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32、華燭の典〜その後【完】

ステラお母様のエスコートでとうとう式場のドアの前へ到着した。いつもはふんわりとした雰囲気のステラお母様だけど今日はお母様も緊張してらっしゃるのか表情が引き締まり口数が少なめだ。


久しぶりにレオンと顔を合わせる。

何だかドキドキする。


遠くからスタッフの誘導で歩いてくるレオンが見えた。元々背が高くスタイルが良い人なので遠目から見てもとても素敵だった。彼との距離が近づくに連れ私とお揃いの刺繍が見える。

見ていた事に気がついたのかレオンがエリスを見ている。その目が最大限まで開かれていた。


レオンがエリスの所へ来た。開口一番

「綺麗だ。凄く綺麗だ。このまま家へ帰ろう」と側にステラお母様がいるにも関わらずエリスの手を引っ張り連れて帰ろうとした。


「レオン、人間に戻るのよ。貴方は犬じゃないのよ」とそこでステラお母様の辛辣なツッコミが入った。


目が正気に戻ったレオン様。良かったわ。一瞬どうしようかと思って棒を探してしまったもの。


入場の時間になり「2人とも、じゃあ後でね」とステラお母様は旦那様の待つ式場の中へ入って行かれた。


今は2人きりだ。「エリス、今夜は覚悟しとけよ」と凄まじい色気を湛えた流し目で宣言された。いや、知りませんって。


無事に結婚式が済み、賑やかなパーティも終わりやっとボヌール家へ帰って来た。結婚式の後に脱いだドレスはステラお母様がしばらく預かると言ってどこかへ持って行ってしまった。


もうクタクタだ。だが馬車から降りた途端、出迎えた執事にそこそこ話すとレオンに手を引かれ玄関ポーチをくぐり、玄関を開けてホールを抜けた。


そして公爵家の広大な敷地の片隅にこの屋敷にも新しく離れが出来ていた。


これにはエリスは驚いた。実家のよりもっと立派だ。それより一体いつ建てたのか?


「ここでしばらく2人で暮らすから」とレオンがエリスに言った。言ったというよりまるで「宣言」だ。

ドアを開けて部屋へ入ってみると、調度品は全て整えられ、その全てがエリス好みになっていた。


「エリスと離れていた時に急ピッチで作ってもらったんだ。どうせエリスと会えないし俺も少し手伝ったんだ」と目を逸らしながらも照れ臭そうに話した。


台所も浴室も完備してある。1番嬉しかったのは小さいながらも図書室も有った事だ。


感極まって不意に泣き出すエリス。「えっ、泣くほど嫌だったのか?」とレオン様が驚いていたがエリスは

「違うんです。嬉しくて」と言うとそっとレオンが抱きしめてくれた。


その夜はレオンがどんなに我慢を強いられたか思いの丈をぶつけられ、もうやめてと言っても聞き入れて貰えず、次の日はしばらく起きられなかったエリス。


でも愛する人の腕の中で心が満たされる幸せを噛み締めていた。この人とこれからもずっと一緒にいたい。結婚出来て良かった。


ーーーーあれだけ結婚しないと思ってたのに人って不思議ね。





◇◇◇◇◇◇




あれから何年か経った。


エリスとレオンはボヌール家のおしどり夫婦と呼ばれている。


エリスは結局2人の子供に恵まれた。


レオンにそっくりな女の子のシャンティ。

エリスにそっくりな男の子のステイシー。


やはりお父さんに似たシャンティの美貌が末恐ろしい。ステイシーはエリスに似てマイペースな男の子に育っている。


子供達が産まれある程度大きくなると、離れをステラ達両親に譲り、屋敷の方にレオン一家が入ったのだった。


そしてレオンの方はとうとう騎士団長に就任。友人のジョンを副団長に据え毎日がんばっている。



エリスは子育てをステラお母様に手伝って貰いながら、クリスティーナお母様の事業の枝葉を伸ばし、とうとうこの国1番の規模を持つ会社に押し上げた。



たまにダグラスに会い、仕事で顔繋ぎをして貰っている。


エリスが隣国に行き仕事でダグラスに会うと、必ずと言って良いほどレオンが2人が初めて結ばれたホテルで待っている。こんな時はあのレストランで食事した後、夫婦で熱いひとときを過ごすのだ。


夫婦の営みの後「ねぇレオン、私何度も言ってるけどダグラスとは何も無いわよ。第一彼は結婚してるのよ?」とレオンの腕の中で膨れると


「わかってるけどさぁ~。まぁ、いいじゃん」とこちらはまるで大きな子供の様だ。


あれから風の便りによるとカトレア様は、結局は娘と共に実家から勘当され行方知れずとなっているらしい。


お父様とクリティーナお母様は仲良く侯爵家でトーマス爺と暮らしているが、近々親戚の子供を養子にして家を継いでもらうと言っていた。




「私ね、レオン。」

「とても幸せよ。愛してるわ。」



これからも2人の人生が続く。晴れの日も有れば曇りの日だって、雪の日だってある。でもどんな事があっても今まで通り乗り越えて行くわ。


だって1人じゃない。貴方が側にいるから。







                終わり






ここまでお付き合い下さり本当にありがとうございました。作者は奇病である誤字脱字症候群に侵されております。なので誤字脱字の報告は大変ありがたく思っております。尚、キャラクター批判はお控えくださると嬉しいです。
















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