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いつのまにか こだわっていた五歳の年の差も忘れて
私と秋杜は 宝物を二つに増やして
毎日を幸せに暮らしている。
翔夢も慈夢もかなりの俺様だけど
不思議なことに私には素直で可愛い息子たち
そこに秋杜が加わって 三人で私の争奪戦を繰り広げて
結局 バカらしくなった翔夢が先に手を引いて
おにいちゃんにならって慈夢が手を引いて
最後に大人げない秋杜が勝利者になる。
「ごめんね~パパったら~あなたたちよりずっと
子供みたいでしょう?」
「いいよ。パパのそういうとこ俺嫌いじゃないし…
俺もいつかパパみたいな男になって
ママみたいな奥さんを見つけるよ。」翔夢の言葉が嬉しかったりする。
「映画見に行きたいな。」最近友達と映画館デビューをした
翔夢が言った。
「何?見るの?」
「ほら日本人でさ…ルイトってめっちゃおもしろそうなんだって。」
「ルイト?」
その懐かしい名前は最近頻繁に映画ファンをにぎわせていた。
「ルイトって地元ここなんだって。めっちゃかっこいいし!!」
「今大人気だもんね。」
「同じ日本人として誇りだね。」翔夢はそう言うと部屋を出て行った。
「ルイトか~~」秋杜がちょうど帰って来た。
「翔夢がファンらしいわ。」
「ふ~~ん……。俺があいつと春湖を取り合って喧嘩したこと知ったら
アイツ目ん玉飛び出すだろうな。」
「何言ってんだか……。」
秋杜が私の体を抱き寄せた。
「この人生が春湖にとって正解だったか?」
「もちろんよ。秋杜以外の人との人生なんて考えられないもん……。」
「よかった~~。いっつもさルイト見るたびに心配になるんだ。
春湖はどんな気持ちでいるのか。」
「私?ルイトには輝いていてほしい…それだけだよ。
やきもち…もう焼かないでいいんだからね。
私にとって秋杜は特別なんだもん……。」
「ふふふ…だよな~
俺とおまえは運命だからな。
俺はこれからもずっと一生春湖を愛して愛して
溺愛して…生きて行くんだ。」
「私はその俺様に溺愛されて生きていくのね……。」
長いキス……
「春湖…髪の毛そろそろカットしよっか~
新しい髪型があるんだけど・・・・」
「え~~実験台はもう勘弁してよ。
せっかく伸びたのに…また切るの?」
秋杜の研究材料になっている私
何度か失敗を経験している。
「俺が世界で一番いい女に仕上げてやるから。」
「そう言ってこの間 失敗したじゃん?」
「言葉を間違えた。
俺にとってだけいい女に見える髪型にしてやるから。」
秋杜が鼻の穴を広げた。
「あ~~ほら~~そんな言い方してたら絶対失敗するんだもん~」
私たちがわいわいと騒いでると 翔夢と慈夢も降りてきた。
「ママの髪型について多数決をとります。」秋杜が言った。
「今回は思い切ってショートヘアーにしちゃおうかと
思ってますがいかがですか~?」
「ショート!?」
「絶対長い方がいい!!」
「ママは顔が丸いからさ・・・・」
三人の声を聞きながら キッチンを片づける。
幸せな毎日に感謝しながら……いつまでも秋杜と一緒に歩いてきたい……。
秋杜とならきっと手をつないで
いつまでも愛を語り合いながら暮らしていけるから……
秋杜の夢が叶う日は もうそこまで来てる。
子供たちの夢と言う字と私たちの春と秋
『Dream Season』
昔からそう決めていた。
来月その夢がとうとう叶うんだ。
秋杜を信じて 私はついて行くだけ……。
永遠に………五歳年下の頼れるダーリンと………。
長い間 おつきあいいただいてありがとうございました。
みなさんの訪問やありがたい感想が
私の活力でした。
また次の作品でも お会いできることを祈りながら……