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14、新しい生活


エリザベス王女様が失意のうちにプリム国へ旅立たれてから3ヶ月ほど経った。とある日の夕食時に公爵様に口から、エリザベス王女様がプリム国の王太子と正式に婚約をした事を知った。

「まあ、それはそれは喜ばしい事ですわね。」と微笑んでお茶を飲みながらステラが何気なくこぼした。


「・・・そうですね、あちらからの話によると、花嫁修業の方も順調にこなされているご様子。まあこれで良かったんだよ。」とレオンもちらりとエリスを見ながら話した。エリスは手元のカップのお茶を見ながら、(――――これで良かったのよね。後は上手く時間を潰して婚約解消に持って行くだけになったわ。)と改めて思った。


今回のエリザベス王女の輿入れに伴いレオン達近衛兵も人事が刷新され、レオンはエリザベス王女様付きの勤務を解かれ、今度はエリザベス王女の弟であるリヒト殿下の側近へ入った。


リヒト殿下はお歳は12歳になられる。学業も優秀で拙かった剣の腕もかなり上達してきた。

何と言っても、レオンほどでは無いがなかなかの男前だ。


リヒト殿下の成長に従って、これから諸外国との交流も盛んになるだろうから側近を増員したと言うわけだ。


現在、リヒト殿下は付属の学園に通われている。いわゆる中等部からこれから高等部へ内部進学される。


そんな事もあり学園の警備が増えて来た。


レオンの最近の楽しみは嫌がるエリスをランチに誘う事だ。エリス本人はおそらく気が付いてないが、俺を学園内で見つけると害虫を見つけた様な目をしている。本当に失礼な話だよなぁ。


悪趣味だと自分で思う。だが自分自身をしっかり持ちどんな会話でも簡単に切り返してくるエリスと一緒に居るのが楽しくてしょうがないのだ。





◇◇◇◇◇◇





「――――へっ、自分の叔母さんに会う?」とレオンが学食のランチのサラダを突きながらエリスに向かって聞いた。


「ええ、今回の件が片付いたら一度連絡を取ろうと思っていたの。」とエリスも負けじとポークソテーを突きながら返した。ここのポークソテーは中々美味しい。学食がポークソテーだと朝からソワソワする事は目の前の男には内緒だ。


「でも会ったこと無いんだろ?」とエリスと話しながらサラダの人参を避ける。


「そうなのよねぇ、――――住所しかわからないのよね。」と答えつつも自分のサラダの人参をレオンに分けてやる。


フォークに人参を刺してエリスの皿へ返しながら「・・・・騎士団使ってやろうか?」ととんでもない事を言い出した。


エリスは両手をブンブン振りながら「っ!!いいわよ、そんな大事にしなくても。」と笑いながら大いに遠慮しつつ、フォークに人参をまとめてレオンのスープの具材にしてやった。


「っ~~~~~。何すんだよ。」ボソッ。




そんな事になったらますます婚約解消が遠のくではないか。情が湧くなどごめんだ。あまりこの男に依存したくない。


「そろそろ次の講義に遅れるから行くわね。」と、空になったランチプレートを持って席をたった。


「じゃあ。」とレオンから離れ教室へ向かった。



――――正直、自分の心の中でレオンの事が嫌では無くなって来てるから始末に負えない。



お茶会の騒動で抱きしめられた時、凄く安心してしまった。それにみっともない泣き方だったようにも思う。



でも私は自分の脚でこの先も歩いて行きたい。ここで流される訳には行かない。

その第一歩が叔母さんに会う事だ。



実はレオンには言わなかったが、もう叔母さんに会う段取りをしてあり、実際には連絡を取っている。エリスは叔母さんに会う目的をレオンに言わないし知られたく無い。



明後日の最終の講義の後、叔母さんがこの学園までエリスに会いに来てくれる事になっている。この日はレオンは他国へ訪問する王子に同行だ。


どんな方なんだろう?良い人だと良いな。




◇◇◇◇◇◇




エリスはドキドキする気持ちで、待ち合わせ場所である学園の庭園の噴水の前で立っていた。


「――――もしかしてエリスさん?」と後ろから声をかけられた。


思わずクルリと振り向くと、同じぐらいの背丈の女性がエリスを見ていた。どことなく亡くなった母を思い出させる。



「・・・・もしかして、クリスティーナ叔母さん?」とエリスも聞き返した。


「ええ、そうよ。私はクリスティーナです。」とその女性はにっこり笑った。


「っ!!叔母さん!!」


とエリスは駆け寄りクリスティーナ叔母さんに抱きついた。


「――――ふふ、大きくなっても甘えん坊さんなの?」と叔母さんに言われ体をゆっくりと離した。


「んもぅ、叔母さんたら意地悪なんですね。」とエリスも笑って言った。


2人は近くにあったベンチに腰掛け話し出した。まずはお互いの近況報告と言った所だ。


叔母さんは現在一人暮らしをしている事、事業を起こし頑張って居る事。エリスも負けじと、侯爵家で苦労した事や、こちらに来てからとても良くしてもらっている事などを身振り手振りを交えながら、時間がたつのも忘れて話していた。



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