表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紡ぎの剣 〜見えない糸を断つ者〜  作者: つるぎまる
第四章『境界へ至る』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
85/105

第八十五話「黒水晶の祠」

ここまでお読みいただきありがとうございます。


ついに蒼真達は祠へ辿り着きます。


長く続いた旅の先に待つものは何なのか。


そして、見えてきた真実とは――。


本日もよろしくお願いいたします。

 黒い霧は濃くなっていた。

 足元すら見えない。


 前を歩くげんだけが迷わない。

 ただ真っ直ぐ進んでいく。


 やがて。

 げんが足を止めた。


「着いた」


 蒼真そうま達も立ち止まる。

 目の前の黒い霧が揺れた。


 風が吹く。

 霧がゆっくり割れていく。


 そして。

 全員が息を呑んだ。



 巨大な塊。


 祠。

 そう呼ぶには、あまりにも異様だった。


 黒い結晶。

 黒い柱。

 黒い流れ。


 山の中心には巨大な黒水晶が聳えていた。

 樹木より高く。

 岩壁のように広い。

 空へ向かって無数の結晶が伸びている。


 その中心。

 僅かに見えた。

 古びた祠。


 本来の姿を残しているのは、その一部だけだった。


「……何だよ」

 らんが呟く。


 誰も答えない。

 答えられなかった。

 もはや祠ではない。


 災厄だった。


 げんが目を細める。

「流れの中心だ」


 かがりが静かに頷く。

「ああ」

「ここが全ての始まりだ」



 その時だった。

 小さな咳が聞こえた。

 綾乃あやのだけが振り向く。


 豪山ごうざんだった。


「豪山?」


「何でもねぇ」


 豪山ごうざんが口元を拭った指先。


 そこに、僅かな赤が滲んでいた。

 綾乃あやのの表情が変わる。


「……」

 言葉は出ない。

 かがりだけが静かに豪山ごうざんを見る。


 一瞬。

 二人の視線が交わった。

 何も言わない。


 互いに理解していた。

 豪山ごうざん自身も。

 もう気付いている。

 限界が近いことを。


「行くぞ」

 豪山ごうざんが黒嵐を担ぐ。

 いつも通りの声だった。


 蒼真そうまも何も気付かない。

 らんも。

 げんも。


 ただ前だけを見ている。



 蒼真そうまは巨大な黒水晶を見上げた。

 ここだ。

 全てが繋がっている場所。

 つむぎへ。

 久遠くおんへ。

 流れの中心へ。


 刀の柄を握る。

 仲間達を見る。

 誰も怯んでいない。

 誰も引き返そうとしない。


 蒼真そうまは頷いた。

「行こう」


 全員が頷く。

 黒い祠。

 黒水晶の中心へ。


 蒼真そうま達は、一歩を踏み出した。



第八十五話 終

第八十五話をお読みいただきありがとうございました。


祠へ到着した蒼真達。


しかし、その姿は彼らの知る祠ではありませんでした。


そして少しずつ見え始める異変。


旅の終わりは近付いていますが、同時に本当の戦いも近付いています。


次回もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ