第十二話
「っていうか、水流ちゃんがこういうの珍しくね?普段は、もっとスポーツ系の特集に出てるよな。ミニスカも似合ってるわ~」
堤谷は興味深そうに和樹の持っている雑誌をまじまじと見る。
ダメだ。不潔だ。気持ち悪い。
「飯食ってる時に雑誌なんか見んなよ。汚れるから仕舞えよ」
ちょっと強めに声をかけてしまった。
堤谷は驚いたようにこっちを見てきたが、和樹は普通に仕舞っていた。多分、俺が嫌なのが分かっていたんだろうな。
「おいおい。マジでダメなん?ホントにDKかよ」
茶化すように言う堤谷を無視していたら、それ以上は突っ込んでくることはなかった。
その代わりに、尋問が再開された。
「とにかく。この学校じゃ、水流ちゃんは有名人なの。で、そんな相手に告白されて、連絡先交換したくせに、昼休みに弁当一緒に食おうって言われて断った上に、泣きそうな顔して去っていく水流ちゃんを慰めもせずに和樹とイチャイチャしている勇者なわけだよ。赤坂君は」
堤谷はさっきまでとは違って、疲れたように言う。
そんなこと言われても。断らなかったら、俺は大好物を食い逃すところだったんだぞ。
『終わり良ければすべて良し』ではないか。
「ってか、いきなり言われて承諾する方がおかしいだろ」
俺の正論に、堤谷は何故か『ダメだこりゃ』と言って首を振っていた。
結局、それ以上は話の発展もなく、昼休みギリギリまで弁当を食べて終わった。
さっきの様子だと、放課後に一緒に帰ろうというのも諦めてくれただろうから、無理に断りの文句を考えなくても良いかと気が楽になった俺は、解放された気持ちで午後の授業を堪能した。




