009. 魔力操作
すいません。短いです。
もしかしたら、明日も短いかも。
毎日更新のほうがいいですよね・・・
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魔力攻撃。それを体得した者は報告されていない。
これまで、対魔部や冒険者の熟練者たちは、体内の魔力を意図的に強化外装甲や武器に刻印された魔導回路に流す、あるいはまとわせることで、強大な魔力を持つ魔物に対抗してきた。
一方で、魔物は人間よりもはるかに高度な魔力操作技術を持つと言われている。魔力障壁を張る。魔力を放つ。魔力を変換させ物理的な攻撃を行う。こういった操作を体の一部を扱うように使える。
魔力や魔法を放つことができれば、人類の魔力に対する理解は飛躍的に向上するだろう。
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拓斗は、魔力を放つことを第一の目標にした。魔力は実態があるわけではないが、そこにあることはすでに自明であるとされている。魔力で視力を強化すれば、拓斗には魔力が見えた。見えるといっても、実物がそこにあるというより、靄のような煙を上塗りした感覚に近い。見えることは、魔力を操作する上で、非常に大きいアドバンテージだ。
常時体内を循環させている魔力を見る。非常に流麗で繊細な流れを魔力が形作っている。線で網羅的に流れる血流とは異なって、面やおおきな川といった感じで隙間なく流れている。そして、重要な点が一つ。魔力が周囲に漏れ出している。いや、漏れているのではない煙のように薄れているといった方が近いかもしれない。
拓斗は、この周囲に溶け出す魔力を体内に押しとどめるように抑えようとするが、煙のように揺らめくだけであった。
発想を変えて、逆に魔力の塊を対外に押し出そうとする。が、靄になって薄れて周囲に溶けていってしまった。
難しい。
そう簡単にできたら、人類は今頃攻撃魔法を所かまわず撃っていたかもしれない。
何がどうあれ、試行錯誤するしかない。まだ、初歩初歩だろう。
拓斗はとりあえず、瞑想し、己の魔力を扱ってみることにした。そうすると、法則性が見えてきた。
力強く念じると形をとどめやすい。圧縮すると周囲に溶け出しにくい。魔力の形状の表面積が多いと溶け出しやすい。
そこで拓斗は、ボールというイメージを強く持ち、魔力濃度をできる限り圧縮して、手のひらから前方に放つことにした。
ーバキッ
前方にあった木の幹にひびが入った。
拓斗の目は、たしかに魔力の塊がそれなりの速度で射出され、木の幹にぶつかり霧散したのを捉えていた。
「できた・・・」
これが、魔力による攻撃《魔力攻撃》に値するかもしれない。なにせ人類では報告例のないものだ。拓斗が「これがそう」と言えば、そうなるのだろう。
拓斗は、ボール以外も試したが、やはり体積に対して表面積の比率が大きいと大きな威力は出せないようだった。魔力をより圧縮させるか、別の方法が必要だと思われた。
そこからは、直剣を応用して魔力の斬撃のようなものを出して練習した。やはり、薄い刃のような魔力では放った後に徐々に薄れてしまった。
魔力をどこからでも出せるように訓練することにした。
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次の目標は、魔力を抑えることだ。
魔力は体の外から周囲に溶け出しており、その変動が魔物に察知されてしまう。魔力の溶け出しをできるだけ減らして、魔物に察知されないようにするのが目標だ。
以前、拓斗は周囲の魔力を体に取り込み、周囲に馴染むことをしていた。以前の拓斗は魔力濃度が低いからこそできた芸当であった。魔力濃度が周囲より高くなった今、自分の魔力を制御することで周囲に馴染む必要がある。
拓斗は、とりあえず自分の体の中の魔力の循環をより強くすることにしてみた。魔力を流れに乗せ、体外に出るのを防ぐ。そんな考えだったが、少しうまくいった。
そこから、体内で魔力濃度の勾配を作ることにした。体の芯は魔力を圧縮し、体外周囲の魔力濃度に合わせて、徐々に薄くするのだ。
この2つにより、拓斗が纏う不自然な魔力は、自然に近いレベルまでカモフラージュすることができた。
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魔力を放出したり、抑えたり。拓斗は魔力の操作に集中を割かれ、普段のように滑らかな動作ができなくなっていた。
拓斗は、この魔力操作に慣れるまで、再び草食になることを強いられた。




