ。今日は初対面のレティがいるので少し冷たい態度で私たちにせっしてましたけど。」
「あの…兄さん。レイさんってこんな感じの人なの?さっきとすごく違うけど……」
「僕も聞きたいです。ジルさん。」
「エド、ハル。レイはすごーい妹思いなんだ。ルルちゃんはルルちゃんでそれを当たり前としているからあんな感じなんだよね…」
少ししてから周りを見れば、なんだか私達を見る目が変わっています。どうしたんでしょうか?
「ジル?余計な事言ったのか?」
「いやいや、そんな事はしてないからね⁈」
ジルさん、あんなに慌ててどうしたんでしょうか?
そして、気を取り直して男の子との挨拶です。
「お初にお目にかかります。フィビナティア公爵家が長女レティシアと申します。よろしくお願い致します。」
「レイモンド・メラ・ルクナティアと申します。ルクナティア公爵家長男です。」
「ルクナティア様はルル以外の前ではこんな感じなんですね。」
「それが何か?」
「ジルや兄様から聞いていたんですけど実感がなかったので。」
「そう。」
レイお兄様、普段はこんな感じなのですね。意外です。こんなに冷たい態度をとるとは。レティが傷ついていないので良いんですけどね。
「お初にお目にかかります。ユーナティア公爵家が次男エドワードと申します。よろしくお願いいたします。」
彼が三公で最後の一人のナイト候補の方です。
「ルルシーナ・メラ・ルクナティアと申します。ルクナティア公爵家長女にございます。こちらこそよろしくお願いしますね。」
「ルルシーナは剣とかもうやってる?」
「いいえ。
それといきなりファーストネームで呼ぶのはやめてもらえますか?」
「それは、ごめんね。ルクナティア嬢。」
「いえ、直していただけたら結構です。ユーナティア様。」
これが彼―エドワードとのあまり良くない初対面でした。同じ時期ナイトでもレティとはこんなにも違うとは思いもしなかったです。ただ、ルルシーナと呼ばないでと言ったのは私ですのにルルと呼んでもらいたいのはどうしてなのでしょう?




