冒険者としての仕事
翌朝。
リヒトはエレナに起こされ、宿の一階にある食堂へ向かった。
朝食を済ませると、二人は街の中心部へ歩き出す。
「今日は冒険者ギルドに行くわ」
「冒険者ギルドですか?」
「依頼を受けたり、討伐した魔物の素材を売ったりする場所よ。冒険者として活動するなら、必要になる施設ね」
街の中心に近づくにつれ、人通りが増えていく。
やがて、剣や槍、杖を持った人々が出入りする大きな建物が見えてきた。
入り口の上には、剣と盾を組み合わせた紋章が掲げられている。
「ここが冒険者ギルドよ」
中に入ると、広い空間に多くの冒険者が集まっていた。
受付の前には列ができ、壁には大量の依頼書が貼られている。
酒場のような場所では、冒険者たちが食事をしながら談笑していた。
「想像していたよりも賑やかですね」
「街によって違うけれど、ここは比較的大きなギルドだから」
エレナは受付へ向かい、依頼を確認する。
その間、リヒトは壁に貼られた依頼書を眺めていた。
薬草の採取、魔物の討伐、護衛、荷物の運搬。
仕事内容は多岐にわたるようだ。
「冒険者にはランクがあるのですか?」
「あるわ。基本的にはFからSまで。実績や実力に応じて昇格していく仕組みよ」
「ランクによって受けられる依頼も違うのですね」
「そういうこと。無理な依頼を受けて命を落とす冒険者もいるから、ランクは重要よ」
エレナは受付で依頼を受け取ると、リヒトに声をかけた。
「今日は薬草の採取と魔物の討伐よ。荷物を持ってついてきなさい」
「分かりました」
ギルドを出て、街の門へ向かう。
門を通過すると、そこには街中とは違う景色が広がっていた。
草原の向こうには森があり、遠くには山々が見える。
リヒトにとって、この世界の自然をじっくり眺めるのは初めてだった。
「ここからは周囲をよく見ておきなさい。魔物はどこにいるか分からないから」
「はい」
エレナは周囲を警戒しながら歩き始める。
リヒトも彼女の後を追いながら、周囲の地形や足元を確認した。
前世では弁護士として机に向かう時間が多かった。
だが、今は違う。
ここでは知識だけでなく、生き残るための経験が必要になる。
リヒトは初めての冒険者としての仕事に、静かに意識を集中させた。
【読者のみなさまへお願い】
もし「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、
ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、執筆の凄まじいモチベーションになります!
ブックマーク登録もぜひよろしくお願いいたします!
誤字脱字を見つけたら報告していただけると大変うれしいです!




