58
貴族の子息たちとケーキを食べたあの日から休日が来るたびに
スナップは出かけて歩くようになった
なんでも、約束は守らないといけないらしく
あちこちで美味しいご飯を頂いているらしい
ただ、どこのご飯を食べても
フリージアが作ったご飯が1番で2番はマリーのご飯だそうだ
ちゃんとお土産のお菓子を持たせて、お礼を忘れないように伝えた
あとは、自由にさせている
この前は学園長のところにケーキを持って行かせて
2人?で美味しく食べたそうだ
学園長からお礼の手紙が来た
ケーキのレシピを販売してはどうだ?と書いてあったので
迷わず登録した。
相変わらずお金は貯まる一方だった。
たまには寄付にでも回らないと、お金が世の中から消えるのでは?と心配になった。
父様とも手紙のやり取りは続けつつ
たまに、スナップに乗って自宅にも帰っている
私が全力で飛ぶより早いのだ、空間遮断で中の空気対策もばっちり
ちょくちょく帰ることで父様も仕事が捗るそうだ
こんな感じで平和な日常は過ぎて行ったのだった。
そんな中、夏休み到来
フリージアも自宅に帰っていたスナップとマリーと共に
ケンティフォリア殿下も城へ戻っていた
___________
王の寝室前の部屋に兄弟と王妃、そして側室と娘が集められていた
側室と娘はどこか関係なさげな感じだった
王宮の医師が状況を説明
要は、王様が床に臥せっているということだった
「王の病状はそれしかわかっていないのですか?治るのですよね?」と王妃が医者に聞く
「まだ、なんとも言えないのです。病の特定もできておりません。何せ城の鑑定士ですら病状が判明できませんで…」と汗をかく医師
「それで、王が不在の間の仕事を僕がしているんだね。まだ次期王になると任命も受けていないのに」と第一王子のブルーが言う
「ブルーは第一王子なのですから、当然です!」王妃がヒステリックに言った
「それで、貴族たちがごちゃごちゃ言い出したわけだな。」と第二王子のイングリットが腑に落ちた顔をしながら話す。
「何の話ですか?」ケンティフォリアが聞くと
ブ「ケンティフォリアは学園に居て知らないだろうから話しておくね、王が倒れてから城に勤める貴族たちが
フリージアのことを危険視し始めているんだ。
誰かが抜け駆けしても困る。国を出られても困る。力をつけすぎても困る。ってね。」
ケ「スナ…ドラゴンのせいですか?」
ブ「ああ、ドラゴンと獣魔契約なんて前代未聞だからね。今は学園に居るから、モーブ領も多少睨まれる程度で済んでいるのだけれど
でもね、ドラゴンが居なくてもフリージアは妬まれる存在だよ。存在そのものが歩く発明家、彼女が居れば使い切れないほどの大金が転がり込むことは周知の事実だからね。
現在でも、沢山の登録商品が彼女の名前で有るわけだし。
しかも、コンスタントにしょっちゅう新商品を出しているし
各学校の教科書ですら、今やフリージアの著書が多数を占めている。歩く百科事典と言っても過言ではないんじゃないかな」
ケ「そうですね、それなのに常に知識を求めている当たり底が知れません。凄い人です。」
ブ「僕の婚約者が入れ替わりそうなんだ。フリージアの父君が認めてくれないけれどね。」
ケ「兄様のお妃に…フリージアなら嫌がるでしょうね。権力とか統率とか嫌いですから。
学園でも一番生徒会に入って欲しいのに、断られました。研究の妨げになるからと
かといって全く関わらないわけではなく、困れば手を貸してくれますし。
ただ、無理に事を運べば…」
ブ「国を出ると言いかねないからね、彼女のお家は…。」
イ「父君から落とした方が早そうだぞ。あの家は、多分な」
王妃「お待ちなさい!いけません!平民などと!」
ブ「母君は口を出さないでください。」
王妃「な!母に向かってその口の聞き方は、なんですか!」
ブ「今、この国の現状を見ておっしゃっているなら話は聞きます。ですが、母君は血筋の問題を言っているのでしょう。
平民はダメ、貴族の位の高いものにしろと。フリージアが産まれた今その考えは通用しなくありつつあります。
彼女は、このまま行けば爵位を戴冠するでしょう。そうなるころにはきっと、伴侶が居ます。
それでは遅いのです。そこの領地が王都になるかもしれない。そのくらいの話なのですよ!
母君は政治をあまり理解してらっしゃらない!プライドだけで口を出すのは止めていただきたい。」
そう、この王妃様
王様が見た目だけで選んだお飾りなのです。
本来裏で貴族の奥様達をまとめ上げ政治を理解し巧く王を導いたり、いろいろしなければならないが全くしなかった
歴代から見ても、見た目だけの王妃様だったのです。
3兄弟は乳母が素晴らしかったお蔭でここまで育ったと言っても過言ではないのです。
側室様はその点、巧く娘を産み奥様達とのやり取りを
ただ、あまり目立てば生きてはいられないので大変巧く立ち回っておられるようです。
王妃様は顔を真っ赤にしてお怒りになり、部屋を出て行きました。
側室様と娘もこれで失礼と部屋を後にしたのでした。
ブ「フリージアを城に呼べないかな?」
ケ「王を鑑定してもらうつもりですか?」
ブ「ああ、私がまだ王になるのは早すぎる。今回の病気も不審な点が多すぎるんだ。
だから、王宮の医師が病名すら見つけられない。」
イ「貸が出来ちゃうんじゃないか?」
ブ「確かにそうなんだけど、今は王を元気にすることが最優先だと思うんだ。」
イ「確かに俺もそれは賛成だ。このままだとあのスライム達に戦争へ行けとか言われそうだもんな。俺」
(スライムとはハイエナと同じ意味で使われている言葉である。動物や魔獣などの遺体を綺麗に吸収するからである。)
ケ「ポピーに頼んでみる。」
ブ「頼んだよケンティフォリア。」
こうして、王族による家族会議は終了した。




