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1-39 宣戦布告

ギルドの掲示板に大規模遠征の知らせが貼られた。冒険者等級に関わらず参加可能で食量や野営地の設置をギルド負担、尚且つ迷宮内で手に入れた素材やお宝はすべて発見者の物という破格の条件での募集だった。期間は2ヶ月間と長いがドベルの街で職にあぶれた冒険者は勿論の事、その他に新たな迷宮の手つかずの宝に目がくらんだベテラン冒険者も大勢いた。遠征開始は5日先だがドベルに滞在しているほぼ全ての冒険者が迷宮へと出発することになる。滞在先の野営の設置と食料の手配はギルド負担となっているが実際は野営地の設置などはアッシュが準備している。

ギルドとしては食料の手配と魔物由来の素材を現地で買取できるよう一部施設の引っ越し準備を大急ぎで行っていた。今回の計画でギルド支部に蓄えられていた金貨などを大半失ってしまうが、アルムスの計画が順調に進めば何倍にもなって帰ってくる算段になっている。いつも笑顔の受付嬢さえ表情を曇らせ苦言を呈してくる。


「ギルド支部長ともあろうお方が支部ごと賭けに出るなんて嘆かわしいです。ただどんなことになろうと私のお給金は必ず頂きますのでご覚悟ください。」


ルーカスも受付嬢の迫力に押されつつも手は休めずに事務仕事をこなしていた。アルムスとアッシュ、ルーカスの悪巧みも決行迄1週間を切っていた。ギルドの迷宮遠征開始翌日にアルトリウス失脚の計画は発動される。ルーカスは自分に割り当てられた役目を全うするために机の上に置かれた書類の束と格闘を始めた。


その頃アルムスはアルトリウスと面会を行っていた。

「この度はお時間を頂き誠にありがとうございます。」


恭しく頭を下げて見せるがアルトリウスはソファーに横になったままの姿勢で視線を向けるだけにとどめた。


「先日はパウルが失礼をしたようで悪かったな。まぁ貴族の身でありながら罪人に情けを掛ける様な真似をした其方にも非があるのだ。今後は改められよ。して今日はどのような用件だ。」


傲慢な態度のアルトリウスに表情一つ変えずにアルムスが言い放つ。


「今は亡き私の父とアルトリウス様との間に約束事があったようですが私とは一切関わりのない事ですのでご理解頂きたいと思いご挨拶に伺った次第にございます。領民の為にも私は無駄に金貨を搾取するような真似は出来かねます。この話は他の貴族の方にもご協力いただける約束を取り付けておりますので今後アルトリウス様には通常の税以外のお支払は出来かねます。」


アルムスのあまりに一方的な宣言にさすがのアルトリウスもソファーから立ち上がって激昂する。


「誰のおかげで貴様等ローギッド家は力を付けたと思っている。感謝される覚えはあっても非難される謂れは無いわ。この俺の街で逆らって生きて行けると思うなよ。今ならまだ詫びを聞いてやる。この俺の前に跪け。」


激昂するアルトリウスに対して終始冷ややかな目をしていたアルムスは立ち上がり、入り口の扉へと歩く。


「今日はあくまでご報告に伺っただけです。互いに今後どんな災難が待ち受けようと私たちの道が交わる事はありません。それでは失礼致します。」


アルムスはアルトリウスに振り返ることもなく告げ、部屋を出て行った。一人取り残されたアルトリウスは言葉にならない怒りの奇声を発しテーブルの上の物を薙ぎ払った。

けたたましい音を立て砕け散る酒瓶やグラスたち。音を聞きつけた召使が片付けに入るが怒り狂ったアルトリウスに足蹴にされ砕けたガラスの破片で血まみれとなっていた。それでも怒りが収まらないアルトリウスは他の召使を呼び、パウルを今すぐここに呼んでくるようにと言いつけた。


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