010. 山フィールドの攻略
今回も短いです。
長々と描写してもいいんですが、冗長になりそうなのでここで1章は終わりです。
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この広葉樹バイオームに来て何日が経ったのか。日数を数えてない拓斗にはわからない。
その日、ウサギを見かけたので再度チャレンジ。
矢がダメなら直剣を使うことにして、矢を放つ。矢には魔力を最大限に込めた。イメージは「貫く」。
矢が木々の間を通り過ぎ、ウサギに迫る。ウサギが視力で矢を認識し、魔力障壁を張るのがやや遅かった。
矢は、胴をその半分まで貫いた。直撃したのである。
ウサギが逃げようとするが、矢が動きを阻害しているようだった。
拓斗はすぐに駆け寄り、直剣で頭を落とす。やや土に叩きつけるようになってしまった。もっと切れ味のいい武器がいるようだ。
脚部を手で持ち、血を垂らす。ある程度で血抜きを終え、帰路についた。
拠点に戻った拓斗は、まな板にウサギを置き、解体用のナイフで皮を剥ぐ。これも相当な力が必要で、ナイフを魔力で覆って「切れる」イメージをつけて、何とか完遂した。
そろそろ、装備の更新、特にナイフや包丁といった生活道具を強化しなければ、刃がダメになるか、そもそも使えないことになってしまう。
国内最大の新宿ダンジョン、その奥地でとれる魔力素材を用いて装備をあつらえたら、現状最高峰のものになるだろう。
「鉱物と魔物の骨と魔核が必要だな」
拓斗は、頭のリストに書いて、ウサギの解体に戻った。
とりあえず、モモ肉を切り出す。ちょっと血まみれだが、ものすごくおいしそうだ。ほかの部位も切り出して、たらいにボトルの水を注ぎ、血を落とす。大分血が落ちたような感じだ。
もも肉以外の肉を残り僅かな塩をふんだんに使い、軒下に干す。多分これで、干し肉ができるはずだ。拓斗の記憶はすでにおぼろげだった。
いよいよメインディッシュ。もも肉を鉄のフライパンで焼く。この山で見つけた香りのいい草を干して粉にしたものを塩と一緒に振りかける。魔力が残っているためなかなか熱が通らないようだ。
今使ってるのは、地上では一般の鉄フライパン。火はこの山で拾った魔力が少し抜けている枝で熾している。火の魔力が足りないのか、あるいは肉の魔力が高すぎるのか。魔力を十分に持った生枝は燃えにくい。肉から魔力を抜くのはよくわからない。
拓斗は、逡巡したのち火とフライパンに魔力を注ぐことにした。
結果、フライパンが変形した。ちょっと魔力が乱れたらしい。
そのあと、いろいろ試行錯誤した結果。生枝に肉を刺して、魔力を注いだ火で炙るのがいい感じなことを発見した。
モモ肉をかじる。魔力があって噛みきれない。顎と歯を魔力で強化し、肉に対抗する。やっと普通の肉の感触になったところで、肉を噛みしめた。
「うまい」
肉汁がうまい。何がそうしているのか、よくわからないがとにかくうまい。
草原フィールドで食べたホーンラビットの肉とは異なる。魔力の質なのか、魔力の大きさなのか、あるいはそもそもの肉質なのか。
「うますぎる」
拓斗は今にも踊りそうな、高揚感と満足感を得ていた。
ふと思い出す。こういう時、以前はリスナーがいたんだったなと。2、3人しかいないほぼ固定のリスナーだったか不思議と居心地は悪くなかった。
ちょっと人が恋しくなった拓斗はそうそうに眠りについた。
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広葉樹バイオームの魔物は、大半が相手にならなくなっていた。大型のクマ型魔物でさえ、直剣と僅かな回避で翻弄し下した。
そこからの拓斗は、バイオームに適応し、探索して魔物を観察、装備と己を鍛え上げ、山フィールドを攻略していった。
各バイオームには広葉樹バイオームから持ってきた木材を使って拠点を築いた。
砂漠や泥沼などのバイオ―ムは、遠征として赴いて魔物を狩った。
そうやって、森フィールドを1周するように移動すると、山フィールドの浅瀬は攻略が完了した。
そうして、拓斗は山フィールドの奥地へと足を踏み入れた。
奥地で生活すること6年と少し。拓斗がこの新宿ダンジョンができてからとうに10年の月日が地上では流れていた。
明日はプロット練るかもしれないので、文章が短めかお休みなるかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
これからも無理なく続けようと思いますので、機会がありましたらお付き合いください。




