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パニカムはイライラしていた。
男の友達が来ただけでも腸が煮えくり返りそうなのに、王子ときた
普通の平民なら追い返すことも簡単だ。
王族はそうはいかない。貴族でも厄介なのに…
娘の可愛さにメロメロなパニカムは不安で仕方無いのだ。
別に婚約させてくださいなどと言われたわけではない。
フリージアは人並みなので、そんな話は無いのだが
ギフトがギフトだけにどんなところから無理難題が来るか分かったものではないのだ。
パニカムはフリージアを守りたかった
ただの杞憂ですけど
テラスの見える応接室へ行くわけにもいかず
熊のようにウロウロするばかりだった。
「それでね、テスト前はだるまさんが転んだをしたの」
「私とフリージアちゃんは兵隊さんが通るが良かったんだけど、だるまさんが転んだに
決まっちゃって」
「坊さんが屁をこいたって言い回しもあったの。黙っててよかったわ。」
「フリージアちゃんナイス!」
「はははははっ」
「男の子は下品な言葉好きだから」
「は、はー。私は好きじゃないぞ」
「平民と貴族は育ちが違いますから」
「そうかもしれないですね。そこがまた縛られてる感じがするかも」
「ポピー嬢、確かにそうだね。あれはダメこれはダメと言われるから縛られるんだね」
「でも、必要なことですよ。王族が下品だと国民は全員下品な国の人って言われてしまいます。」
「でも、今度は私も遊びに参加したいな。」
「学園ならいいんじゃないの?」
「学園なら…。」
「学園なら平等です。鬼ごっこも楽しいですよ。」
「そうだね。ポピー嬢、遊ぶときはぜひ誘って欲しいんだ。」
「わ、わたし?…誘いたいんだけど…」
「それなら、任せて!私、自由だから!」
「フリージアちゃん強い!」
「ポピー嬢は誘ってくれないの?」
「ポピーのお家は商店、私の親は商会の会頭
一応、私の方が貴族に睨まれても怖くないからですわ。」
「そうなんだね。ぼくはそんなことも知らないんだ。」
「殿下の事は、皆が知っています。平民一人の背景まで殿下が全てを知るのは無理だと思います。」
「でも、今日はこんなにも楽しい時間が過ごせた」
「この程度でこんなに楽しいなら、平民の暮らしは自由すぎるかもしれませんわね。」
「そうですね。びっくりしちゃいますよきっと。」
「そういうものですか?」
「ええ、そういうものです。」
にっこりと微笑む2人も小さなレディを見て心が暖かくなるのを感じたケンティフォリアだった。
「殿下、そろそろ時間です。」
「ああ、わかっているよ。」
「お帰りですか?」
「ああ、次の予定があるんだ。」
「もっとゆっくりできればよかったのにね。」
「そうね、またどうぞ」
「ありがとう、フリージア嬢 ポピー嬢」
玄関まで王子を送ったあと
「ねぇ、ポピーこれから外で遊ばない?」
「いいね~フリージア、何しようか?」
「木登りしてみる?」
「お嬢様、いけません。」
「あ、ランジア。いいでしょ。着替えるから」
「ダメです。怪我したらどーするんですか」
「落ちたらちゃんと怪我しないように、魔法使うから大丈夫!」
「尚更ダメです。」
「ええー!どーしてよー!」
「ダメです。女の子なんですから、安全に遊んでください。」
「じゃあ、ポピーパジャマパーティーしよう!」
「パジャマパーティー?」
「お泊り会よ!」
「いいの?」
「ランジア家の中で遊ぶから今日はポピーお泊りしてもいいよね?」
「ポピーさんのお家には連絡してまいりますね。」
「「やったー!!」」
それから、フリージア達の楽しい時間は瞬く間に過ぎたのだった。
「フリージア、お友達ができたら父様はいらないのかい…」
「旦那様、気持ち悪いですよ。」
「クロムウェル、ひどくない?」
「ぶつぶついいながらずっと、フリージアお嬢様の録音聞いているんですから
気持ち悪いですよ。」
「もう、寝る。」
「仕事残ってるでしょ。仕事。」
「今日はもう、無理。」
こうして、寂しいパニカムの夜もゆっくりと更けていくのだった。
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