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No.27




 No.27




 シンを乗せた馬車が数時間街道を走ると。どうやら目的地に到着したらしく。その歩みを止めた。

 シンが到着した場所を目にすると。そこに巨大な門が存在し。それに連なるように高い城壁が彼方の方にまで伸びていた。

 暫くすると重々しい門が開いていき。馬車はその門を潜っていく。

 総石造りのようで、中に入るとより一層重々しさを感じる。

 そして中には幾つもの門が存在し。門が開き中に入ると扉が閉まり。次の門が開く。と言う仕組みになっていた。

 それを繰り返すこと十数度。約距離にして百メール進むと。今度は頑丈な鉄格子が存在した。

 そして鉄格子の向こう側には、深き森と。その森とこちら側を隔てるように、大地に大きな亀裂と形容するほどの深い谷が存在した。


 「着いたぞ囚人共! ここが貴様達の終の牢獄となる『魔境』だ! さっさと出ろ!」


 看守の少女が馬車の檻を叩き。中に入っていた者達を急かすように出す。

 少女の言葉に嫌々ながらも重い足取りで檻から出る者達。その中でシンは観光にでも来たかのように辺りを見回しながら降りていく。


 「囚人! 貴様は渡界者だったな。貴様はこちらで『記録石(モノリス)』との接触をしろ」


 シンが檻から降りてくると少女はシンだけ『記録石(モノリス)』との接触をしろと指示をした。


 『どうして相棒だけしろって言うんだ?』

 「それは渡界者の場合、最後に接触をした『記録石(モノリス)』の在る場所に、再びこの世界に来ますから。脱獄をしないようにの手段ではないでしょうか」

 『なるほど。そう言うことか』

 「何をしている! さっさと来ないか!」


 イラつく様に言う少女の下へ行くシン。

 連れられていった先はアコルの町にもあった『記録石(モノリス)』であった。

 大きさはほぼ同じ。端末台はこちらは一台しかなかった。

 その一台の前に行き。ユニークカードを取りだし。台座に接続する。

 カードと台座が点滅し。目の前に半透明な画面が表示された。




 【名前】:シン

 【種族】:渡界者Lv:10

 【星力(プラーナ)】:夢幻

 【職業(クラス)】:幻想者(ファンタズム)Lv:2

 【所属ギルド】:No Deta

 【所属クラン】:No Deta


 【基本能力値】

 【体力】:110

 【精力(マイン)》】:380

 【筋力】:16

 【耐久】:18

 【知力】:25

 【器用】:23

 【敏捷】:20

 【幸運】:15


 EXP:6


 【固有スキル】:【精力(マイン)操作】Lv:1 new! 【星力(プラーナ)操作】Lv:1 new! 【術式操作】Lv:1 new! 【気功術】Lv:1 new!


 【職業(クラス)スキル】

 【幻術】Lv:1 【幻想召喚】Lv:1


 【使役されるモノ(サーバント)】(1/1)

 【百地】(活動中)


 【持ち物】

 ユニークカード 藍の衣服三点セット 安物の下着 安物のサンダル 聖者の泉


 【チャージ金額】:400 リーエン




 【名前】:百地

 【種族】:人工霊人族(ツクモ)Lv:5 

 【星力(プラーナ)】:無


 【基本能力値】

 【体力】:290

 【精力(マイン)】:35

 【筋力】:110

 【耐久】:210

 【知力】:38

 【器用】:13

 【敏捷】:3

 【幸運】:28


 【固有スキル】

 【大喰らい】Lv:2 【化生変化】(2)




 「変わりは無いようですね」

 『まああの姉ちゃんとのは模擬戦だしな。それ以外は話聞いてたり。のんびりと座ってたりと。大した経験にはならねんだろうよ』

 「ですね」

 「囚人! 終わったのならこっちに来い!」


 少女を怒らせないためにもシンは急ぎ足で少女の下へ行く。


 「これで貴様は最早脱獄不可能となったわけだ。わっはっはっはっ!」

 「そうなのですか? 刑期は一日と聞いていたのですが?」

 「はあ? 何を言っている。ここは貴様らの様な重犯罪者を収容する『魔境』だぞ!」


 少女の断言した言葉にさしものシンも押し黙り。


 『……おい相棒。メチャクチャ勘違いでここに居ねぇか。俺様たち』

 「……ですよね。一体何処で間違えてしまったのでしょうか?」


 漸く自分達が間違った場所にいることに気がついたシン達。

 そして少女に自分達が間違った場所に来てしまっていると報告したのだが。


 「ハッ! 自ら出頭してきた殊勝な犯罪者だと思っていたが。どうやらお前もそこらのクソ犯罪者共と同じのようだ! 今さら後悔か? だが残念だな! 貴様は最早囚人となった! 哭こうが喚こうが、貴様が『魔境』に容れられる事には変わりはないのだ!」

 「あの、私は軽犯罪と言う形で罪を償う予定でしたのですが」

 「それが本当だとしても私には知ったことか! ここの囚人となった貴様を『魔境』へと容れる! そして私が貴様達が逃げないように監視をする! それが私の役目だ!」


 職務に忠実な方でいらっしゃると、この手の人間に押し問答をしてもしょうがないと。別質問をする。


 「では、刑期を終え。外へ出ることは可能ですか?」

 「ん? 刑期を終える? そんなことはふkーーー」


 そこで少女は意地悪そうな笑みを浮かべ。


 「貴様の刑期がどらくらいかは私は知らん。しかしーーー喜べ囚人共! この優しい私がひとつ貴様らに良い話をしてやろう」

 「ご拝聴いたします」


 シンは依頼を受けるように、少女の言葉に耳を傾けた。


 「知っている者も要るだろうが、この『魔境』にはモンスターがいる。そのモンスターから得られる『晶石』。その晶石を持ってきたら私が買い取ってろう。そしてその買い取った分の金で貴様ら自身を買い取ると言うのはどうだ?」

 「買い取ると言うのは?」

 「ハッ! 貴様らのような重犯罪者を外に出すに為には死んで死体となるか。奴隷として買われるかのどちらかだ」

 「なるほど。つまり私達自身が奴隷として自分を買うことで釈放となるよう取り計らうと?」

 「その通りだ囚人。なかなか頭は良さそうだ。理解の足りない後ろの連中にあとで貴様から伝えてやると良い」


 少女はそれだけで言うと高笑いをしながらこの場を去ろうとする。

 そこをシンが止めに入る。


 「少しお待ちください看守さん」

 「なんだ囚人? ここから出たければ晶石を持ってこい」

 「その晶石。如何程に持ってくれば宜しいのでしょうか? それを明確に言って頂かなければ、私達は永遠と晶石を集めなくてはいけなくなります」

 「ッチ! そこまで頭の回る知恵を持っていたか」


 少女は面白くないと言うように顔を歪める。

 シンはそんな少女を気に止める事なく。再度問う。

 少女苦虫を噛み潰したよう表情した。

 ここでは自分が法である。

 少女は勢いのままシンを黙らせることも出来たのだが、それをせず。シン達に釈放条件を述べた。


 「小玉サイズの晶石であれば一粒1リーエン。中玉サイズの晶石であれば一粒5リーエン。大玉サイズの晶石であれば一粒10リーエンだ。そして貴様らが自身を買う値段は一人頭100万リーエンだ。これ以上は絶対に変えることはしない!」

 「了解致しました。そのご契約条件はここに居る者達だけですか?」

 「ハッ! 貴様らが晶石を持って来るのであれば、幾人だろうと条件を飲んでやろう!」

 「では再確認の為、ご契約内容を再確認させて頂きます」




▼▼▼▼▼▼▼▼▼《契約内容》▼▼▼▼▼▼▼▼


 〇自身の買い取り[期限:無期限]

 重犯罪者である者達の釈放する条件として以下の条件が適応される。


 一つ。『魔境』に容れられる重犯罪者達は『魔境』に住むモンスターを倒し。その倒したモンスターから得られた晶石を『魔境』第三看守長アルニマに買い取って貰うことで、自身を買い取り。『魔境』第三看守長アルニマの手により釈放とすることができる。


 二つ。『魔境』第三看守長アルニマは囚人より晶石の買い取る。

 その時の晶石の値段は小。中。大玉のサイズをそれぞれ。1、5、10リーエンで買い取ることを。


 三つ。囚人一人の買い取り値段は100万リーエン。この値段に達しているのであれば、幾人であろうとも釈放とすると、『魔境』第三看守長アルニマの名に於いて約束をするものとする。


 四つ。死亡。奴隷。または上記の釈放以外の方法で『魔境』から出ることを禁ずる。破られた場合はより重い罰を下すこととする。


 五つ。以上の条件は決して反語されることは無いこととする。もし破られた場合はその破られた方に解けることの無い呪いが施される。


 追記六つ。看守長が代替わりをしたとしてもこの約定は続けられるものとする。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲




 「と、言う内容となります。そしてこちらが契約書となります。お持ちください」


 先程シンが述べた契約内容が書かれた二枚の紙の内一枚を少女。アルニマに手渡した。

 アルニマはその紙を無視するようにしようとしたが、シンが「お受け取りください」と、再度言われると。契約書を引ったくるように受け取り。乱暴にポケットへと突っ込んで入れた。

 アルニマは嫌そうな顔をしていたが、その顔が一瞬歪むと、その体が倒れるようにふらついた。


 「ッチ」


 眩暈がしたと言うように顔を手で覆う。


 「護送で少々疲れた。私は部屋に行き休養をとる。囚人達の『魔境』へと収容はお前達がやっておけ!」


 そして他にいた看守達に命令を下すと。その場を去っていく。ところをシンが。


 「ご多忙のところお手間を取らせ申し訳ありませんでした。どうかお体をご自愛ください」


 丁寧に頭を下げ礼を述べる。

 しかしアルニマは何も反応すること無く。その場を去っていった。
















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