西の街へ
「お前さんたち、帝国へ行くのか。…帝国は遠いぞ。」
そういうと、その覚悟があるのかを見定めるかのように、賢者は目を細める。
「うーん、帝国につくかどうかはわからないけど、
とりあえずそっちに進んでみようって、言ってるんだよね。」
フウライは白ドラゴを見ながら、そんな風に答える。
もともと当てのない旅、途中で変わることだってあるのだ。
「そうか…何か目的があるわけではないのだな…」
賢者は毒気を抜かれたようにほおを緩める。
そして、フムというと、
「ならば、ここから西に行けば迷宮があるぞ。
なんでも面白いお宝が眠っているとか。」
先日村に来た旅人が食堂で語っていたのを小耳にはさんだのだ。
そういえば、鎖のマークのボタンをしていたな…あれは…
「ドラゴ、面白い宝だって!」
少し大きめの声は、賢者の考えを中断させたようだった。
フウライは目を輝かせ、両手を握りしめる。
「気になるなら、行ってみましょうか。」
フウライの好奇心を受け、白ドラゴも立ち寄ることに同意したようにうなづく。
「どんな宝だろ。」
フウライはワクワクを抑えられない。
「あらまぁ…
それを先に知ったら、面白くないでしょう。」
白ドラゴがあきれたように返す。
「そっか、そうだよね。」
言うなり、立ち上がって出かけるための身支度を始めた。
「せっかちねぇ…」
苦笑しながら白ドラゴも身支度を始める。
「もう少し長生きしてみるか…」
その様子をほほえまし気に見ていた賢者は、少しだけ希望を見つけた気がしたのだった。




