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俺が俺に惚れてる  作者: たなかそう


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第十五話

六時間目が終われば、部活だ。

結局、GW(黄金週間)の計画は何事もなく消え去った。


と思ったのに、その日の夜に堤谷からメッセージが届いた。


【水流ちゃんから連絡。俺らと水流ちゃんの友達と六人でお出掛けしませんかって。】


は?何で断らずに報告して来るんだよ。

そんなん、もう既に付き合っている奴らがやることじゃねぇか。

何で、俺が水流さんに告られたからって、そんなこと……


【女子と行くなら、大きい公園とかなら広くて花も咲いてていいんじゃないか?】


……は?

え?このメッセージ、和樹からだよな。

え?あれ?

和樹は行く気満々なの?!


何故だ。

やっぱり和樹は、俺に惚れている訳じゃないのか?


【さすが、出来る男は提案が早いな!じゃ、俺から彼女らに提案してみるわ】


話がトントン拍子に進んでいく。

俺が返事してないのに勝手に決めんなよ。学校での堤谷の気持ちが分かった気がする。

俺がリアルタイムでメッセージを見ている事は、既読(マーク)が付いている事でバレているので、反対しないということは同意したと同義(イエス)だと思われているんだろうけど。

でも、一回くらい俺の返事を聞いてからにしろ!


【六人のグループ作ったから、二人も招待するわ】

【ちなみに、水流ちゃんの友達は、

 うちのクラスの木谷(きたに)未来(みく)と、

 男バスのマネージャーの菖蒲(あやめ)(はる)な】


木谷は、クラスメイトなので何度か話したことがある。

確か、和樹の事が好きだって噂を聞いた事がある。というか、前に一度告白されて断ってなかったか?中学の時に。

そして、菖蒲は昨日、俺を呼び出したマネージャーだ。


……いや、自信過剰で申し訳ないが。

二人が俺狙いで一人が和樹狙いでは?

堤谷、完全に利用されているだけじゃねぇか。それでいいのか?


【了解】


和樹が即行でメッセージを返す。

いや、マジで乗り気なの何?いつも、女に対してめちゃくちゃ冷たいよな。何があった?


もう、俺はどうしていいのか分からず大混乱だ。

とりあえず、落ち着こう。

俺は和樹の気持ちが分かるはずだ。だって、前世の俺なんだから。


俺が、前世の俺(和樹)だったとする。

惚れている稔が、女に告白された。稔はちょっと嫌がっている。でも、相手の女はぐいぐい来ている。友人の堤谷も仲を取り持とうとしている。

そんな状況で、前世の俺(和樹)が、稔とその女を付き合わせたいと思う理由は?


ピコーン! ――閃いた!


和樹は、()と水流さんを付き合わせることで、()に対する恋心を諦めようとしているんだ。

これだ。間違いない。名推理!

名探偵も顔負けの推理だ。


俺は名推理に満足して、そのまま気持ち良く布団に潜り込み、ぐっすりと眠りについたのであった。

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