俺「死後の世界?」 ゆり「あるがままを受け止めなさい。」
2話目です。いつも通りのグダグダです。
俺が死んだ世界戦線の参加して、数日が過ぎた。
俺は、戦線のリーダーことゆりっぺにギルドというところを案内されていた。
「なあ、ゆりっぺ。」
「何?布津くん。」
「俺ら以外に学校を普通に過ごしている奴いるんじゃん。あれも、理不尽な人生を送ってきたのか。」
「いいえ、あいつらはNPCよ。」
「NPCにしては感情あるな。」
「良く出来てるは、この世界は。」
俺たちは地下を歩く。周りを見ると何やら作業をしていた。
「着いたわ、ここよ。」
ゆりっぺが扉を開ける。
「ああ、ゆりっぺ。その男誰だ。」
そこには一人の男がいた。
「チャー、彼がこの前話した子よ。」
「おお、こいつがか。」
チャーと呼ばれる男は、俺の前に立った。
「えっと、布津です。よろしくチャーさん。」
「ああ、よろしく。」
「じゃあ、チャー。あとは任したわ。」
ゆりっぺは、バイバイと手を振ってその場を後にした。
俺とチャーさんはふたりでテーブルを囲んでいた。
すると、チャーさんはひとかたまりの土をドンっとテーブルに置いた。
「土?」
俺の頭の中は、?マークだらけだった。
すると、チャーさんは土をこね始めた。
目を丸くする俺にチャーさんは「まあ、見とけよ。」と言った。
何時間たったのだろう。よくわからない。
うつらうつらと俺の頭が揺れる。
「おい、起きろ。できたぞ。」
チャーさんが俺の頭を叩く、俺はチャーさんの手の中にあるやつを見て驚いた。
「え、釘?さっきの土が…。」
「ああ、なんでもここの世界では、記憶していて強い思いがあると簡単なものなら作れるらしい。」
「え、じゃあ。みんなが持ってた銃とかも。」
「ああ、俺やギルドのメンバーが作ったものだ。」
俺は開いた口がふさがらなかった。
「数時間で釘一本。拳銃を作るのに何時間…いや、何日かかるんだ。」
「まあ、お前を呼んだのは拳銃を作ってもらうためじゃない。」
「え、じゃあ何を作ればいいんだ。」
俺は、キョトンとした声で聞いた。チャーは俺の肩に手を乗せた。
「お前は剣術の使いってだったんだよな。」
「ええ、まあ。」
「俺はな、拳銃の知識はあるんだが。刀のほうは詳しくわからなくてな。」
「つまり、自分で使う刀は自分で作れと。」
「まあ、そんな感じだ。」
「チャーさん、これは鉄以外にも作れるのか。」
「ああ、強い意志があればな。ここにある土は自由に使ってくれていい。」
「ありがとう、チャーさん。」
俺は、生前自分の使っていた刀の形状を思い出す。
手に水をつけて、こねる。
どのぐらいの時間が過ぎたのかわからない。ただひたすら土をいじる。
チャーさんも、俺がいじっているのを真剣に見ている。
少しづつ、刀の形になっていく。
コンコンと扉をノックする音が聞こえる。
チャーさんが扉を開ける、その音で俺は人が来たことに気づいた。
「おっやってるね、布津くん。」
おにぎりをお盆にたくさん乗せた大山が「ご飯どう?」と持ってきてくれた。
「ありがとう、大山。もらうよ」
俺は大山からおにぎりをもらい。頬張る。
「ん、美味しいな。サンキュー大山。」
「うん、ありがとう。そっちはどう?ゆりっぺが新しいオペレーションの案でたから来れないかって。」
「あ~。遅刻した場合はどうなるんだ。」
「え~と、大丈夫だと思うよ。先に武器を作ることに専念してって。」
「そうか、できるだけ早く作るよ。ゆりっぺに伝えてくれ。」
「わかった。じゃあ、頑張ってね。」
大山がギルドを去ってから、また数時間が立った。
俺は、できた刀を光にかざす。
「出来たのか。」
俺はチャーさんに刀を渡す。できた刀は小太刀よりも長く、普通の太刀よりも短い刀だった。
「チャーさん。俺、できました。」
「初めてにしては上出来だな。いい刀だ。」
「チャーさん、ひとつ頼みがあります。」
チャーさんは俺に刀を返して、ポリポリと頭をかく。
「なんだ。」
俺は申し訳なさそうな顔でこう言った。
「ギルドの出方、わからないんで道案内をしてくれませんか。」
俺はチャーさんと一緒にギルドを出るときに、こんな話をした。
「チャーさん、野田のハルバードもここで作ったのか?」
「いや、ギルドの地下に武器庫があってそこから持ってきたらしい。」
「そんなのあるのか、この世界は。」
俺は目を丸くした。
(それってつまり、何年も前から天使と戦っていた奴がいるってことか。)
「ここまで来ればもういいだろう。」
チャーさんは「じゃあな。」と言って、ギルドに帰っていった。
俺は校長室の扉をノックする。
「神も仏も天使もなし。」
俺は、校長室の前で呟く。
「入っていいわ。」
ゆりっぺの合図で、俺は扉を開ける。
「できたのね、その刀。」
ゆりっぺが満足そうに俺の刀を指差す。
「ああ、悪い。遅れてしまった。」
「別に構わないわ。このオペレーションはあなたがいないと成り立たないわ。」
「ほかのメンバーは?」
「まだよ。あなたが来てから召集をかけようと思ってたから。」
俺は近くにあった椅子に腰をかける。
「なあ、ゆりっぺ。」
「何?」
「俺が初めて天使に会った時、手からナイフのような物が生えたんだけど。」
「ああ、あれね。あれは天使が持つ能力みたいなものよ。」
「能力…か。」
「私たちが今のところわかっているのは、あなたが見た手からナイフが生えてくる『ハンドソニック』
銃弾を弾く『ディストーション』の二つ。」
「『ハンドソニック』てやつは両手持ちできるのか?」
「できるわ、ちなみに『ディストーション』で弾けるのは銃弾だけよ。椎名さんのクナイとかは『ハンドソニック』で対応してたから。」
俺は手に顎を乗せ考える。
「ゆりっぺ。もしかしたら、天使の倒せるかもしれない。」
俺のこの発言にゆりっぺが驚く。
「ほんとに、倒せるの天使を。」
「ああ、ただし一回だけだ。それと、ひとつ確認しておきたい。椎名さんは、俺と同じぐらい強いのか。」
「ええ、少なくとも野田くんよりは強いは。それにあなたと同じで拳銃を使わないわ。」
「そうか。なら、簡単だな。」
ゆりっぺが戦線のメンバーを集める。
部屋が暗くなり、目の前のモニターに映像が映る。
「今回のオペレーションは、夜に行うわ。まず最初に、ふたりで仲良くお喋りをしてしてもらう。
そうしたら天使が現れるはずよ。『就寝時間よ、部屋にもっどて』ってね。そしたら、それを拒否するの。『やってられっかーっ』て具合に怒鳴り散らしてね。そして、天使に攻撃。もちろん天使もハンドソニックで応戦してくるわ。発砲音を合図に、各場所で待機していた者が応戦。天使を倒すわ。」
「でも、ゆりっぺ。」
日向がゆりっぺに質問した。
「天使にはディストーションがあるじゃねえか。」
「そのところは、布津くん。説明をお願い。」
「なんだ、新入りの癖に天使を倒せるとでも言うのか。」
野田が俺にハルバードを突きつける。
俺はハルバードをどかして、ゆりっぺの前に立つ。
「俺の剣術の中に、天使を一回だけ倒せる技がある。」
俺の発言にメンバーが驚きの声を上げる。
「だが、本当に一回きりだ。それも、椎名さんの協力だ必要だ。」
俺は椎名さんの方を見る。
「大丈夫だ。力を貸そう。」
椎名さんからの了解が出た。俺は作戦の内容をみんなに伝えた。
「まず、倒せる技の説明する。この技は『虚実裏合わせ(きょじつうらあ)』という技で、二人でないとできない。俺は椎名さんの後ろに背を低くして、一直線に天使に向かっていきます。天使から見ると、椎名さん一人に見えると思います。」
「ガン〇ムでいうとジェットストリームアタ〇クみたいなものか。」
野田が声を上げる。
「んー、その説明で何人の人にわかるかわ知らないけど。そんな感じだな。」
「まず、椎名さんが小刀で天使に攻撃します。もちろん天使は、ハンドソニックで対応します。その瞬間、俺が椎名さんの陰から体を出してこの刀でブスっと。」
ある程度の説明が終わると日向が手が挙がる。
「なあ、それって椎名っちがやらなくてもいいんじゃねえの。たとえば、野田じゃだめなのか。」
「野田のハルバードだとハンドソニックで対応よりは、距離を取る行動の方が高い。」
「じゃあ、藤巻のドスじゃだめなのか。」
「この技は、とっさにナイフでの対応じゃないと意味がなくなる。冷静に判断されると無理だ。」
「なるほど、それで攻撃のタイプが似てて身体能力的にも椎名っちなのか。」
日向が納得した顔で俺を見る。
「さあ、アホな日向くんはほっといて、オペレーション実行日は三日後よ。」
「誰が、アホだ。ちょっと疑問に思っただけだろ。」
ゆりっぺは日向の発言を無視して説明を続けた。
「各自、練習に励んで。以上。」
ゆりっぺの解散の一言を聞いて、メンバーが各々の校長室を出る。
俺が椎名さんと確認を取ろうとときに、日向が声をかけてきた。
「おい、布津。」
「なんだ、日向。さっきの説明じゃわからなかったか。」
「お前まで、俺をアホ呼ばわりするのか。」
「いや、普通に。」
「まあ、そのことはいいや。」
日向は俺の肩に手を回して、耳元で囁いた。
「なあ、椎名っちは確かにあれだが。普通に女の子だぜ。頑張れよ。」
「はあ、言ってる意味がわからん。」
日向は俺の発言に肩を落とし、ため息をつき校長室を出た。
俺は椎名さんに再度確認を取るために声をかけた。
「椎名さん、と言う訳なんだけど。大丈夫か?」
「大丈夫だ。それよりも日向と何を話してた。」
「別に、なんでもない。」
「あさはかなり。」
「なんでっ!!」
椎名さん、たまに訳がわかんないこと言うよな。
俺は椎名さんと練習する場所を探していた。
「なあ布津。ここらへんでいいじゃないか。」
「そうですね。じゃあ、もう一回説明しますね。」
「いや、実戦した方がわかりやすい。」
「そうですか。じゃあ、始めますか。」
俺は木にサンドバッグを吊るす。
椎名さんがまず前傾姿勢を取る。その後ろでピッタリとつく。
ここで、俺は大変なことに気づいた。
俺の身長は185センチで椎名さんの身長は推定168センチぐらい。つまり俺はかなりの低姿勢なんだ。
(やばい、この姿勢はとにかくまずい。)
「椎名さん、練習を始める前にひとつお願いがあるんですが。」
「なんだ、布津。」
「えっと、スカートではなく。ズボンを履いて欲しいですけど…。」
椎名さんは首を傾げる。
「どうしてだ。こちら方が動きやすい。」
「じゃあ、丈の長いスカートを履いてください。」
「短いほうが動きやすい。」
「でも、その見えるんですけど…。」
「何がだ。」
「いえ、もういいです。」
そのあとも俺は椎名さんと練習を続けた。
日が暮れて俺と椎名さんは校長室に戻った。
俺が扉を開けるとゆりっぺが知らない女子生徒二人と喋っていた。
(制服はゆりっぺが着ているのと一緒だから戦線メンバーだろうけど。)
「あ、おかえり。練習どうだった。」
ゆりっぺが俺と椎名さんに気づく。
「えっと、ゆりっぺ。」
「ああ、布津くんは初めましてだったわね。こちら、戦線の陽動メンバーの岩沢さんとひさ子よ。」
「陽動部隊?」
俺はゆりっぺに質問した。
「そうよ、オペレーション中にNPCに危害が及ばないように彼女たちに集めてもらってるのよ。」
「へ~。」と返事を返して俺は椅子に座った。
座った途端に異常なまでの睡魔が俺を襲った。俺は夢の中に落ちていった。
「ねえ、悠ちゃん。」
懐かしい声だ。やさしくて、おっとりとしていて。
「なんだ、志乃か。」
志乃は頬を膨らませる。
「なんだとは何よ。なんだとは。」
志乃は手に持っていたお弁当をチラチラ俺に見せてくる。
「せっかく、お弁当作ってきたのにな~。」
「悪い、お前の作ってくれたお弁当を食べたい。」
「いつものは?」
「はいはい。好きだよ、志乃。」
「なんか、作業的になってない?」
俺と志乃は同じお弁当を食べながら話をする。
「ねえ、悠ちゃん。最近、剣術の方はどうなの。」
「まあまあかな。」
「あ、その適当な返事。」
「実際のところ俺にもわかんないの。」
懐かしい日々。いつもどうりの日々を俺たちは送っていた。
なのに、それなのに――。
「―え。ねえ、布津くん。起きて、布津くん。」
俺は自分の体がゆさゆさと揺さぶられていることに気づき、目が覚めた。
ゆりっぺが俺の顔を覗き込んでいた。
俺は涙を流していることに気づき、手で拭う。
「何泣いてるのよ。」
「夢見てたから。懐かしい、いい夢。」
「寝るんだったら、寮の自分の部屋で寝てよ。」
「ああ、そうするよ。」
俺は校長室を出て、自分の寮の部屋に戻った。
部屋に入って、ベッドに寝っ転がる。
基本的に寮の部屋は二人でひと部屋なんだが、俺はひとりで部屋を占領している。
俺が戦線に入って次の日のこと。俺はこの世界が全寮制だと知り、さすがにNPCと一緒はまずいので日向と一緒に校長先生に交渉しにいった。
「校長先生、今大丈夫ですか?」
日向が気を付けの姿勢で言った。
俺は隣で(え、なんで校長先生が生徒が使う椅子や机に座ってんの。)と疑問に思うしかなかった。
「その、こいつの部屋のことなんですけど…」
日向が俺の体の肘でつく。俺は台本通りに校長先生に言った。
「えっと、校長先生。俺、体に大きな傷があるんですけど…。その、ルームメイトに見られてるのがちょっと…。」
校長先生が、納得したように手を叩いた。
「わかった。君の部屋のムールメイトを事情を説明して、部屋を変えてもらおう。」
「あ、ありがとうございます。校長先生!」
「やったな布津。」
日向が笑顔で言った。
そんなこんなでルームメイトに事情を説明して、別の部屋に移ってもらった。回想終わり。
「さて、今日の分やっとくか。」
俺は机の上にある裁縫道具を持ってきて、ベッドの上でチクチクと縫い始める。
寮への移住が決まり、次の日に家庭科の先生に頼んで裁縫道具一式を借りている。
俺は昔やっていた手を器用にするためにヌイグルミを作っていた。
「あ~、今日の分終了~。」
俺は二頭身モデルのクマの頭を机に置いて、ベッドに横になって寝た。
オペレーション開始まで あと二日――。
読んでいただいて、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。




