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紡ぎの剣 〜見えない糸を断つ者〜  作者: つるぎまる
第三章 繋がる根

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第二十五話「重なる一点」

第二十五話は、

連携が“完成する”回です。


それぞれの役割が重なり、

初めて“通す”ことができます。

 静かだ。


 だが——

 違う。


 何も来ていないわけではない。


 “見えていない”だけだ。


「……来る」


 蒼真《そうま》が低く言う。


 弦《げん》は動かない。


 ただ、狙っている。


 嵐は、拳を握る。


「今度は外すなよ」


「外さない」


 短い返答。


 その瞬間。

 空気が、裂ける。


 ——来た。


 弦が動く。


 矢が走る。


 迷いはない。


 一直線。

 空間をなぞるように——


 止まる。


 一点。

 固定。


「今だ」


 蒼真が踏み込む。

 迷わない。


 流れを見る。


 交差。


 揃う。


 振る。


 触れる。


 断つ。


 その瞬間。

 嵐が動く。


「おらぁ!」


 拳が入る。


 一撃。


 二撃。


 三撃。


 止まらない。

 繋がる。


 崩れる。

 歪みが、揺れる。


「……まだだ!」


 蒼真が叫ぶ。


 弦が次を撃つ。


 間を置かない。


 矢。


 固定。


 蒼真。


 断つ。


 嵐。


 叩く。


 繰り返す。


 連続。

 止まらない。


 歪みが——


 揃わない。

 再接続が、遅れる。


「……いける!」


 嵐が叫ぶ。


 蒼真が踏み込む。


 さらに奥。


 “根”へ。


 流れの先。

 見える。

 ほんの一瞬。


 だが——

 確かに。


「……そこだ」


 刀が、届く。

 今までより深く。

 断つ。


 空気が、裂ける。


 歪みが——

 崩れる。


 一瞬。


 静止。

 何も、動かない。


「……止めたか?」


 嵐が息を吐く。


 蒼真は、動かない。


 視線は、

 そのまま。


 そして——


 ゆっくりと、

 刀を下ろす。


「……違う」


 小さく、言う。


「止めただけだ」


 弦がわずかに目を細める。


「繋がりは、残っている」


 一拍。


「だが——」


 蒼真が続ける。


「届いた」


 沈黙。


 風が、戻る。

 軽い。


 しかし、

 完全ではない。


 嵐が、笑う。


「はは……やっとかよ」


 拳を握る。


「殴れるだけで十分だ」


 弦は何も言わない。


 ただ——

 矢を下ろす。


 蒼真が視線を上げる。


 “奥”。


 まだ、そこにある。


 さっきとは違う。


 距離が、

 縮まっている。


「……次だ」


 小さく、言う。


 それだけで、

 十分だった。


⸻


■第二十五話 終

完全には断てていない。


それでも、

確実に届き始めています。


ここから、

さらに奥へ踏み込みます。

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