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94 本物はだれ?

文章がぐちゃぐちゃで迷走しています。


「なに、笑ってるんだ……?」

「だって、先輩が可笑しなこと言うから」


クスクス笑う菜子にもの恐ろしさ感じた。どこか狂気じみた空気を纏い、俺を見る目は菜子のものとは到底思えない。


「あー面白かった。……一体どこをどう見れば、あたしが桜川菜子じゃないと言うんです?」

「そうだよ。どっからどう見ても、お前は桜川菜子だ。でもな、それは外見だけだ。中身は別人……だろ?」


外見は俺の良く知る菜子そのものなのに、中身は全然違う。菜子はこんなふうに笑わないし、あんな目で俺を見ない。

一つの事に気付くと、剥がれ落ちるように色々な物が見えてきた。


「そっか、最後に何を足掻いているのかと思っていたら、貴方に会いに行っていたんですね……。だからあたし達の相違に気付いちゃったんだ……。ホント余計なことしてくれた。素直に消えれば良かったのに」

「どういう意味だ?分かるように説明しろ」

「良いですよ。じゃあ、一番最初から教えますね。まず、先輩が言う菜子。あれがそもそも偽者です。本物があたし」


分かるように説明しろと言ったのに、のっけから分からない。今話している菜子が偽者だろ?だけど、この菜子は堂々と自分こそが本物だと言い張った。


「この世界に要るべきはあたしなんです。あの子があたしの居場所を奪った……。あたしに成りすまして、ね。だから返してもらったの」

「なら、お前の居場所を奪ったという菜子はどうなったんだ!」


菜子は自分の胸に手を当てて「寝てるわ」と笑った。


「絶対に目覚めることはない。その内に自我を保てなくなって跡形もなく消える。これで桜川菜子はあたしだけになる」

「消える……?ふざけるなっ、菜子を返せ!」

「返せ?あはは!なに言ってるんですか、あの子は本来ならばこの世界に居ないはずの存在なんですよ!?……たかがゲームの登場人物のくせに、あたしに命令しないで!……そうだ、やり直しましょう、最初から。リセットして、生まれる前から始めれば良いんですよ!」


菜子が言った瞬間、黒髪の少女がいつの間にか俺の前に現れた。その子を見た菜子の目が大きく見開かれ、怒りを孕んだ顔になった。


「それはムリだよ」


少女の声は直接頭に響いてきた。良く通る透き通った声。


「なんでアンタがここにいるのよ!しかもその姿……!」

「あの子の内に居たのなら聞いていたはずだ。ここはゲームを元にした現実の世界だって。あの子が眠りに就いたことで修復力が働き、記憶は不自然がないよう改められた、彼以外のね」


記憶を改めるとかゲームとか、話についていけない。だけど少女の言葉が本当なら、俺の記憶は正しいということになる。

やっぱり菜子は菜子じゃなかったんだ。


「この世界の異物は君だ。君はここがゲームの世界だと信じているみたいだけど、ここはあの子が生きていた世界をある時から切り離し僕が作った、いわばパラレルワールドなんだよ」


世界を作る?パラレルワールド?

話がぶっ飛び過ぎて、何が何だかわかんねぇや。理解出来ない俺が馬鹿なのか、この二人が可笑しいのか。それすらも判断出来ない。


「そう、分かったわ……。あたしがこの世界で存在するためには、やっぱりあの子を消すしかないってね!あの子が居なくなればあたしが、あたしだけが桜川菜子になる!」

「そんなことはさせないよ!」


「行くよ、放さないで」と少女が俺の腕を掴んだ。視界が闇に包まれる一瞬、憎々しげに歯噛みする菜子が見えた。

瞬きする数瞬の出来事。次に視界に入ったのは、どこか一点を見つめる少女の姿だった。


「ここは?」

「こんなことになる前にあの子を目覚めさせたかったんだけど、全然僕の話を聞いてくれないんだ。だけど、あの子の特別な君なら、声が届くと思う」


少女が手を上げてスッと横に払うと、暗闇の中に何かが現れた。それは球体で、大きなシャボン玉みたいだった。

良く見ると、宙に浮いたシャボン玉の中には膝を抱えて座る菜子が居た。


「菜子!」

「待って」


掴まれた腕を引かれ、走り出すのを止められた。ここがどこかなんてどうでも良い。だけど、菜子を起こすために俺を連れてきたんだろう?

少女は小さく首を振った。


「ムリに起こすとあの子の心が消えてしまう、急いではいけないよ。確かに君を連れてきたのは、あの子を目覚めさせてもらうためだ。でも、君はあの子に言ったんだろう?「要らない」って。自分を否定した人の言葉を聞くと思っているのかい?」


俺は言葉に詰まった。何も言い返せなかったから。だけど、この衝動は抑えることは出来ない。早く菜子の笑った顔が見たい。抱き締めたい。そして自分の気持ちに嘘を吐いて菜子を傷付けたことを謝って、やり直しさせてほしい……。今度は俺からちゃんと言うから。

少女の探るような冷たい瞳を真っ直ぐに見た。


「君に知ってほしい事がある。あの子の前世について、この世界について。全てを知った上で選択してくれ。目覚めさせるか、このまま眠らせ、もう一人の桜川菜子の居る世界を選ぶか」

「……分かった、俺も知りたい。意味がわかんねぇんだよ。ゲームとか本物だの偽者だの。あそこで膝抱えてる菜子が俺の探していた菜子なら、全部受け止めてやるよ。過去も現在もな」

話を考えて文章にするって本当に難しいですよね……(ノ_-;)ハア…

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