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25、新しい人生

ボヌール家へ帰ってから約1ヶ月後、お父様からお手紙が届いた。その内容は主に裁判に関する物だった。


以下



・義母のカトレア様は結局は有罪になった。最終的にこちらの丁寧に集められた証拠が決め手になったらしい。以前からカトレア様の評判が良くなかったのも大きい。


・それに従いカトレア様とその実家は、使い込んだお金の返金と精神的苦痛の慰謝料の支払いを命じられた。カトレア様の実家はそのお金を支払う為に幾つかの土地を手放されたそうだ。



・・・・エリス、お前には大変苦労をかけた。それに心配をかけさせた。これで私自身も新しい人生をスタート出来る。本当にありがとう。と締め括ってあった。



「それでどうだったんだ?」と隣でレオン様が図書室でレポートを纏めていると隣の席から聞いて来た。


「ええ、全てにおいて決着が付きました。お父様からの手紙には新しい人生をスタートさせる。って書いてありました。本当に良かったです」とレオン様の方へ向きにっこりと笑いました。


「まぁ、アレだよな。でもそのカトレアって言う奴?がそんな事してなかったら今ここでエリスと一緒に居なかったよな?」


「まぁ、お口が悪いですよ?レオン様。でもそれもそうですね。ーーーーそれよりお父様はもう新しい人は探さないのかしら?」


「いやいや、エリスが知らなかっただけで案外もう居るのかもよ?」とレオン様、意味深です。一体何を言っているのかこの男は・・・・


「えっ、そうかしら?そうだったら何だかショックだわ」そこの所、娘としたらあんまり考えたく無いわね。


「けっこう男って寂しがりな所があるんだよな~。」って言いながらそんな色っぽい目付きでこっち見ないでよ。


「まぁ、頼むよエ・リ・ス」ってなんかムカつくわー。何よ!女の私よりよっぽど色気があるわね。小憎らしいったら!!



でもこのレオン様の話が僅か3ヶ月後に現実になるなんて、この時は夢にも思わなかった。





◇◇◇◇◇◇◇





「エリスちゃん、そこはね~こうやってすると上手く行くのよ!」とステラお母様がリビングで優しく教えて下さっている。そう言うステラお母様も私に教えながら自分の手をせっせと動かしている。



実はこれクリスティーナ叔母さまへのプレゼントを作っている。何のプレゼントかって?


何とお父様とクリスティーナ叔母さまが再婚する事になった。まあ、いつの間に??


お父様が街の様子に詳しかったのは、クリスティーナ叔母さまと会っていた為だった。

まぁ、私をダシにしてた所も有ったのかも。この辺は私も お・と・な なので深くは聞かない。



先日、2人揃って我が家へ挨拶に訪れ、お父様がボヌール公爵夫妻に向かって「この人と結婚する事に決めました」とボヌール家全員の前で報告した。本人的には裁判が結審したのが一つの区切りだったらしい。


両方、再婚者同士なので大きな式などはせず、小さな教会でひっそりと挙式を行うつもりだとも言っていました。


まさに晴天の霹靂。



皆んながいつ挙式になるのか話していた時に、突然「クリスティーナさん、良かったら花嫁さんのベール私に作らせてくれない?」とステラお母様が言い出した。ああ、結構いいかも。ステラお母様の刺繍の腕は確かだし。


「ステラお母様、いい機会なので私もクリスティーナ叔母さまに何か出来ないでしょうか?」と話すと、


「エリスちゃん、じゃあベールとお揃いの刺繍でグローブはどう?」とおっしゃったので、「わぁ、素敵ですね。この機会に教えて貰えないでしょうか?」とちゃっかりお願いした。


最初クリスティーナ叔母さまは「ステラ様、エリスちゃん本当に良いんですか?お2人ともお忙しいのでは?」と気を遣って下さってたが、


ーーーーお世話になりっぱなしだったので少しでも何かお役に立てる様で嬉しい。


と話すと「じゃあ宜しくお願いします。ぜひ可愛いの作ってね!」と笑っていました。結婚後はリスランテ侯爵家へクリスティーナ叔母さまが入られるとの事。


トーマス爺きっと喜ぶわね。



それからステラお母様と時間を見つけてはせっせと刺繍を刺している。ベールもグローブも無地の市販の物を使うのでその辺は楽だ。



「お母様、私お茶でも淹れてきますね。一息入れませんか?」


「そうね、エリスちゃん。頼めるかしら?」


「ではちょっと厨房に行ってきます。」


とりあえずボヌール公爵家としてレオン様が挙式に参加する事になった。ステラお母様は朝一番に教会へ入りクリスティーナ叔母様の着付けを手伝う事になった。私はまだ結婚前なので2~3日前に実家に戻り、実家からお父様と教会へ向かう段取りだ。


まぁ、自分でやると決めたグローブへの刺繍をそれまでに仕上げなければならない。


図案こそステラお母様が起こして下さっているが、初心者には中々厳しい。でも丁寧に根気よく教えて下さって居るのに私が弱音を吐くわけには行かない!と決意を新たにしながらお茶を用意していた。



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