第十六話
やべぇ。六人のグループに招待された後、特に何の操作もせずに寝てしまった。
朝起きて、開きっぱなしだったメッセージが大量に更新されていることで、ようやく気付いた。
【おい、お前がグループに入らないと計画が進まないんだよ】
【既読ついてんのは分かってんだぞ、さっさとグループ入れよ】
【何やってんだよ】
という堤谷の怒りのメッセージが立て続けに入ったあと、
【あ~、これは、画面開いたまま寝てるな。明日の朝まで無理だ】
という和樹のメッセージが俺の現状を的確に言い当て、
【マジかよ。もう、俺らで決めとくか】
【ま、いいんじゃないか】
という諦めの言葉の一時間ほど後に、
【予定決定!明日学校でちゃんと話すけど、明後日七時半に渋谷集合な】
と堤谷から一言送られて、会話は終わっていた。
何が名探偵だ。
多分、眠すぎてほぼほぼ何も考えられなくなっていたに違いない。
学校についたら、和樹にスッと一枚の紙を渡された。
分かっている。お前はいつも、完璧な計画を作ってくるって知っている。
でも、幾らなんでも早すぎるんじゃないか?!
そこには、タイムスケジュールが書いてあった。
07:30 渋谷集合
09:00 入園→自転車レンタル
09:30 花畑
11:00 早めの昼食
12:30 花畑・遊具
15:30 早めの夕食
16:30 自転車返却
17:30 退園
18:30 渋谷解散
花畑とご飯の予定しか無くないか?とは思うが、これ位が丁度いい。
予定でギチギチにしていたら、想定外の事になった時にイライラするからな。
ご丁寧に、下に持ち物まで書いてある。
~持ち物~
交通系IC(4000円)・タッチ決済(2000円)・モバイルバッテリー・学生証
スマホ・ハンカチ・タオル・ティッシュ・上着・帽子・ゴミ袋・リュック・1万円札
レジャーシート(友井・堤谷)・トランプ(赤坂)
だそうだ。
入れておいた方がいい残高の目安まで書かれている。さすがは和樹。細かい。
一万円札と言うのは、俺と和樹が外出する時のお約束だ。
何でもかんでもキャッシュレスになって来てはいるが、通信障害もあるし、仲介の決済会社に手数料を取られたくない店では取り入れてない事もある。
特にGWなどの混雑時には、ピンポイントで通信できなくなることもある。その為の現金だ。
レジャーシートは、割と重いから二人が持っていくって言ったんだろう。
んで、いつの間にか俺の担当になっているトランプは、時間が余った時用だな。
ボーっとするのも良いけど、ずっと話す内容なんてなさそうだしな。
あと、早めの夕食にしてくれているのは、多分俺のためだ。
この時間ならどれだけ食べていても、帰って母さんの晩御飯が食える。
やっぱ和樹って、俺のこと思ってくれているよな~。なんて。




