表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紡ぎの剣 〜見えない糸を断つ者〜  作者: つるぎまる
第三章 繋がる根

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/105

第二十八話「交差点」

第二十八話は、

“交差点”を捉える回です。


見えていたものが、

狙える形になります。

 「……見えてきたな」


 嵐が、低く言う。

 息は荒い。


 だが——

 目は、死んでいない。


 蒼真そうまは答えない。


 視線は——


 “流れ”。


 揃うもの。

 ズレるもの。

 その両方。


 そして——


 “重ならない場所”。


「……あそこだ」

 小さく、呟く。


 げんが目を細める。

「見えているか」


「ああ」


「交差してる」


 嵐が顔をしかめる。


「どこがだよ」


「全部じゃない」

 蒼真の声が落ちる。


「一部だけだ」


 空気が、歪む。


 ——来る。

 今までと同じ。


 だが——

 違う。


 蒼真は動かない。

 見ている。


 流れ。

 揃う直前。

 ズレ。


 そして——

 交差。


「……今」


 その瞬間。

 げんが撃つ。

 迷いはない。


 一直線。

 矢が、空間をなぞる。


 止まる。


 “そこ”で。

 蒼真が踏み込む。


 振る。


 斬る。


 触れる。


 違う。

 今までとは。


 “抜けない”。


 そこに、残る。


「……通った」

 小さく、呟く。


 無月むつきの動きが、

 明確に止まる。


 今までより長く。


 らんが動く。


「おらぁ!」


 拳が入る。


 一撃。


 二撃。


 三撃。


 繋がる。

 途切れない。


 崩れる。

 歪みが——


 揃わない。


「……いける!」


 らんが叫ぶ。


 蒼真そうまは止まらない。

 さらに踏み込む。


 もう一度。

 見る。


 交差点。

 次の位置。


「……そこだ」


 振る。


 斬る。


 今度は——

 より深く。

 確かに。


 “留まる”。


 空気が、軋む。


 歪みが、

 逃げない。

 固定される。


 げんが、次を撃つ。

 間を置かない。


 重ねる。


 固定。


 蒼真が断つ。


 嵐が叩く。


 連続。


 崩れる。


 今度は——

 戻らない。


 一瞬。


 完全に、

 止まる。


 沈黙。


「……止めたか?」


 嵐が息を吐く。


 蒼真は動かない。


 視線は——

 まだ奥。


 そして——

 ゆっくりと、

 首を振る。


「……違う」


「まだ浅い」


 げんが小さく息を吐く。


「だが、近い」


 その言葉に、

 空気が変わる。


 確信がある。

 届く。


 このまま行けば。


 嵐が笑う。


「はは……いいじゃねぇか」


 拳を握る。


「やっと戦いになってきたな」


 蒼真が小さく頷く。

 視線は外さない。


 “奥”。


 まだ、そこにある。


 だが——

 さっきよりも、


 確実に、

 近い。


「……次だ」


 その一言で、


 十分だった。



第二十八話 終

“ズレ”の中にある一点。


そこを捉えることで、

戦いは成立し始めます。


次は、

それを繋ぎます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ