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SPLASH!  作者: まるたん・しもんず


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9/14

第8話 初戦

ああ…寝不足だ。

なかなか寝付けなかった上にバカみたいに早く目が覚めてしまった。こんな時こそヨガしとけばよかった…


今日は試合会場に現地集合だ。

まあ、それでもいつも通りの合流場所で恒哉と合流してからだからそんなに何か特別な感じはしないけど。


それにしても朝練か…しかも鬼頭先輩と2人きり…なんだよな?


前回のヨガの一件があるからまだ油断できない。いざ行ったらいつものメンツがいる可能性も全然ある…でもそうするとなんで個別に誘ってきたのかがわからなくなる…


「先輩、なんで俺を朝練に誘ってくれたんすか?」


「だってりょーへーくんともっと2人の時間が欲しくて…」


「それって…」


「…うん。」


「先輩…いや、静香♡」


「凌平♡」


スパーン!


妄想してたら何者かに頭を引っ叩かれた。


「なに朝から道端で変顔カマしてんだ。不審者か?」


そんな失礼極まりないことを言ってくるのは当然待ち合わせてた恒哉だ。


「俺、そんな変な顔だった?」


「ああ、誰がどう見ても思春期の男子がエロい妄想してる顔だったな。」


うっ…当たらずとも遠からずってやつだ。

でも断じてエロくはなかった…はず。


「ったく…こっちが高校初めての試合だからめっちゃ緊張してるのによ。」


「へぇ、恒哉でも緊張するんだな?」


「そりゃ一年で入部したてなのにいきなりってなりゃ…あの時のお前もこんな…いや、もっと…」


「いやいや、あの時のことはもう言わないでくれよ。思い出すのも恥ずかしいんだからさ。」


俺は恒哉の言葉を遮るようになんとか笑顔を作ってそう言った。


「そうか…わかった。」


少しの間、無言で歩いていたが…ダメだ!俺が耐えられない!


「なあ、せっかくだからユニフォーム見せてよ。まだ実物見てないからさ。」


「ん?ああ。」


恒哉は快く肩にかけたドラムバッグから紫色の青稜男子バスケ部のユニフォームを…


「あのさ、俺たちの学校って青稜だよな?」


「?…そうだな。」


「なんでユニフォームは紫なんだ?」


校名的に青にするもんじゃないのか!?


「それな。他校の生徒からうちの学校に対していちばん多いツッコミらしいぞ。」


「だよなぁ!紫の理由がわかんねーもん。」


「なんでも創設者の人が紫が好きだったらしい。それで運動部のユニは全部紫が使われてるんだってよ。」


「だったらなんで校名に青の字使ったの?」


「それは創設者の人が青山さんだったからそこから一文字。ちなみに稜の方はその青山さんが登山が好きだったからなんだってよ。」


「……校名とかってそんなざっくりと決めるもんなのか?」


「さあ?でもよくある後からなんとかこじつけたみたいなのよりは潔くて俺は好きだけどな。」


「それ言われるとそうかってなるわ。」


そんなバカ話をしてさっきまでの変な空気を吹き飛ばした俺たちは最寄駅から地下鉄に乗って試合会場へ向かった。


試合が始まってもう第3クウォーターの終盤だ…

ベンチメンバーでない俺や他の1年生はスタンドから試合を見ている状況だ。

スコアは58対35でうちが大量リードな状況で残り1分を切ったところで木村先輩のスリーポイントが決まって61点となる。


次のディフェンスで相手校のシュートが外れたのを恒哉がリバウンドしてそのまま走ってた木村先輩に直接ロングパス、難なくレイアップで沈めて結局63対35で第3クウォーターを終えた。


木村先輩が多分もう1人で30点ぐらい取ってるけど…驚いたのは恒哉だ。


いきなりスタメンで試合に出て、得点はしっかりと数えてたけど、11点。しかも一本も落としてない。5分の5決めてバスカンでのワンスローも決めてる。


中学の時から一緒コートに立ってきたけど外から見てると改めて昨日、鬼頭先輩が言ってた恒哉のすごいところがわかる気がする。


あいつは今日、ドリブルをほとんどついていない。一回ポストアップしてその時に相手を押し込むために数回パワードリブルしたぐらいだ。


あとはスクリーナーとしてP&Pからのミドルシュートん確実に沈めてバスケットカウントの時はハイポストで裏を取ってボールが入ったらそのままレイアップに行ったところを後ろから押されたって感じだった…


他にもリバウンドの時はまずボールじゃなくてマークしてる相手を確実にボックスアウトで抑えることを徹底してるのもわかった。


鬼頭先輩の言った通り自分のできることがわかってるからそれをしっかりとこなしてる感じだな…それにしてもあいつ、中学の時よりなんか体が分厚くなってるんだが!


普段はゆったり目のウェアばかり着てるから気づかなかったけど肩とか上腕って言うんだっけ?そこも筋肉がついてるのが一目でわかる。なんかユニフォームが少しピチッと感出てるぞ。


「谷口くん、すごいね。」


そう隣から声をかけてくれたのは同じ1年の桑田くんだ。


「やっぱり桑田くんもそう思う?」


「うん。プレー自体は中学の時に対戦した時から確実性の高い人だなとは思ってたけど高校に入ってまだそんなに経ってないのに全く動じてないみたい…」


朝は緊張してるとか言ってたのに…


「俺たちも早く試合出られるように頑張んないとな。」


桑田くんとは逆の俺の隣にいた石井くんがそう言ってきてくれる。


「「うん。」」



俺と桑田くんはそれに同意した。


そうだ!俺だって早く試合に出たい…そのためには頑張るしかない。そのためにも週明けからの朝練も…鬼頭先輩と朝練…


いかん!また変な妄想をしそうになっていた。

危ない危ない…


「加藤くん、何頑張るつもりだよ!そんないかにもエロい妄想してる顔して!」


ヤバい!顔に出ていたか!?だが断じてエロいことは妄想してないよ桑田くん、信じてくれ!



結局試合は73対44でうちの圧勝に終わった。

木村先輩が34点とチームの半分近くの点を取っていた。


そして恒哉は13点、10リバウンドとダブルダブルを記録していた。

本当にすごいや…













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