第百二十二話「神代の剣」
いつもお読みいただきありがとうございます。
第百二十二話「神代の剣」。
黒羽で起きた異変は、ついに神代家へも届きます。
流れを感じ取った蒼一郎は、一つの決断を下します。
よろしくお願いいたします。
神代家
部屋には重苦しい空気が漂っている
水無瀬から届いた報せ
そして
「岩代が襲われています!」
そこまでを最後に
伝令は途絶えた。
それ以降、新たな報せはない
誰もが胸騒ぎを覚えていた
その時
カタ……
静かな部屋に、小さな音が響く。
蒼一郎は顔を上げた
床の間に置かれた一振りの刀
神代家に代々受け継がれてきた剣
カタ……カタ……。
震えは次第に大きくなる
蒼一郎は静かに歩み寄り、
柄へ手を添えた。
その瞬間
胸の奥へ、
激しい奔流が流れ込む。
乱れた流れ
押し寄せる無数の想い
今まで感じたことのないほどの異変。
蒼一郎は静かに目を閉じた
「……流れがおかしい」
振り返ると、
妻が不安そうに立っていた。
蒼一郎は迷わず言う
「蒼真と紬を頼む。」
妻はただ静かに頷いた
「ええ」
幼い蒼真が駆け寄る
「父上……」
蒼一郎はしゃがみ、
蒼真の頭をそっと撫でた。
その手は温かい
「行ってくる」
刀を腰へ差す
迷いはない
蒼一郎は静かに家を出た
向かう先は一つ
久遠家――。
第百二十二話 終
第百二十二話をお読みいただき、ありがとうございました。
神代家に代々受け継がれてきた剣。
その役目を果たす時が、ついに訪れました。
次回「繋がる糸」。
久遠家で待つ紡と、駆けつけた蒼一郎。
二人が世界を守るため、それぞれの役目を果たします。
次回もよろしくお願いいたします。




