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光と闇の空間

研究室に入ろうとした時に魔法陣で気絶させられた勇太は『ジルコニア』に魔術界の『光と闇の空間』と呼ばれる空間に連れてこられた。

大きな円の中に五芒星が描かれた魔法陣に勇太は仰向けに寝かされた。

「これで…あの方が…晴明様が…戻ってこられる!」

ジルコンは涙目で勇太を見下ろした。

クォーツが属性判定に使っていた顔ほどの大きさの透明な球体を魔法陣の中心の勇太の体の上に浮かせた。

「さて、後は…」

クォーツが言いかけると、長身の上下とも白の装束を着た男が現れた。

「ダイヤ、やっとね。」

ジルコンがダイヤに言った。

「師匠、お待ちしてました。」

クォーツと装束を着たアメジストがダイヤに一礼した。

「待たせて悪かった。始めるか。」

ダイヤ、ジルコン、ルビー、サファイア、エメラルドの5人が五芒星の先に立った。

「いよいよね。」

「あぁ。やっとだ。」

魔法陣の外にいたアメジストとクォーツが話していた。

5人が中心の球体に手を向けた。

そして、5人は魔力を球体に向けて放ち始めた。

球体はつよい光を放ち、5人の魔力が勇太に注がれていった。

「クォーツ。」

助手がクォーツとアメジストの後ろに姿を現した。

「あら、フラーレン。突破されたの?」

アメジストが馬鹿にしたように笑いながら言った。

「あなたの弟子にね。」

助手が言った。アメジストがムッとした。

「ウチの弟子も突破されたみたいだな。」

サファイアが魔力を放出しながら言った。

「カバンサイトには悪いことしたな。」

「あき相手じゃ部が悪かったのよ。」

エメラルドがサファイアに言った。

「サファイア、エメラルド。集中して。」

ルビーが言った。

クォーツとアメジストが姿を消した。


気がつくと勇太の意識は薄暗い空間に立っていた。

「ここは…?」

空間はだんだんと暗くなっていき、真っ暗になってしまった。

勇太はそのままじっと立っていると頭上が明るくなった。

頭上には星空の様に遠くでたくさんの何かが光っていた。

「星みたいだ…」

勇太は昔、祖父と天体観測をしたのを思い出しながら眺めていた。

さらに頭上が明るくなった。

「月?」

いつの間にか大きな月が現れていた。

月はだんだんと大きくなっていたが、勇太はそれに気づかず、星空を眺めていた。


「雅子…」

魔力蛍の後を追ってあき、海斗、貴司、樹理奈の4人は歩いていた。

時折、樹理奈は雅子が気になって後ろを振り向いた。

「雅子さんは大丈夫。カバンサイトには人を殺すほどの魔力はないわ。それに、元・金属中毒(メタル ポイゾニング)なんだから簡単にはやられない。」

あきが樹理奈に言った。

「ここ、本当に研究室じゃないんだね。研究室だったらこんなに広くないし。」

貴司が言った。

「魔術界と人間界の間の『扉の空間』とはまた別の空間みたいね。中島君はここを通って魔術界に行ったと思う…」

あきは前方の何かに気づき、また魔力蛍を捕まえた。

「何?また誰かいるの?」

樹理奈があきに聞いた。

「…かなりマズイわね…」

あきが険しい顔つきになったので、3人も固まってしまった。

「そこまでだ。」

前方からクォーツとアメジストが歩いてきた。

「あき、お前は賢いから俺たち2人が来た意味が分かってるだろ?」

「あんたたちが束になってかかってきても、ここから先は進めないってことよ。」

アメジストは相変わらず見下した口調で言った。

「お前たちは勇太に関する記憶を消さないでやるから、この場を引け。」

クォーツが言った。

「どういうことだ!?」

海斗が聞いた。

「知ってどうするのよ?」

アメジストが嘲笑いながら言った。

「私たちが引くか引かないかはちゃんとした説明があってからよ。」

あきが言った。

「野上さん!」

貴司はあきが引くかもしれないことを示唆したので驚いた。

「そうだな。」

クォーツが話はじめた。

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