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こうして、フリージア達は中学部最初の魔獣討伐へやってきていた
王都の裏側には広大な森が広がっていた
転移門での移動となる。
先の未開の地がいつも魔獣討伐に使われていた。
小学部の魔獣討伐は、手前の森のたまに魔獣が出るという位置に弱めの魔獣を放ち行われることもある。
大人により、加減された魔獣討伐なのだ。
今回は未開の地へ入る。
入り口付近から半径5km圏内が授業で使う。
そこそこ洞窟やら、岩場、森林、草原、湖など多様な魔獣に会える場所となっていた。
魔獣討伐には冒険者が引率につき
生徒のサポートをする。
命にかかわることにだけ手を貸し
それ以外は、強い魔獣への周辺警戒程度だった。
最前列のケンティフォリア殿下といつもの貴族子息たちは静かに周辺警戒をしながら静かに眉をひそめていた。
その後ろの生徒が特に緊張することなく
わいわいがやがや、ピクニック気分だったのだ。
真ん中あたりの
フリージアとポピーは周辺を警戒しながら進んでいた。
魔獣討伐には貴族の女子ももちろん参加
キャッキャウフフと楽しそうだ。
最後尾の冒険者も呆れ顔だった。
たかだか、10年とちょっとしか生きていない子ども達だ
死が身近に感じられていないのも仕方がないのかもしれない。
彼らは貴族。
万が一街に魔獣やら適兵が現れたら、先頭に立ち戦いを指揮する立場なのだ。
どんな時にどんな行動をとるか
考えるべきだろう。
商家の子どももそうだ、輸送中や行商中に襲われたと想定するならば
行動は然るべきなのだ。
毎年恒例の教師の説教が後に待っているということをフリージアは容易に想像できた。
「これは長そうですね。」
「そうですわね。」
「何か来ます。」
「警戒します!」
フリージアが探知。ポピーがフォローで声を上げる。
2人から距離を取る生徒たち。
ざわざわと離れ、何々?と意味が分かっていない
フリージアがすっと手をあげ
「周辺警戒!ワイバーン数は3です!こちらに向かって飛んでます!」
ワイバーンとは恐竜のような見た目のコウモリのような羽を持つ大型の肉食の魔獣だった。
焦りつつ、嘲笑うように
「なんでそんなこと、わかるのよ!」
イライラしたように、叫ぶ貴族の少女
「攫われたくなかったら、下がって先生のシールドに入れて貰って!邪魔よ!」
フリージアが叫ぶ
「嬢ちゃん無理だ!ワイバーン3体だぞ!撤退すべきだ!」
「全員帰還するまで間に合いません!来ます!退避させる生徒を急がせて!
命が惜しくない人は手伝ってください!」
先生たちが素早くシールドを展開
生徒を退避させつつ、帰還の魔法陣を展開
ただし、時間が少しかかるのだ
その間にワイバーンが迫る
生徒が固まるあたりに目掛けて、鋭い爪を伸ばす
フリージアとポピーは身体強化で走り助走をつけて、ジャンプ
2人で交差するように飛び交い、ワイバーンへ短剣から風の刃を飛ばす
ワイバーンはひらりとかわすため、生徒の塊へ向かう方向をそらした
ただ、2体は空中でこちらを確認している。
帰還を少しずつ済ませている間、まだまだ時間稼ぎが必要だった
それに、転移門を使ったとはいえ
ここは、未開の地の端っこ
討伐できなければ、こんどは王都から討伐隊の編成が必要になる。
一番近い農村の家畜もしくは人が狙われるのは間違いないのだ
「ポピー!1体引き付けられるー?」
フリージアが大声で聞く
「ええ!お任せくださいな!」
ひらりとワイバーンを躱しつつ距離を取る
「君たちだけに良い恰好はさせないよ。」
ルイがポピーに並ぶ
赤毛の双子も飛び出して
「「もう1体も引き付ける!任せろ!」」
「頼もしいですわ。任せました。私は試したいことのついでに1体倒してまいります。
頭上注意も怠らないでください!」
そう言って、空を飛んだ!
「フリージアったら!いつ飛べるようになったんですの!」
疑問を口にしつつ目の前のワイバーンを引き付ける
距離を取りすぎないように右へ左へ躱しながら風の刃を飛ばし続ける
ルイも加わりワイバーンを怒らせつつ集中させる
イライラしたワイバーンは足をダンダンと踏み鳴らす
「グーーー!!!」
と威嚇の叫びを上げて2人を狙う
もう1体も赤い髪を狙って滑空してくる
引き付けながら走り出す双子
炎の魔術をグングンと練りながら
少しづつ炎の弾をワイバーン目掛けて放つ
そんなものなんてことはないとワイバーンは無視して双子へ向かう
横から氷の針がワイバーンを攻撃
ルリトだった
「加勢する」
空の上のワイバーン目掛けて、試したかった魔法を使うフリージア
「やった、飛べるじゃん。」
そう、前世で観たヒーローのようにビュンビュンと空を飛べるんじゃないかってずっと思っていたのだ
高みの見物中のワイバーンに
「自宅に帰るなら攻撃はしない!このまま向かってくるなら容赦しないから!」
叫びながら近づくフリージア
魔獣であるワイバーンには言葉は通じない
美味しそうな女の子が自ら飛んできてくれたのだ
大きくお口をあけて食べる準備だけ万端だった
ギュインと急にスピードを上げて後頭部へ回り込み
かかと落としを叩き込む
身体強化と重力を倍にするイメージからのかかと落とし
ワイバーンは軽い脳震盪からふらりと高度を下げる
その瞬間をフリージアは見逃さない。
ミスリルで出来てるさっきの短剣に鋭利なダイヤモンド刃をイメージして
ワイバーンはの首を掻っ切る
ズバッと手に何かが切れる感覚が走り
大きな目の前の魔獣が地面に向けて落下が始まる。
下に別のワイバーンが飛ぶのが見える
これぶつけた方が加勢することになるのか…魔獣の素材としての価値を天秤にかける
死んだワイバーンに重力を六分の一に月のイメージ
ゆっくり落ちだしたワイバーンに冒険者が目を見張る
皆様、呼んでくださりありがとうございます。
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ありがとうございます!ありがとうございます!




