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紡ぎの剣 〜見えない糸を断つ者〜  作者: つるぎまる
第三章 繋がる根

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第二十九話「重ねる」

第二十九話は、

“繋がりを重ねる”回です。


触れるだけでは足りない。


重ねることで、

初めて“通る”形になります。


 「……いけるな」

 らんが、低く言う。


 息は荒い。

 焦りはない。

 さっきまでとは、違う。


 蒼真そうまは答えない。


 視線は——

 “流れ”。

 揃うもの。

 ズレるもの。


 そして——

 “交差点”。

 もう、迷わない。


「……来る」

 小さく、言う。

 その瞬間。

 空気が、歪む。


 ——来た。

 げんが動く。

 矢が走る。

 迷いはない。

 “そこ”に。

 固定。


「今だ」

 蒼真そうまが踏み込む。


 振る。

 斬る。

 触れる。

 断つ。


 らんが動く。


「おらぁ!」


 拳が入る。

 一撃。

 二撃。

 三撃。

 止まらない。

 崩れる。


 今までとは違う。

 “戻らない時間”がある。


「……続けるぞ」

 蒼真そうまが言う。


 げんが次を撃つ。

 間を置かない。

 固定。

 断つ。

 叩く。

 繋がる。


 連続。

 止まらない。


 空気が、揺れる。

 歪みが——

 保てない。


「……いいじゃねぇか!」

 嵐が笑う。

 拳を振る。

 通る。


 確実に。

 通る。


 蒼真が動く。

 さらに奥。


 “次の交差点”。


「……そこだ」

 振る。


 今までより——

 深く。


 確かに。

 “残る”。


 弦が撃つ。

 重ねる。

 固定。


 さらに強く。

 嵐が踏み込む。


 叩く。

 崩す。

 歪みが——

 揃わない。

 戻らない。


「……いける」

 蒼真が呟く。


 初めて。

 確信に近いもの。


 だが——

 止まらない。

 まだ終わりじゃない。


 “奥”がある。


 蒼真の目が、細くなる。

 見える。

 今まで見えなかったもの。

 さらに先。


 “もう一つの交差”。


「……あるな」

 小さく、言う。

 弦がわずかに反応する。


「見えたか」


「ああ」


「まだ下にある」


 嵐が笑う。

「めんどくせぇなほんと」


 止まらない。

 空気が、歪む。

 次が来る。

 だが今は違う。


 蒼真が動く。

 弦が撃つ。

 嵐が叩く。

 繋がる。

 連続。


 崩れる。

 止まる。

 今までより——

 長く。

 確実に。


「……押してるな」

 嵐が言う。


 蒼真は、頷かない。

 視線は外さない。


 “奥”。


 そこにあるもの。

 まだ届いていない。

 しかし、

 確実に近づいている。


「……次で行く」

 小さく、言う。


 それだけで、

 十分だった。



第二十九話 終

連携が安定し、

確実に届き始めています。


ですが——

まだ、その先がある。


次話、

“突破”へ。

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