31、幸せになったエリス
レオンとエリスが隣国のホテルで結ばれた1週間後、
無事に学園の卒業式を迎えホッとするエリス。
ダグラスを始め友人達と近くのレストランでお祝いした。仲間たちとワイワイ時が経つのも忘れ楽しんだ。ダグラスからは「もし結婚生活が嫌になったらいつでも就職口を紹介してやるよ。だから遠慮なく連絡しておいでよ」と笑いながら連絡先をくれた。
夜は夜でボヌール家でささやかなお祝いの宴が催された。そして宴の次の日、ボヌール家のリビングで騒いでいる1人の男がいた。
「ええ~、なんでだ?どうしてだ?」と発狂?するレオン。
「えっ、私、卒業したのでレオン様と結婚するんですよね?」
「あぁ、そうだ。もちろん」
「式場も無事に抑えられて旦那様とステラお母様が招待客関係は任せておけっておっしゃいました」と言いつつ、うんうんと頷くエリス。
「だから実家に帰るんですよ。結婚式まで実家で過ごします。式の準備をしながら親子水入らずをするんですよ。レオン様もぜひどうぞ〜〜」とあっさりアトランテ家へ帰って行った。
「・・・・知ってたけどあっさりした奴だな」とボヤく。
そして、両親から挙式当日まで面会禁止を言い渡された。なぜだろう?会えないとなると逆に会いたくて気が狂いそうになるレオン。
挙式まであと1ヶ月。
挙式まであと2週間
挙式まであと3日
そして当日。
「お父様、お母様、もう行きますね。」とここは早朝のアトランテ家。
エリスはこれから馬車に乗り結婚式会場へ向かう。見送るアトランテ夫妻とトーマス爺。
「エリス、後から私たちも行くわね」と早朝だと言うのにニコニコしているアトランテ夫婦。
「エリスお嬢様、本当に良かった。うぅ、うっ。。。」とトーマス爺も今日の日を無事に迎えられ感無量だ。
「エリスお嬢様、このトーマス今日ほど心待ちにした日はございません。ご結婚心よりお慶び申し上げます。どうかレオン様と末永くお幸せにお過ごし下さい」とトーマス爺が目尻を下げ目を赤くし、ズビズビと鼻を啜りながらお祝いを述べた。
これからエリスが着付けの準備のためひと足先に教会へ。国1番の寺院なので挙式も盛大に行われる。
すでに前日から花嫁であるエリスよりも先に何故か刺繍の会のメンバーが会場入りしスタンバイしている。考えるだけで恐ろしい。一体どんなドレスに仕上がっているのか。
時々ステラお母様が抜き打ちでエリスの体型をチェックしに来ていた。「ヨシ!」と言いながら帰って行く後ろ姿が印象に残っている。
馬車が式場に止まりエリスが降りると既にステラお母様が待っていた。
「お母様今日は宜しくお願いします。」と挨拶すると「挨拶はいいの。さぁ、急いで」とエリスの手を引っ張りさっさと衣裳部屋へ連れて行く。
衣装部屋の扉を開けると、この国の上皇后と上位貴族の奥方達が勢揃いしていた。見れば見るほど錚々たるメンバーである。このメンバーを見たら地獄の門番も裸足で逃げ出すだろう。
「皆さん本人が到着よ」とステラが言うとずらりと並んだ女傑達が口々に「おめでとう」と声をかけている。
「さぁ、エリスちゃん見て?」とボディに着せられたウエディングドレスを見た時は、もう凄いなんて言葉では足りなかった。
ーーーーこんなの見た事ない。と思った。ドレスの心配はしないでと言われてはいたがこれほどの物とは。
一体いくらかかってるんだろう。制作期間ってどうなってるの?ああ考えるのも恐ろしい。でも本来なら自分のお母様も一緒に作っていただろうな。と思われるドレス。
「・・・・うぅ。うっ、お母様一緒に見て欲しかった。」エリスはドレスの前へひざまづきボロボロと泣き出した。これには猛獣すら恐れる女傑達もたまらず貰い泣きだ。
しばらく泣いたエリスは女傑達の前へ出ると、
「あっ、ありがとうございます。これはとても尊く価値のある物だと言う事は素人目にもわかります。こんな素敵なドレスを着て愛する人と式を挙げられる私は大変幸せです」と涙を拭きながら1人ひとりにお礼を述べた。
「さぁさぁエリスちゃん、そろそろお支度始めましょう。」のステラお母様の号令と共に入ってくるスタッフ。
スタッフ達も戦々恐々だ。ドレスのみならずメイクやヘアスタイルなどのエリスに対する仕事ぶりを10人の魔女?が舐めるようにチェックしているのだ。このドレスに何か有ったら消されるかもしれん。と思ったスタッフも多かった。
「花婿さんも来られてますよ。これからお着替えされます。」と式場のスタッフからレオンの途中経過が報告された。
「私が、レオンの方のチェックに行くわ」とステラお母様がすくっと立ち上がった。お互い目で察し無言で頷く女傑達。
ーーーーそして無事にエリスの方の準備が整った。
次々とお祝いに訪れる友人達。友人達もドレスを見ると褒める前に1人残らず絶句していた。
そして、お父様、お母様も来てくれた。お父様はすでに涙腺崩壊だ。
「エリスちゃん綺麗よ。そして凄い衣装ね」とクリスティーナお母様がびっくりしていた。
ビーズとスパンコールがふんだんに使われている為か軽くは無い。
注目は胸元から裾までの流れる様な刺繍が凄い。スタッフの女性達も目が離せないようだ。
「凄い衣装。こんなのは初めて見る。」と感想を漏らす女性もいた。ベール、グローブにもお揃いの刺繍が施してある。
そこで一旦帰って来たステラがエリスを手を取り、式場までエスコートした。
それを合図にするかの様にぞろぞろと式場へと移動を始める女傑達。「エリスちゃんのウエディングドレスを作ろう委員会(仮)」の解散だ。
ーーーーひと仕事終えたせいか女傑達の表情がすっきり晴れ晴れとしている。この国は今日も平和である。
◇◇◇◇◇◇◇
いよいよ次ラストです。




