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29、突然のレオン様の登場

あれから数ヶ月たち、私の仕事の方は順調その物で先日クリスティーナお母様から「そろそろウチの国外のお得意さんにもご挨拶しておこっか?」と今回の国外の内覧会にも参加する事になっている。


学園の方も授業が殆どがレポート提出になり学園に行く回数も減ったので仕事に参加しやすくなった。


そしてこの度正式にクリスティーナお母様の会社に内定が決まった。他社からもいくつか話を貰っていたが、自分のやりたい事をするには1番クリスティーナお母様の会社がやりやすいと思ったからだ。ごく内輪で実家でお父様とクリスティーナお母様でお祝いをしてもらった。


私の仕事は平たく言うと「何でも屋」だ。会社のありとあらゆる仕事を覚えて欲しいと言われた。お金の流れから商品管理その他諸々。はっきり言ってとても大変だ。すぐには無理だろうけどなるべく早くものにして見せるわ。



隣国へ出発する日、私は早朝から資料を作っていた。例によって図書室である。



「おはようエリス。朝早くからご苦労さん。」とレオン様が側に来た。まだ少し彼は眠そうだ。私はテンパっててあまり寝付けなくて今も緊張している。


「おはようございます。レオン様。仕事の資料を作ってたんですよ~。これから隣国へ出発です。」と言うと「おお、頑張って来いよ。帰りは明後日だった?」「ええ、そうです。お土産買ってきますね」と不安そうな表情は見せずに話した。


レオン様はエリスの頭を「ポンっ」と叩いて「ああ、無理すんなよ」と一言いった。「・・・・はい、じゃあ行ってきますね」と言いつつ資料を鞄に詰め込み、玄関先に停まっていた馬車に乗り込んだ。


このまま実家へ寄ってクリスティーナお母様を拾って、いよいよ隣国へ出発だ。道中は大きなトラブルもなく、少し雨に降られたぐらいで済んだ。道中でも今日の内覧会の打ち合わせに余念が無い。今回初めて打ち合わせをする会社も2社ほどあって今回をきっかけに良い取引に結びつけたい。


数時間後、隣国へ入国を果たし無事に目的地へ着いた。すでにお昼を回っていたので宿泊予定のホテルの近くのカフェで軽く食事を取り説明会会場のホテルへ入った。


近くのホテルの小ホールをお借りして、元々の商品見本を置き、更に新しい商品の説明会をするのだ。バイヤーの方々に手に取って確認して貰う、これが目的だ。


小ホールを訪れ、先に現地スタッフが入って準備をしてくれているので一緒に確認をする。クリスティーナお母様は少し商品の見本の配置を変更したりして手直しをしている。エリスもその様子を見ながら新商品の「エリスシリーズ」のチェックをして行く。


今回の時間は14時から18時まで。アポを取っていたバイヤーさんが時間通り次々とやってくる。並べて置いた商品を手に取って貰い詳しく説明し、お互いの要望が折り合えばそのまま注文を受ける。


慌ただしく時間が過ぎ何とか説明会が終わった。もうクタクタだ。でも今回は手応えがあったようでクリスティーナお母様は疲れを見せつつもホクホク顔だ。調子はずれの鼻歌歌いながら後片付けをしていた。


エリスの身の心も既にクタクタだったが、そこを何とか歯を食いしばり頑張って後片付けをしてたら、もう19時過ぎだった。


一緒に片付けていたここの現場スタッフに「今日はありがとうございました。後日また連絡します」と終わりの挨拶を交わし、時間的にクリスティーナお母様とどこかでご飯でもと言う話になった。


ちょうどその時、会議室のドアがノックされた。もう説明会は終わったし会社関連の方は全て帰られたはず。クリスティーナお母様とお互い顔を見合ってちょっと考えた。


そしてたまたまドアの近くにいたクリスティーナお母様が「はい」と返事をしてドアを開けた。そのまま来客と何か話しているようだ。


「・・・・エリスちゃんちょっと」と呼ばれそこに行ってみるとそこに居たのは何とレオン様だった。


「えっ、どうしてここに?」とびっくりした顔で対応すると気を利かせたクリスティーナお母様は一旦部屋へ入りエリスの荷物を取ってくると


「まぁまぁエリスちゃん、はい荷物。私は適当に食べて帰るわ。ちょうど良いわ、お2人で何か食べて来なさいよ。エリスちゃん明日の挨拶周りは少々遅くなっても大丈夫よ!」とにっこり笑って言った。


「なっ!!クリスティーナお母様何言ってるんですか!」


「はははっ、じゃあ明日ね。」とクリスティーナお母様は自分の荷物をさっと手に持ちヒラヒラと手を振りながら姿を消した。



ーーーーそこに残された2人。



「レオン様、すいませんがとりあえず何か食べに行きましょうか?私、もうお腹がぺこぺこです。」と話すと

「あぁ、突然来て済まない。どこかで食べよう」と無表情で話した。レオン様はエリスが戸締りをしてフロントへ鍵を返す動作を付き添うようにじっと見つめている。彼、一体どうしたんだろう??



私たちは取り敢えず近くのレストランへ入った。割とお客さんは少なかったのですぐに席に案内された。


「ーーーー初めてですね。」とレオン様に言ってみた。


「えっ、何が?」


「ふふっ、2人でこうやって外で食べるの。」


「そうだな。そう言えばどこにも連れてってないな。一度観劇に連れて行ったきりだな」


「まあ私も学生ですし仕方ないですよ。そうそうレオン様、メインが選べますね?どちらにします?私はお肉食べますけど。魚も選べますよ?」


「そうだな、俺も肉にしとく。」


2人でアルコールも頼み、私は仕事が終わった気楽さもありちょっとほろ酔い気分を味わっていた。レオン様も飲めるみたいでアルコールを楽しんでいる。知らずに入った店だが思ったより食事も美味しく、雰囲気もサービスも良かった。


アルコールが後を押すのか会話も弾み楽しい会食だ。上質な時間がゆっくりと過ぎて行く。


食事が済むと、レオン様がウェイターにチェックを頼みながら「ちょっとその辺を歩くか?酔いも覚ましたいしな」言って来たので、「ええ、ちょっとなら良いですよ。来る時にちょっと見たのですが少し先に公園がありましたよ。そこまで行きますか?」とレストランを出て2人並んで歩き出した。


中々の都会なので街灯がとても綺麗で街路樹も当然ライトアップされている。2人で並んで歩きながら立ち並ぶお店を眺めていると、あっという間に公園についた。


この公園の規模はそこまで大きくは無いが池もあってベンチもいくつかあり、雰囲気の良い公園だった。丁度時期的にライトアップもされて中々ロマンティックだった。他にもカップルが散歩を楽しんでいるのが見える。


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